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2013年6月12日 (水)

世界経済がわかる・大前さんの復興

sun

引用

日本をいかに復興させるか~大前研一


 

2012年11月4日 17:12:48

 

 

引用

 

メガ・グループの崩壊 [単行本] 長谷川慶太郎 () ◆戦後最大の製造業危機!!

 

世界デフレで、グローバルな「価格戦争」が勃発している。これまで、世界最高の技術で高価格でも受注ができていた日本の製品が、「価格戦争」で危機に立たされている。これまでの「3H」が「2H1L(詳しくは本書を)

 

へと変わってしまったために、日本の製造業に厳しい条件が押し寄せてきた。しかも、先進国と新興国、途上国の間の賃金格差が縮まり、世界は「賃金の平準化」へと向かう。これは日本人の賃金が、これからどんどん下がっていくことを意味する。製品の価格下げは、企業(売り手)にとっては地獄である。しかし、技術力を上げ、なおかつ低価格の製品を作る努力を怠れば、その企業は生き残れない世界となったのである。

 


 

中国でさえ安い賃金を求めて国外へ進出している・・16頁、中国では今、年率20%もの割合で賃上げが進んでいる

 


 

日本人の給料は確実に下がっていく・・20頁、

◆原発の受注で韓国に負けた日本に勝機はあるのか?

 


 

「電気自動車」と「3Dテレビ」が今後の日本経済をうらなう・・40、「ハイテク、ハイクオリティ、ロープライス」という2H1L」の話に戻せば、ロープライスを実現できるハイテクとハイクオリティというものが研究開発の焦点になるということだ。

第二章 世界インフラで日本は生き残れるか高速鉄道・原子力発電・環境・水ビジネス、55頁、平成24117日 水曜日

環境問題が日本の未来を決定づける・・76頁、「温室ガス二五%削減」発言で技術を押し上げるしかない鉄鋼業

 

インフラの建設が世界中で進行している。

 

高速鉄道・原子力発電・環境・水ビジネスである。

 


 

21世紀は高速鉄道の時代を迎え、アメリカ、中国、ブラジル、ベトナムなど、各地で受注合戦が繰り広げられている。

 

原子力発電では、中東、ロシアをはじめ、長きにわたるインフラの大規模受注が存在する。

 

環境では「温室ガス削減」が可能となる技術革新が求められる。

 


 

水ビジネスでは、日本は遅れを取り戻せるかが焦点となる。

 


 

果たして、日本はこれらのインフラ事業を獲得できるのか。

 


 

 

 

◆通貨・ユーロは崩壊する!?

 

「ギリシャ危機」によって、ユーロは基軸通貨としての可能性を完全に失った。これはユーロ崩壊の第一歩にすぎない。EU諸国には、南北格差が存在する。ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペインのいわゆる「PIGS」が、ユーロの呪縛によって財政破たんへと向かっていく。

 

いまだ利害関係がひしめくEU諸国にとって、経済再生は遠い道のりとなる。

 


 

 

 

◆すでに民主党を見放した国民すべてを先送りにしてきた鳩山首相に対して、国民はリーダーシップのないトップへの信頼感を失いつつある。特に「政治とカネ」の問題で、国民の民主党離れに歯止めが効かなくなった。また、鳩山政権の息の根をとめるのが、普天間基地移転問題である。民主党は結果的に沖縄県民を裏切ってしまった。

 


 

これに対し、鳩山首相はどう説明をするのか。そのほか、高校無償化、預入金引き上げなどが引き起こす日本の問題など、民主党の愚策を斬る。

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

世界の市場が大変化した!製造業危機!?ユーロ消滅!?民主党分裂!?トヨタ、三菱、新日鉄、JFE、川重、東芝、日立、ソニー、パナソニック…「世界価格戦争」に勝てない日本企業に未来はない。

 


 

単行本: 208ページ 出版社: フォレスト出版 (2010/4/20) 発売日: 2010/4/20

 

 

 


 

目次

 

目次

 

 

 


 

第一章 戦後最大の危機を迎えた日本の製造業

 

●世界規模で「価格戦争」が始まった・・12、

 

先進国の賃金は下がり、途上国の賃金が上がる・・12、

 

中国でさえ安い賃金を求めて国外へ進出している・・16、

 

未だ大打撃をこうむっている日本経済・・18、

 

日本人の給料は確実に下がっていく・・20、

 

象徴的な百貨店とユニクロの陰と光・・22、

 

