« 3年前に自然養鶏を始めた・・・らの遺言 新書 – 2015129 倉本 聰 (著) 数多くの演劇やドラマ作品を通じて、自然環境の破壊や社会秩序の乱れについて警鐘を鳴らし続けている著者の最新エッセイ。貧しくはあったが光と幸せに満ちていた昭和の時代を、80歳になったのを機に自らの体験と独特の切り口でふりかえる。日本人は今後どのように生きていくべきかを考える上での指針となる一冊。全国自然養鶏会は中島正氏の著書「自然卵養鶏法」に共感し、循環農業の一環としての自然養鶏を確立すべく、情報交換や交流会を行っています。 | メイン | 「生活道路はあなたたちで造ってください」2009年10月15日・日本の未来が見える村長野県下条村、出生率「2・04」の必然、霞が関を頂点とした中央集権的な行政システムが日本の国力を奪っている。霞が関は省益確保に奔走、特殊法人は天下りの巣窟となっている。効果に乏しい政策を検証もなく続けたことで行政は肥大化、国と地方の二重行政と相まって膨大な行政コストを生み出している。・「民間企業に比べれば、役所の業務は無駄だらけ。役所のスリム化は今からでもできるし、最初にやらなければならない」と伊藤村長は言う。この10年、 »

2016年1月 9日 (土)

大前研一・むろん、主に間接業務をやっている公務員も半減できる。今では役所の窓口業務の多くは機械がやっているのに、カウンターの向こうでのんびりしている職員の人数が激減したという話は聞かない。マイナンバーも、本来なら公務員を大幅に削減するためのものだったはずだが、全くそうはなっていない。

引用


2016年1月23日 (土)第2次世界大戦の敗北により、人心・国土とも荒廃したドイツ。その復興を担ったのが、73歳で首相に就任、14年間その座にあったアデナウアーである。戦前、ケルン市長として活躍した彼だが、ナチに迫害され引退。戦後、保守政党を率い、「復古」「反動」のレッテルを貼られながらも、常 著書に『ドイツの憂鬱』、『新生ドイツの挑戦』(丸善ライブラリー)、『あっぱれ技術大国ドイツ』、『ドイツ病に学べ』『住まなきゃわからないドイツ』『びっくり先進国ドイツ』『顔のない男・東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』(以上、新潮社)など。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/27314-5f56.html

14:54 2016/01/23 


人口130万人 エストニアから税理士や会計士が消滅した理由 ...

www.news-postseven.com/archives/20141029_283759.html

2014/10/29 · ... 3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)とベラルーシを視察してきた大前氏が、エストニアの「eガバメント(電子政府)」について解説する。 * * * エストニアはバルト3国の中で国土面積も人口も最も小さいが ....

eガバメント(イーガバメント)とは - コトバンク

https://kotobank.jp/word/e


eガバメント の関連キーワード |エレクトロニック |JEPA |electronic counter-countermeasures ... BBT大学、「エストニアビジネスアイデアコンテスト」開催のお知らせ: .... 


小国エストニアが電子政府で世界最先端を突き進むワケ

2015/03/13 · 人口130万人の小国、エストニアが世界各国の注目を集めている。選挙から教育、医療、警察、果てには居住権まで全てインターネット上でできてしまう「e-Government(電子政府)」の取り組みで世界最先端を突き進んでいる ....

世界最高峰のデジタル国家エストニアから学ぶべきこと ...

shuheikoyama.com/blog/lessons-from-the-worlds-most-tech...

