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2016年2月 4日 (木)

第10章・日本はデンマークから学ぶものがあるか・「家庭における両親の役割は子供を育てて、その生活を守るために働くのだとすれば、政治家、役人は国を守り、国民を守る義務がある」と言う教授の信念は、国家観、行政に携わるものへの期待感を端的に表すものでした。平成28年2月4日


引用


第10章・日本はデンマークから学ぶものがあるか・平成28年2月4日


「政治家、役人には、国民を守る義務がある」・193頁・ 


分かりきったことですが、国や町を守るのは、その場所に住む国民・住民です。そのためには政治に携わる人、行政機関に勤める人は、その場所を守るための知恵と行動力が必要です。国や町を守るというのはどういうことなのでしょうか?この意味を知ることによって、日本がデンマークから学ぶものがあるかどうかの答えが自ずから見えてくると私には思います。

どの国に住んでいようと、人々は「豊かな生活」がしたいと願っています。たしかに人間の欲望には限度が無く、「豊かな生活」への考え方や思いの強さは様々だと思いますが、ごく普通の人々が求める「豊かな生活」とは、「自分の能力が生かされる職業を持ち、その収入によって家族の衣食住、教育費に困らない程度の生活」と定義してもよいと思います。「豊かな生活」を求める国民の要望に沿って、国や町の「かたち」が創られていくことが必要だと思います。それが真に守られるべき「国や町」です。193・


194頁・そして「豊かな生活」の中心はやはり、仕事が確保されることにあると私は思っています。

人間は動物と違い、生きる意味を実感するために仕事が必要です。どのような種類の職業であろうが、その人が満足できる職業を選択できる、それを社会が保証することが豊かさの一つでしょう。

デンマーク入国一年半後、入学したコペンハーゲン大学でたくさんの印象深い学生や教授に出会いました。ある教授が国家経済理論の講義で「国家経営とは改定経済を大きくしたものである」と語ったことが今も記憶に残っています。「家庭における両親の役割は子供を育てて、その生活を守るために働くのだとすれば、政治家、役人は国を守り、国民を守る義務がある」と言う教授の信念は、国家観、行政に携わるものへの期待感を端的に表すものでした。

コペンハーゲン大学政治経済学部の卒業生はほとんどは中央官庁の役人や政治家になっていきますが、この教授の考え方は、デンマークと言う国のあり方を端的に表現していると思いました。そして、政治経済学部の教科書の半分は英語で書いたものを使い、授業はデンマーク語、一年生から経済理論の勉強が始まりましたが、唯一教養課程の科目でしかも必修だったのが、哲学の科目でした。なぜ哲学を勉強するのか、国の政治・行政官につくものには哲学が必要だという大学を営む国の信念からでした。

「豊かな生活」が持続できる社会が形成されつつある・194頁・


デンマークの政治の特徴は、次代の流れに合わせ、国民の「豊かな生活」への要望の満たすため、つねに政策の転換を図ってきたことにあると思います。194・


195頁・ここまで 

「日本の株だけは手を出すな」195頁・平成28年2月6日 土曜日・

「日本の株だけは手を出すな」という新聞記事(ユーランドポスト)が出たことがあります。この記事によると、日本経済は10年以上も不景気が続き、しかも

経済回復のシナリオが見えないし、その兆候も見えていないため、投資の対象としてはリスクが多すぎるというものでした。195・


196頁・

日本の現状は、国民が生きるうえで最低限必要な食料とエネルギーを国外に依存し、多額の債務を負い、しかも生産者人口が減り、高齢者数が増えています。

失業率は5・5%と言いますが、日本の失業者の定義は実態にそぐわないという指摘があり、今日、フリーターを含めた失業者数は1000万人にも上るとの声も聞こえてきています。もし、これが事実なら、日本の労働人口約6800万人に対し、約15%は定職がないか、全く仕事をしていないということになります。しかも、経済的理由を含め、40代の働き手が四年連続して一日平均85人も自殺しています。このような日本に投資するにはあまりにもリスクが大きいという主張は理解できます。例えば、次のような緊急の課題に対して、日本政府や国民は解決の方策を持っているのでしょうか。

・増え続ける失業者を減らすための雇用対策を元合わせているだろうか?