●「3H」から「2H1L」という厳しい時代へ・・26、

 

「ハイプライス」から「ロープライス」へ変わることの重要性・・26、

 

「ハイクオリティ」を失いトヨタは危機に直面した・・30、

 

トヨタ社長がリコール対応に遅れた理由・・33、

 

米国議会の公聴会の重大性を知らなかったトヨタ陣営・・37、

 

「電気自動車」と「3Dテレビ」が今後の日本経済をうらなう・・40、

 

電気自動車が与える「鉄鋼業」への深刻な影響・・45、

 

鉄鋼業界の高炉方式にかわりリサイクル技術・・49、

 

惰性から抜け出せない製造業の経営者・・52、

 

第二章 世界インフラで日本は生き残れるか・・

 

高速鉄道・原子力発電・環境・水ビジネス・・

 

●二一世紀は高速鉄道の時代・・56、

 

高速鉄道計画は米国エネルギー問題に欠かせない・・56、

 

中国が掲げる「大鉄道ビジョン」・・59、

 

ブラジル高速鉄道計画のライバル、フランス・・62、

 

新幹線とリニアモーターカーに政治はバックアップできるか・・64、

 

●このままでは部品の下請けになる原子力発電原発・・67、

 

米国主導による核廃棄の安保理決議で原発が増えていく・・67、

 

原発受注に必要な官民一体体制・・72、

 

 

 

●環境問題が日本の未来を決定づける・・76、

 

「温室ガス二五%削減」発言で技術を押し上げるしかない鉄鋼業・・76、

 

「環境特許」を日本は生かせるのか・・81、

 

●水ビジネスという一一〇兆円市場に日本は食い込めるのか・・84、

 

途上国の水処理問題は火急の課題・・84、

 

「逆浸透膜」という技術で日本は世界の遅れを取り戻せるか・・86、

 

「世界水戦争」に突入する日本企業・・88、

 

日本の自治体の技術を海外に活用せよ・・92、

 

第三章 復活に本気の米国、ユーロ崩壊へ向かうEU諸国

 

●経済再生に本気に取り組む米国・・96、

 

金余りがニューヨーク市場を復活させた・・96、

 

金融市場を混乱させるオバマ政権の金融政策安・・99、

 

米国の消費低下にインパクトを与える電気自動車・・102、

 

ブロードウェイに群がる金持ち農民・・105、

 

徹底的な信用調査でサブプライローンも復活している・・107、

 

日本よりも厳しい米国の教育格差・・110、

 

●混乱したままのEU経済はユーロ危機を迎えている・・113、

 

 

 

「ギリシャ危機」はユーロ崩壊の第一歩にすぎない・・113、

 

ギリシャが求めるIMF支援の厳しい条件・・116、

 

「ギリシャ危機」がユーロ通貨の信頼を低下させた・・118、

 

 

 

南北格差で「PIGS」の四カ国がユーロを離脱する・・121、

 

基軸通貨の可能性を完全に失ったユーロ・・124、

 

ユーロの呪縛でギリシャ国民に襲いかかる試練・・126、

 

ユーロは崩壊の道へと進むのか・・129、

 

いまだ利害関係で分裂したままのEU諸国・・133.

 

ドイツは今のユーロ体制に耐えられるのか・・137、

 

 

 

第四章 成長する新興国は日本再生の鍵となるのか

 

●中国の景気はどこまで続くのか・・142、

 

リスクとともに台頭する中国とBRICS・・142、

 

農村を中心に展開する爆発的な中国自動車市場・・145、

 

一党独裁で突き進む中国金融市場・・149、

 

二〇一〇年も景気が持続する中国に金融引き締めはない・・152、

 

 

 

●低価格市場で伸びるインド、資源輸出を画策するロシア・・156、

 

複雑なインドの慣行を克服したスズキの功績・・156、

 

資源輸出に頼らざるを得ないロシア・・162、

 

第五章 鳩山政権に、このまま日本を任せられるのか

 

●時代を理解できない民主党の逆行政策・・168、

 

 

 

いつまでも内需振興の幻想を追い続ける民主党・・168、

 

「高校無償化」は日本の教育危機を生み出す・・170、

 

いつまでも民営化できないで国有化される郵政・・173、

 

ゆうちょ銀行の預金限度額引き上げで農協が潰れる・・175、

 

ゆうちょ銀行はモラトリアムの実施で汚職の巣と化す・・178、

 

政府がプロジェクトして経済を支えるしかない・・182、

 

財政支出の削減と減税を同時に行う勇気が必要・・185、

 

●鳩山政権の誕生で、政治は激動の時代を迎えた・・189、

 

国民の民主党離れに歯止めが効かなくなった・・189、

 

 

 

普天間問題が鳩山政権の息の根を止める・・192、

 

「政治とカネ」の問題で国民は民主党を見限った・・197、

 

これからは政界再編の時代が始まる・・200、

 

民主党が参議院選で勝利することはない・・202、

 

民主党は日本経済を再生できるのか・・205.