The Atlantic より ベンチャーキャピタリストととしての出始めのころ、私はSkypeに投資しており、役員にもなった。Skypeの数々の興味深い点のひとつが、それがエストニアという入り組んだ歴史を持つ小さな国で生まれたことである。

8:32 2016/01/11


人口130万人 エストニアから税理士や会計士が消滅した理由

2014.10.29 07:00

「eガバメント エストニア」の記事をお探しですか?最新関連記事が 2 件 あります。

安倍晋三政権は地方を活性化させる「地方創生」を重要政策に掲げているが、バラ撒(ま)きに終わることが目に見えていると大前研一氏は言う。地方を創生するための最新例を研究するため、研修旅行でバルト3国(エストニア2 件・ラトビア・リトアニア)とベラルーシを視察してきた大前氏が、エストニア2 件の「eガバメント2 件(電子政府)」について解説する。

エストニア2 件はバルト3国の中で国土面積も人口も最も小さいが、それゆえに国家としては一番まとまりがよく、しっかりしている。1人当たりGDPは3か国中トップの約1万9000ドルで、政府の財政収支や債務残高のGDP比も“最優等生”だ。

そして、とくにエストニア2 件が有名なのは「eガバメント2 件(電子政府)」である。各行政機関がバラバラに持っていたデータベース(DB)を連携させる「X-road」というシステムをインターネット上に構築し、今日、世界で最も進んだ国民DBを確立しているのだ。国民はICチップの入ったIDカード(身分証明書)を所持することで(所持率は約90%)、その国民DBからすべての行政サービスを受けられる。

さらに今では、国民IDのチップを格納したSIMカード入りのスマートフォンで、eガバメント2 件ポータルへのログインや電子文書への署名も可能になっている。スマホさえあれば、選挙の投票も、世界中どこにいても1週間前からできてしまうのだ。

実は隣国ラトビアも、eガバメント2 件を構築しているという触れ込みだったので訪問した際に詳しく見てきたが、こちらは日本と同じように省庁別、地方自治体別のシステムになっていて、構想段階からエストニア2 件とは雲泥の差があった。

エストニア2 件の国民DBは、私のDB構想をさらに発展させたような形で、なんと銀行口座の取引まで国が全部把握している。これは私の発想にはなかった。

したがって、銀行口座側から家計簿が自動的に組み立てられるので、税金は自動計算となる。企業も個人も納税申告をする必要がない。だから税理士や会計士が不要になり、それらの職業はエストニア2 件では消滅したというのである。政府の担当者は「人口130万人の小国では、そうやって不要な職業を削っていかないと国家の発展ができない」と説明していた。

※週刊ポスト2014年11月7日号

8:33 2016/01/11

http://www.news-postseven.com/archives/tag/series-ohmae

「ふるさと納税」「ふるさと割」 根本的に間違いだと大前氏

2015.12.28 07:00


年末になり、その一年の税金のことが気になる季節になった。今年は、信販会社なども「ふるさと納税」をおすすめしてくる。経営コンサルタントの大前研一氏が、ふるさと納税や「ふるさと割」がいかに間違っているのかについて解説する。  * * * 「ふるさと納税」や「ふるさと割」が話題になり、テレビ、新聞、雑誌、ネットで賢い利用法などが紹介されている。

簡単に説明すると、「ふるさと納税」は、自分が選んだ自治体に寄付を行なった場合に寄付額のうち2000円を超える部分について所得税と住民税から原則として全額が控除される制度(上限あり)で、特産物が返礼品として用意されている自治体もある。

「ふるさと割」は、地方創生事業の1つとして2014年度補正予算に盛り込まれた「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を利用して自治体が発売するプレミアム付きの旅行券や商品券で、対象県に旅行する宿泊プラン料金から助成が受けられたり、対象市区町村で買い物をする時に一定割合を上乗せした金額分が使えたりするという。発売してすぐに完売した自治体も多く、幹部らのまとめ買いが続出して問題になったほど人気を集めている。

しかし、これらのほかに地方の話題といえば「ゆるキャラ」と「B級グルメ」くらいである。政府は地方創生だの地域活性化だのと声高に叫んでいるが、まるで学芸会だ。地方創生や地方活性化とはかけ離れた無駄遣いを奨励し、税金を絡ませて地方の衰退をますます加速している。

これからは地方が自力で生き延びていけるようにしなければならないのに、「ふるさと納税」や「ふるさと割」は、衰弱している地方を延命するためにカンフル剤を投与してやるという発想だ。これは根本的に間違っている。

http://www.news-postseven.com/archives/20160110_374056.html

8:36 2016/01/11


エストニアに電子内閣、電子投票、電子警察、電子駐車場管理

2014.11.05 16:00


世界で最も進んだ国民データベース(DB)によるe行政サービスを実施しているエストニアを訪問した大前研一氏が、「eガバメント(電子政府)」によるサービス内容を詳しく解説する。  * * *