・食料とエネルギーの確保はどうしようとしているのか?

・増大する債務をどうやって減らそうとしているのか?

・生産人口が減る中で、高齢者をどのようにして介護していこうとしているのか?

日本はデンマークから学ぶものがあるか?その答えは、日本人が求める「豊かな生活」への処方せんを政治家、役人を含め、日本人が持っているかどうかにかかっていると思います。これらの課題を解決する道筋について、国民的合意形成ができているならば、時間はかかるかもしれませんが、日本は独自にこれらの改題を克服していくことでしょう。もし、解決への処方箋が見えてないというのであれば、デンマークに学ぶものがあると思います。196・ここまえ・


日本の教育は間違っていないか・197頁・平成二十八年二月六日・

デンマークで解決できたことが、日本ではなぜできないのか、この疑問に答えるためには、日本の教育の問題に触れる必要があると思います。デンマーク市民は「持続可能な社会形成」、私の理解では「限られた地球上の資源の中で、人類が継続して生存するための社会創り」への努力を積み重ねてきましたが、その行動力はデンマークの教育の中で育てられてきたと思います。

人間の行動力は教育によって育成されることを前提として話を進めますと、なぜ、デンマークでは「豊かな生活」の社会基盤の形成ができて、日本では出来ないのだろうかと言う疑問に至ります。

改めて日本の教育のあり方を検証する必要があるのではないかと思っています。

日本の教育の目的は「教育基本法」(第一条)で、「教育は、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、心理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身共に健康な国民の育成を期して行われなければならない」と規定しています。

ぜひ「教育基本法」「学校教育法」をお読みにいただきたいのですが、「学校教育法」では小学校の教育目標として、「郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと」「日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと」を掲げています。

また、中学校では「小学校における教育の目標をなお充分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと」197・


198頁・平成28年2月6日 土曜日・

高等学校では「社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること」を求め、しゃいいへの「健全な批判力」を養うためとしています。さらに、大学は「学術を中心として、広く知識を授けるとともに深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳及び応用的能力を展開させることを目的とする」と定めています。ここまえ



1970年代の「オイルショック」を契機にしたエネルギーの自給政策への転換とその後の環境・エネルギー政策への展開がその典型と言ってよいでしょう。生きるうえで不可欠な安全な環境の保全とエネルギーの確保は国民一人ひとりの力で達成することは困難です。デンマーク人は政治を動かし、行政の手を借り、必要な政策を導入させることに成功したと言ってよいと思います。デンマークが導入した環境・エネルギー政策が今日、新しい産業を生み、新たな「豊かな生活」への道を開いています。

デンマークの過去10年間の統計を見ると、失業率は1990年の9・7%から2001年には4・8%と半減、貿易収支は1990年以降、98年を除き2000年に至るまで黒字を計上しています。2000年の貿易黒字額は約425億クローネで国民一人当たりに換算すると約8000クローネ(日本円で約12万円)の黒字になっています。国民総生産に占める政府債務額の割合は90年の約62%に対し、2001年は43%に減らしています。

国民に「豊かな生活」を保障するという政策を追求した結果、雇用が確保され、国際収支の問題もなく、国家財政もバランスが取れ、食料とエネルギーが確保され、社会保障制度も確立して「豊かな生活」が持続できる社会が形成されたということです。195・


196頁・

日本の現状は、国民が生きるうえで最低限必要な食料とエネルギーを国外に依存し、多額の債務を負い、しかも生産者人口が減り、高齢者数が増えています。

失業率は5・5%と言いますが、日本の失業者の定義は実態にそぐわないという指摘があり、今日、フリーターを含めた失業者数は1000万人にも上るとの声も聞こえてきています。もし、これが事実なら、日本の労働人口約6800万人に対し、約15%は定職がないか、全く仕事をしていないということになります。しかも、経済的理由を含め、40代の働き手が四年連続して一日平均85人も自殺しています。このような日本に投資するにはあまりにもリスクが大きいという主張は理解できます。例えば、次のような緊急の課題に対して、日本政府や国民は解決の方策を持っているのでしょうか。

・増え続ける失業者を減らすための雇用対策を元合わせているだろうか?