 

平成24115

2012年11月9日 8:01:36

 


 

 

 

 

第一章 戦後最大の危機を迎えた日本の製造業

 

●世界規模で「価格戦争」が始まった・・12頁、12/11/4 642分、

 


 

先進国の賃金は下がり、途上国の賃金が上がる12・

 


 

今や世界全体に本格的にデフレの扉が開いた。デフレは当然ながら消費市場を縮小させる。米国は消費市場を膨らませることで景気を維持するという政策を今世紀に入って一環として続けてきたが、一昨年のリーマンショックによってその消費市場はシャボン玉が破裂するように弾けてしまった。

 


 

その結果、昨年、米国はついに世界一の自動車市場の座をすべり落ち、中国に取って代わられた。もちろん米国では、自動車だけではなくほとんどすべての耐久消費市場が大きく縮小した。米国向けの輸出に依存してきた日本の製造業も大きな打撃を受けた。EU(欧州連合)も例外ではない。

 


 

13頁、12/11/4 651分、

 

このような新しい経済情勢に対抗する力を持っているのが中国、インド、ブラジルといった新興国である。2009年に中国はGDP(国内総生産)で8・9%の成長、インドも7・2%の成長をそれぞれ達成した。ブラジルは2009年の前半は低調だったものの、2009年7~9月期は年率換算で5%強の成長となり、10~12月期はさらに好調で同じく8%もの成長を記録した。2010年は5%台後半から6%台の成長を期待する声も出始めている。

http://www2.synapse.ne.jp/takita/takita_hp/kada%20yukiko%20tiji.html

2013、6、12、

2013年6月11日 (火)

失敗した奄美大島の合併・佐渡市も・対馬市も一つの行政帯に

 

引用

 

http://www2.synapse.ne.jp/takita/takita_hp/minnanotou_yakuninwo_tukaikonasu.html#9wariga_yakuninyasui

 

 

差出人: 佐渡市財務課 <zaimu@city.sado.niigata.jp>

 

送信日時: 20121015日月曜日 15:31

 

宛先: takita@po.synapse.ne.jp

 

件名: 合併効果について

 

 

 

滝田 好治 様

 

 

 

 お世話になります。 本日、お電話で問い合わせのありました件について、メールいたします。

 

 

○ 合併効果についての資料については、下記のアドレスを参考にしていただきたいと思います。

 

資料は合併(16年)から19年までの数値ですので、それ以降(20年から24年)については、それぞれの年度の当初予算のアドレスを添付しましたの確認願います。

 

○ 職員定数については、平成17年から平成22年度の職員定数のアドレスを添付しましたのでご確認ください。

 

○ 議員定数については、合併時:60名→平成20年:28名→平成24年:24名となります。

 

 

 

財政状況からみた合併効果と影響(1619年度)

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/2008rev/index.shtml

 

 

 

平成20年度当初予算

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/2008/index.shtml

 

 

 

平成21年度当初予算

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/2009/index.shtml

 

 

 

平成22年度当初予算

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/2010/index.shtml

 

 

 

平成23年度当初予算

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/2011/index.shtml

 

 

 

平成24年度当初予算

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/budjet/index/index.shtml

 

 

 

 

 

職員数について

 

平成17年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2005fee/index.shtml#f09

 

※定員の状況(平成1741日現在)を確認ください

 

 

 

平成18年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2006fee/index.shtml#f07

 

※定員の状況(平成1841日現在)を確認ください

 

 

 

平成19年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2007fee/index07.shtml

 

 

 

平成20年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2008fee/index07.shtml

 

 

 

平成21年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2009fee/index07.shtml

 

 

 

平成22年度職員数

 

http://www.city.sado.niigata.jp/admin/staff/2010fee/index08.shtml

 

 

 

以上になります。何か質問等あれば、ご連絡ください。

 

************************************************************

 

952-1292(市役所専用)

 

新潟県佐渡市千種232番地 

 

 新潟県佐渡市役所 財務課 予算係 池野     

 

  TEL:0259-63-3114(直通)

 

  FAX:0259-63-5124(直通)

 

  e-mail:zaimu@city.sado.niigata.jp

 

  LGWANzaimu@city.sado.lg.jp

 

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平成241016日 火曜日

 

2013年6月 9日 (日)

民間活力・役人の発想では勝てない

rain

 

奄美大島の自然を大切に

奄美大島の自然を大切に、自然をいたわり共存しましょう!