 【電子内閣(e-Cabinet)】


2000年に導入された、ネット上で閣議が行なえる世界初のシステムだ。閣議の議題はネット上にアップされ、事前に合意できるものはネット上で決裁する。また、審議の内容や経過は、すべて国民がネットで直接見ることができるようになっている。したがって、閣僚や各省庁の仕事ぶりは100%国民の監視下にある。国家の運営は完全に“透明”で、日本のような我田引水の利権政治や税金のバラ撒きが入り込む隙はないのだ。

【電子投票(i-Voting)】国民IDカード(身分証明書)やIDチップを搭載したSIMカード入りスマートフォンによって投票できるシステムだ。2005年にこれまた世界で初めて地方選挙に導入され、2007年には国会議員選挙にも導入された。2011年の選挙では票の24%が電子投票で、しかも世界105か国から期日前投票・不在者投票があった。

【電子警察(e-Police)】パトカーに装備されているシステムで、交通違反などで職務質問をする際、警察が独自に管理するDBに加え、国民DBにもアクセスして運転者の情報を照会できる。

 【電子教育(e-Education)】「電子学校(e-School)」と「電子学習(e-Learning)」の二つがある。電子学校は、生徒の成績、宿題、出欠を集積するDBで、学校、生徒、保護者が閲覧できる。電子学習は、教師が自分でカスタマイズした教材を提供するシステムだ。

【電子駐車場管理(m-Parking)】 駐車スペース不足が予想される場合、適宜、料金を変更して自動車の一極集中を防ぐシステム。空いている駐車場の検索や料金の支払いがスマホでできる。

このように先進的なe行政サービスなので、日本からは毎週のように見学者が訪れ、2015年10月にスタートする「マイナンバー(社会保障・税番号)制度」の関係者は常駐しているような状態だと現地で聞いた。

※週刊ポスト2014年11月14日号

http://www.news-postseven.com/archives/20141105_284889.html


人口130万人 エストニアから税理士や会計士が消滅した理由

2014.10.29 07:00


安倍晋三政権は地方を活性化させる「地方創生」を重要政策に掲げているが、バラ撒(ま)きに終わることが目に見えていると大前研一氏は言う。地方を創生するための最新例を研究するため、研修旅行でバルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)とベラルーシを視察してきた大前氏が、エストニアの「eガバメント(電子政府)」について解説する。  * * *

エストニアはバルト3国の中で国土面積も人口も最も小さいが、それゆえに国家としては一番まとまりがよく、しっかりしている。1人当たりGDPは3か国中トップの約1万9000ドルで、政府の財政収支や債務残高のGDP比も“最優等生”だ。

そして、とくにエストニアが有名なのは「eガバメント(電子政府)」である。各行政機関がバラバラに持っていたデータベース(DB)を連携させる「X-road」というシステムをインターネット上に構築し、今日、世界で最も進んだ国民DBを確立しているのだ。国民はICチップの入ったIDカード(身分証明書)を所持することで(所持率は約90%)、その国民DBからすべての行政サービスを受けられる。

さらに今では、国民IDのチップを格納したSIMカード入りのスマートフォンで、eガバメントポータルへのログインや電子文書への署名も可能になっている。スマホさえあれば、選挙の投票も、世界中どこにいても1週間前からできてしまうのだ。

実は隣国ラトビアも、eガバメントを構築しているという触れ込みだったので訪問した際に詳しく見てきたが、こちらは日本と同じように省庁別、地方自治体別のシステムになっていて、構想段階からエストニアとは雲泥の差があった。