・食料とエネルギーの確保はどうしようとしているのか?

・増大する債務をどうやって減らそうとしているのか?

・生産人口が減る中で、高齢者をどのようにして介護していこうとしているのか?


日本はデンマークから学ぶものがあるか?その答えは、日本人が求める「豊かな生活」への処方せんを政治家、役人を含め、日本人が持っているかどうかにかかっていると思います。これらの課題を解決する道筋について、国民的合意形成ができているならば、時間はかかるかもしれませんが、日本は独自にこれらの改題を克服していくことでしょう。もし、解決への処方箋が見えてないというのであれば、デンマークに学ぶものがあると思います。196・ここまえ・


日本の教育は間違っていないか・197頁・平成二十八年二月六日・

デンマークで解決できたことが、日本ではなぜできないのか、この疑問に答えるためには、日本の教育の問題に触れる必要があると思います。デンマーク市民は「持続可能な社会形成」、私の理解では「限られた地球上の資源の中で、人類が継続して生存するための社会創り」への努力を積み重ねてきましたが、その行動力はデンマークの教育の中で育てられてきたと思います。

人間の行動力は教育によって育成されることを前提として話を進めますと、なぜ、デンマークでは「豊かな生活」の社会基盤の形成ができて、日本では出来ないのだろうかと言う疑問に至ります。


改めて日本の教育のあり方を検証する必要があるのではないかと思っています。


日本の教育の目的は「教育基本法」(第一条)で、「教育は、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、心理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身共に健康な国民の育成を期して行われなければならない」と規定しています。

ぜひ「教育基本法」「学校教育法」をお読みにいただきたいのですが、「学校教育法」では小学校の教育目標として、「郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと」「日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと」を掲げています。

また、中学校では「小学校における教育の目標をなお充分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと」197・


198頁・平成28年2月6日 土曜日・

高等学校では「社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること」を求め、しゃいいへの「健全な批判力」を養うためとしています。さらに、大学は「学術を中心として、広く知識を授けるとともに深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳及び応用的能力を展開させることを目的とする」と定めています。

日本の学校教育の実体とその評価にまで言及することは、私の能力をはるかに超えるテーマですので差し控えますが、「教育基本法」「学校教育法」に掲げられた理念や目標が実際にどのように実現されているか、充分に普段のチェックがされているのでしょうか。日本では、法律や制度と実際の運用、理念と実際が掛け離れているのではないでしょうか。


「環境基本法」(1993年)には、「環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する政策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在および将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする」と書かれています。

日本の学校教育の目的も、掲げている理念や課題も、デンマークと大差はないと私には思えます。環境教育の目的も適切なものだと判断せざるを得ません。それにもかかわらず、日本では教育の効果が上がっていないと考えられているというのはどこに問題があるでしょうか。私の結論を先に述べますと、おそらく日本の学校行政は「教育基本法」や「学校教育法」に定められた理念や目的に沿って行われてこなかったことに原因があるのではないでしょうか。198・


ここまで

こまえ

ここまで

 


第8章・デンマークという国の政治・国政選挙、地方自治地選挙におけるこの高投票率は日本では考えられないものでしょう。この投票率の高さは、国民と政治の距離が極めて接近していることの一つの現れだと思います。この国民性は学校教育、とくに歴史教育の成果、家庭で政治が語られる機会の多さ、つねに国全体の問題を取り上げて国民的な論議を促しているマスコミなどが作り上げてきたものだと思います。平成28年2月3日 水曜日