ヤマトホールディングス・木川眞社長に聞く(前篇) ヤマトはなぜ革新的であり続けるのか

引用

ヤマトホールディングス・木川眞社長に聞く(前篇) ヤマトはなぜ革新的であり続けるのか 

挫折経験が生んだ常時革新の風土

きがわ まこと/1973年富士銀行入行、2002年みずほコーポレート銀行常務執行役員、04年同行常務取締役、053月退社、同年4月ヤマト運輸入社、6月同社常務取締役、11月(純粋持株会社体制に移行)ヤマト運輸取締役、064月ヤマトホールディングス代表取締役 常務執行役員、073月ヤマト運輸 代表取締役社長、114月ヤマトホールディングス代表取締役 社長執行役員 兼 ヤマト運輸株式会社 取締役会長、 現在に至る Photo by Toshiaki Usami

ヤマトホールディングスの創業は、大正8年(1919年)であることをご存じだろうか。齢(よわい)はすでに90年を超す古い会社なのである。にもかかわらず、元ヤマト運輸会長の故・小倉昌男氏が「宅急便」を開発して以来、現在に至るまで、宅配市場ではトップの座を守り続けている。

 

それを可能にしたのは、今や日常の一部となったスキー宅急便、ゴルフ宅急便、そしてクール宅急便といった絶え間ざる商品・サービスの革新であった。なぜ、ヤマトグループは革新的な企業であり続けることができるのか。2回にわたってヤマトホールディングスの木川眞社長に、ヤマトグループのDNAについて聞く。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也 撮影/宇佐見利明)

 

規制の強い銀行業界と

自由な運輸業界の違い

――木川さんは2005年にみずほコーポレート銀行から、ヤマト運輸に入社されましたね。みずほフィナンシャルグループとヤマトグループでは何が一番違うとお感じなりましたか。

みずほとヤマトの違い云々という以前に、個々の銀行の違いはあまりありません。やはり金融業は非常に規制が強い。そういうがんじがらめになっている業態に対して、今の運輸業は基本的に規制の束縛から解き放たれていて、自由な競争が出来る。このような業界としての違いがあります。

 

したがって、ヤマトグループに来て、仕事のやり方は大きく変わりました。ある意味でやりたいと思ったことがすぐ形にできる。もちろん、大きな投資案件であれば当然、何年もかかる。それでも自分がやりたいと考える戦略を具体的に前に進めることができるということでは、銀行から来た人間から言えば開放感があります。

金融、特に銀行界の場合は何かを商品化しようとしても、手取り足取りこれはいいとかいけないとか、ステップを踏まなければいけないことが多くて時間がかかる。当局と調整をしながらやっていくのに時間がかかり過ぎて、独自性が長期間にわたって確保出来るような差別化商品というものがなかなか作れない。

 

そういうところが僕が運輸業界に来て、一番感じるところですね。

 

――そういう事業環境の違いが、やはり社風とか、考え方に影響を与えるんでしょうね。

 

小倉さんが宅急便のネットワークを拡充する時に、当時の運輸省と路線免許に関わる領域で闘って、規制緩和を勝ち取っていったわけですが、いまはそういう許認可がらみの縛りは、もうあまり多くは残っていません。そういう意味では自由です。

 

ただし、自由な分だけ競争は厳しい。昔風の言い方になってしまいますが、銀行業界のような「護送船団」方式(経営効率悪い銀行を保護するために規制を行う)においては、個々に独自性は出しにくいが、同じような流れで歩を進めていける、そういう業界とは全く違っている。いろいろな環境変化が起こったら、それに対して自分のリスクでどんなチャレンジをするかも自由です。ということは、まさにそこで出す知恵がちゃんとしたものであれば、そこで生まれる商品あるいはサービスがお客様に評価をされ、差別化できるということです。

 

潜在化しているニーズを

小倉氏の洞察力が掘り起こした

――ヤマトグループは顧客が欲しているもの、あるいは困りごとを解決するサービスを提供するという意識が強い会社だと思うのですが、入り口は顧客が何に困っているのか、何を欲しがっているかを見つけることですよね。それは言うが易くで、実際はすごく難しいことではありませんか。

 

なぜ宅急便がこんなに伸びたのか。元々宅急便が生まれた1976年当時は、CtoCつまり 個人が個人に荷物を送る手段というのは、郵便小包か鉄道小荷物(当時の国鉄)くらいしかなかった。それは両方ともいわゆる官、公営企業が担っていました。それに対して民間はBtoBつまり 企業間の荷物の輸送をやる。

 なぜならば個人からは、いつどんな荷物が出てきて、どこに届けるのかが全然分からないという状況なので、これは民間がやるには非常にリスクが大きすぎる。一方、国民も本当はそんなに困っていない、という思い込みもあったわけです。確かにあの時代は、いわゆる消費者から「もう郵便小包がどうしようもないから新しいサービスが欲しい」という声が世の中に蔓延していたかというと、そういう声は無いに等しかった。つまりは「こんなもんなんだ」と。

 

 

「小倉さんのすごいところは、そこに潜在的な需要があるということを見抜いた洞察力です」

Photo by TU そこに宅急便という「電話1本で集荷にうかがい翌日に配達」というコンセプトで、個人の荷物を運ぶという会社が現れたわけですよ。だからみんな最初は半信半疑だったと思うんですね。同業者も民間がやるには、あまりにもリスクが大きい事業領域なので、「ヤマト運輸は本気なのか」、「ヘタすると会社潰れちゃうぞ」と、そういう見方をされたと僕は聞いています。しかしながら、結局、何が起こったかというと、個人のお客さまが半信半疑で荷物を出してみたら、本当に翌日届いた。そしてお客様の支持を得て、順調に事業は成長しました。

 

これはある意味でサプライズですね。宅急便の歴史の入り口は、ニーズが見えたから始まったということではなかった。小倉さんのすごいところは、そこに潜在的な需要があるということを見抜いた洞察力です。個人が荷物を送る時にもっともっと便利な手段が出れば、間違いなく市場が生まれるぞ、と。それにチャレンジしたわけです。我が社は1919年に創業ですから、宅急便を始めるまでに、すでに56年経っていた。

 

オンリーワンから

ナンバーワン持続への道

――社歴で言うと、ヤマト運輸は実はとても古い会社ですね。

 

国内の民間の運輸会社としては、最古の会社のひとつです。その会社が創業10年目に路線事業を始めたというのも、実はすごいことなのです。今の運輸業においては、当たり前の事業だけれども、定時定刻にいろんなお客さまの荷物を混載して運ぶというビジネスモデルは、当時は極めて革新的だったわけです。

 これがヤマトの第一のイノベーションだとしたら、第二のイノベーションが1976年の宅急便です。宅急便は路線事業と違って、お客さまがCtoCでしたので、確かに生みの苦しみはあったと思います。けれども、それ以上に電話1本で集荷に来てくれて翌日配達してくれて、かつ値段もそんなに高くない。これが消費者であるお客様の心をぐっとつかんだおかげで、本当に短期間に損益分岐点を越える大ヒットになるわけです。

 

当初の苦労を乗り越えて成功した。流れが出来た。始めは宅急便というオンリーワンのサービスでしたが、需要がどんどん拡大していくことを予想して、一斉に他の会社が宅配というビジネス領域に入ってくる。そういう状況の中で、僕は小倉さんがすごいと思うのは、宅配便の先駆者であるからということだけではなく、オンリーワンがいつまでもオンリーワンでいられるはずがないからと、今度は激しい競争の中でナンバーワンになるために、次から次へと商品開発をしたことです。

 

類似のサービスは限られたエリアではあったと思いますが、小倉さんは宅配を自ら事業として創出し、それを全国レベルまで広げるというビジネスモデルを作り上げて、宅急便を始めてからずっと今に至るまでナンバーワンであり続けた。38年間ずっとトップ企業であり続けている。こういう会社は少ないと思います。その原点は次から次へとお客様のニーズにあった商品を間断なく開発していったこと。それが小倉さんが我々に残した最大の功績だと思います。

 