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/02/82823-0abe.html

17:45 2016/02/03 


デンマークという国 自然エネルギー先進国―「風のがっこう」からのレポート 単行本  – 2006/2 ケンジステファンスズキ (著) 資源の持たないデンマークでどうしてこんなに水準の高い、教育、医療、福祉社会を実現出来たのか?人が生きるために必要な水と空気を汚染から守り、食料とエネルギーの国内自給に努力し、「弱い者を助ける」という政治の愛情が感じられる社会。デンマークから学ぶものがあるとすれば、国民の生活を守る政治のありかただ。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/02/20062-a299.html

15:42 2016/02/03


 

第10章・借金の残さないデンマーク・ツケを残す日本・

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/post-cced.html

6:22 2016/01/30 


2016年1月30日 (土)?「名古屋地域委員会」 名古屋地域委員会 ・・・・・   内田 良子(うちだ りょうこ、1942年 - )は、日本の心理カウンセラー

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/1942---0848.html

http://www.city.nagoya.jp/

http://www.city.nagoya.jp/mayor/category/359-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html

5:17 2016/01/30 


河村たかし 名古屋市長 2010.4.14

https://www.youtube.com/watch?v=0AqrDtHdLh0

15:34 2016/01/29

河村たかし名古屋市長報道番組出演3/3

https://www.youtube.com/watch?v=GsBz8t6BArs

15:13 2016/01/29

下條村 自治体はこうやって運営する 河村市長も同意? 1/2

https://www.youtube.com/watch?v=z8PwWydCDMQ

11:15 2016/01/29 


2016年1月29日 (金)この例のようにデンマークと言う国では国民の意思が政治に直接反映するシステムが出来上がっています。「国家運営」に国民1人一人が参加しているという実感が持てる国になっています。こうした意識の形成に学校教育が大きな役割を果たしています。166・第9章 教育の目標は「国家運営」に参加する国民をつくること・平成28年1月29日・

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/9-28129-72e2.html

8:27 2016/01/29 


2016年1月28日 (木)第7章 福祉制度をつくり出したデンマーク・福祉を考えなかった日本・平成28年1月28日 木曜日・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/7-28128-deb6.html

11:09 2016/01/28 


2016年1月28日 (木)行政官僚と産業界との癒着は封建制度時代から引き継がれている国のかたちと・・・・・デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本–2008・2 ケンジステファンスズキ (著)

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/20082-e7ed.html

8:51 2016/01/28 


・2・地方自治無くして民主主義国家はあり得ない・84頁・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/post-46fe.html

10:11 2016/01/27


3年前に自然養鶏を始めた・・・らの遺言 新書 – 2015129 倉本 聰 (著) 数多くの演劇やドラマ作品を通じて、自然環境の破壊や社会秩序の乱れについて警鐘を鳴らし続けている著者の最新エッセイ。貧しくはあったが光と幸せに満ちていた昭和の時代を、80歳になったのを機に自らの体験と独特の切り口でふりかえる。日本人は今後どのように生きていくべきかを考える上での指針となる一冊。全国自然養鶏会は中島正氏の著書「自然卵養鶏法」に共感し、循環農業の一環としての自然養鶏を確立すべく、情報交換や交流会を行っています。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/2015129-80-c9dc.html

8:40 2016/01/27  


「豊かな生活」が持続できる社会が形成されつつある・194頁・

「日本の株だけは手を出すな」195頁・

日本の教育は間違っていないか・197頁・

大学が学びの場になっていない・199頁・

形式的な大学ブランド主義・200頁・


第11章・日本への私の提案

国のあり方を国民が考える・203頁・

「コンセンサス会議」を提唱する・204頁・

食料の国外依存主義からの脱却を・206頁・

水資源の公平な分配を・208頁・

エネルギー消費は公平性が重要・209頁・

水浄化のためにバイオガスシステムの普及を・210頁・

地域ビジョン作りに「可能性調査」を213頁・

膨大な市場に参入を・215頁・

ハイブリット型発電機を世界に普及させよる・218頁・

山林資源を循環的に利用する・220頁・

私の13の提案・220頁・

増補版のあとがき・参考文献・平成28年2月3日・

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9:22 2016/02/03


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