挫折から生まれた

常時革新を求める風土

――しかし、どの企業も、顧客視点に立つ、とか、顧客のニーズをくみ取って、というようなことを言いますよね。

 

どの企業もみんな同じようなお題目は唱えているんです。お客様第一とか。だけれども、ヤマトグループの場合は、それを実践して形にしてしまう。例えば小倉さんの有名な言葉に「サービスが先、利益は後」というのがあります。現場の社員はお客さまに対するサービスを、徹底してやればいいんだ。最初からもうけようとするなという意味ですね。

それから今ではヤマトグループの社員ならば当たり前のことですが、「世のため人のため」という考えが浸透している。「本当にこれは世の中に求められているものですか」、「役に立つんですか」、「押し売りになっていませんか」という考え方で、商品を常にブラッシュアップをする。このような企業風土というか理念を形にして、それで必ずお客様の評価を聞きながらどんどん進化させていく。これが実践できている企業は意外に少ないと思います。それができているから、ヤマトグループはオンリーワンの商品を生み出しただけでなく、その後38年間ずっとトップシェアを維持し続けている。

 

「ある意味での挫折体験ですね、会社としての。挫折しそれを乗り越えたら成長するんです、人間も企業も」

Photo by TU 創業したときに新しいものを自ら生み出してまずは成功した。しかしながらその成功に安住して次のイノベーションに出遅れ、結果的に衰退してしまうという企業は山ほどある。我が社の歴史の中でも、実はそういう経験があります。創業から10年目に路線事業に進出した。最初に路線事業というビジネスモデルを開発して成功したのですが、それを全国に広げる段階において、後発の企業にどんどん追い抜かれた。追い抜いていったのが、西濃運輸であったり、福山通運であったり、あるいは元々は公営の会社だった日本通運でした。

 

その間、ヤマト運輸は関東を中心とした中堅の路線会社に留まっていた。50年間以上、次のイノベーションを起こせなかったわけですね。この反省がたぶん小倉さんの頭の中にはあったし、当時の社員は全員それを感じ取っていたと思います。業績も停滞していたところに、1970年代にオイルショックが起きて、財務的にも非常に厳しい状況になり倒産の危機に瀕する。その段階で宅急便事業を始めた。だから、もう後ろに逃げ道はないわけです。逃げ道が無いが故に、労働組合も含めて、労使全員がこの事業にかけようということで一斉に動き出した。

 

後がないという強さはあったけれども、出来れば二度とこんな経験はしたくないと思われたはずです、小倉さんは。追い込まれて新しいイノベーションをするのではなく、勢いがある時に次から次へと前に進む、その状況に安住しない、と。この体験が、ヤマトグループに常時イノベーションを起こす、あるいは新しいもの、オンリーワンを探し出しては、それにチャレンジするという風土を作るうえで、原点になったと思います。ある意味での挫折体験ですね、会社としての。挫折しそれを乗り越えたら成長するんです、人間も企業も。

5年後に没落するぞと

社内に危機感を煽る

こうした風土がずっとあったが故に、宅急便は伸び続けてきたのですが、さはさりながら30年以上もやっていたら、放っておくとそのサービスや企業は成熟してきて勢いが落ちる。そのころ(2005年)ですね、僕がちょうどヤマト運輸に入社したのは。あの時の社内で行われていた議論は、元気なうちに宅急便だけの一本足打法を脱却して、10年後、20年後にも成長力を持った企業にするためには、何をするかということでした。追い込まれてやるのではなくて、元気なうちに次のイノベーションを、という議論をものすごくやっていました。

 

元気なうちに次の一手をどう打ち続けるか。それは商品開発においても、業態としても。宅急便とメール便がデリバリー事業とすると、そうでない事業のウエイトをいかに高めることができるか、その領域の事業をいかに増やすかというのが、その当時ものすごく真剣に議論されていた。そのためにネットワークをどう作り変えればいいか、あるいは経営資源をどう配分すればいいか、と。ものすごく健全な議論ですが、その健全な議論は、企業の中に危機感がなかったらできないんです。

 

勝っている時に危機感を煽るというのは、これはなかなかのもんなのですよ。

 

――今、JAL(日本航空)の再建が注目を集めていますが、あのケースでは、倒産したことによって、始めて危機感が会社全体に浸透したといえますね。

 

JALさんの場合には、相当人員整理もおやりになり、給与や賞与カットもやっている。だから痛みを本当に感じるどころか血を流したわけです。普通の企業は再生するために、そういうプロセスを経るのだろうと思います。ところが我々はそうならないように、元気なうちにやる。ということは、社員に「いや大丈夫だよ。うちの会社こんなに元気だし。マーケットシェアもこれだけある。負けることもないし」という気持ちが蔓延していたら、変えるということに関して勢いがつかないのです。

 

だからその当時の有富社長をはじめ経営トップが、ものすごい危機感を煽ったわけです。「このままだと5年後ヤマト運輸は本当に没落するぞ」という風に。実際にそういう言葉を幹部社員に発して、そうならないために、今我々は何するべきなのかと、煽ったわけです。

8:57 2013/06/03

宅急便開始から伸び続けた30年間は、ユーザー目線での商品サービス開発の歴史です。商品開発でいうと、運ぶという機能に関しては、例えばスキー宅急便(83年)をやり、ゴルフ宅急便(84年)、そして、クール宅急便(88年)と、サービス自体がどんどん進化していく。それに決済サービスも加わる。

それがある程度一巡してくると、今度はサービス品質に関わる領域で、例えば時間帯お届けサービス(98年)とか、お客様の利便性をあげるということに関して、サービスレベルをどんどんブラッシュアップするという段階に入って来くる。それを支えるためにITもどんどん使うという流れですね。それでも、こうして需要を生み出し続けた宅急便も、成熟期に入り徐々に停滞する気配があったわけです。

伸び率がどんどん落ち、そしてついに2008年のリーマンショックの時に、初めて宅急便の取扱い個数が前年割れをする。ここまで来ると、危機感が醸成をされてくるのですが、リーマンショックが起きる前からその警鐘を鳴らし続けていた。

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――なるほど。リーマンショック以前から、そういう問題意識があったわけですね。

そう。だから問題意識をあえて煽りながら、業態転換とは言わないけれども、次のイノベーションを起こそうという気運が盛り上がっていった。これも経営手法としてはなかなかおもしろいところです。我々はみんな、そういう流れを受け継いでいるわけです。だから僕も経営を担う立場になった時には、当然その流れの中で考えるし、それが自然だったということですね。

売上げ1兆円を超えても、変化し続けるヤマトグループの原動力は、小倉氏が打ち立てた行動原理の存在だ。それによって、例えば、商品開発においても、何がまず優先されるべきかが明確となる。もう一つが挫折経験だ。今や経営危機を知る経営陣や従業員は、ほとんど第一線を退いているにもかかわらず、脈々とその危機感が受け継がれている。それが、元気な時にこそ革新をという行動を生み出していると言えるだろう。

次回はこの革新性をサポートする仕組みを中心に話を聞く

6/3/2013 9:01:33 AM

 

 

 

インフレ目標2%は達成不可能

 インタビュー:野口悠紀雄氏(早稲田大学大学院ファイナンス研究科顧問)

インフレターゲットに対して批判的なことで知られる早稲田大学大学院顧問の野口悠紀雄氏は、先に安倍政権と日銀が合意した年率2%のインフレ目標について「達成は不可能」と語り、あらためて金融政策では経済の活性化はできないとの考え方を強調する。

野口氏は過去10年の日本の金融緩和策がインフレにはつながらなかったことを指摘した上で、日銀が2%のインフレが達成されるまで国債を買い続けることになれば、日銀による財政ファイナンスによって公共事業などのばらまきが横行する危険性があるとの懸念を表明する。アベノミクスがはらむリスクについてジャーナリストの神保哲生が野口氏に訊いた。

17:53 2013/06/02

 

 

アベノミクスは浦島太郎の経済学だ

 インタビュー:浜 矩子氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)

「浦島太郎の経済学」。同志社大学大学院の浜矩子教授はアベノミクスをそう評する。

アベノミクスではインフレターゲットなどの金融政策が前面に出てきているが、その実態はばらまき型公共事業や円安による輸出企業の救済であり、これは5060年前の「浦島太郎」の経済戦略だと浜氏は言う。

その上で浜氏は、既に成熟している日本経済に今必要なのは、インフレターゲットでも成長戦略でもなく成熟戦略であるとして、今日本は既に積み上げた国富を国民全体でどう分かち合っていくのか考えなければならない段階にあるとの考えを示す。

ジャーナリストの神保哲生が浜氏にアベノミクスの評価と懸念点を訊いた。

関連番組17:51 2013/06/02

引用終わり

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