エストニアの国民DBは、私のDB構想をさらに発展させたような形で、なんと銀行口座の取引まで国が全部把握している。これは私の発想にはなかった。

したがって、銀行口座側から家計簿が自動的に組み立てられるので、税金は自動計算となる。企業も個人も納税申告をする必要がない。だから税理士や会計士が不要になり、それらの職業はエストニアでは消滅したというのである。政府の担当者は「人口130万人の小国では、そうやって不要な職業を削っていかないと国家の発展ができない」と説明していた。

※週刊ポスト2014年11月7日号

http://www.news-postseven.com/

8:40 2016/01/11


「ビジネス新大陸の歩き方」第511回安倍流賃上げ・時給1000円は経理の「け」の字も知らない素人論議・


時給798円。最低賃金の2015年度全国加重平均額である。安倍首相はアベノミクス「新・3本の矢」によるGDP(国内総生産)600兆円の達成に向け、この金額を毎年3%程度に引き上げても1000円にすることを目指すと表明した。

これを受けて経団連の会長は、会員企業に対して今年の春闘で昨年を上回る水準の賃上げを呼びかける方針を示した。

官民そろって賃上げの大合唱だが、この人達は本当に正気なのだろうか?

1年前に麻生財務相が内部留保をため込んでいる企業を「守銭奴」と批判して以来、安倍政権は法人税率を引き下げてやるから内部留保を賃上げや設備投資に回だの、非正規社員を正社員にしろだのと要求をしている。しかし、これは経理の「け」の字も知らないド素人の戯言だ。彼らは、法人税の企業の税引き前利益に対してかかるものであり、そこから法人税などを支払った後の税引き後利益(最終利益、当期純利益)が内部留保と配当に回るということを理解していない。損益計算書(PL)を見れば誰でもわかることだが、賃金と設備投資(減価償却)は「経費」として計上されるので、内部留保とは直接関係ないのである。こんな基本的なことも知らないで内部留保を賃上げや設備投資に回せと要求するのは愚の骨頂であり、それを新聞やテレビが批判していないのも不思議でならない。

もし内部留保が賃上げや設備投資に回ることを望むなら、法人税率を高くすべきである。

そうすれば、経営者は「国にもっていかれるくらいなら賃上げや設備投資に回そう」と考えるからだ。実際、日本企業は法人税率が40%を超えていた時代でも積極的に設備投資を行っていた。国内市場に成長機会があって将来に期待が持てたからである。成長機会が見えていながら設備投資をしない会社などあり得ない。 


つまり、いま企業が設備投資をしないのは法人税率が高いからではなく、人口減少や超高齢化、さらに私が何度も指摘している「低欲望社会」の広がりによって今後の国内市場に成長機会が見えず、経営者として投資を正当化する事業計画が書けないからである。

2014年度の内部留保は約354兆円と過去最高を更新したが、その最大の理由は企業が海外での投資やM&A(企業買収)に備えて内部留保を蓄えざるを得なくなっていることだ。これは結局、国内に成長機会を生み出すことができない政治家と役人の責任である。 

また、政府からの圧力で非正規社員を大量に正社員にしたり、ベア(ベースアップ)のかたちで一律に賃上げしたりするのは、企業にとっては自雑行為に等しく、株主側から見たら最も危険なことである。なぜなら、正社員を増やして賃金を挙げると固定費が膨らんで構造的にフレキシビリティが無くなり、調整メカニズムを失ってしまうからだ。


73頁・最低賃金についついては、かつての民主党政権も全国平均1000円を目指すという公約を掲げたことがあった。

その時、私は旧知の民主党国会議員に電話をかけて「そんなことをしたら、地方の企業は経営が成り立たず倒産する。失業を増やしたいのか?」と警告した。

人手が足りない業種や労働者の供給が需要に追い付かない現場などで時給が挙がっていくのは当然である。先進国で最低賃金の全国加重平均額が時給798円というのも、実は異常に低い。欧米先進国では時給1,200円以上のところが多いのだ。

その代わり日本では20年間続いたデフレによってコンビニなどの弁当、ソウサイ類はファストフードの価格が下がり、地域によっては単身なら時給700円程度でも暮らしていけるようになっている。時給は生活費との関数などである。そういう実感を、安倍政権はまったく理解していない。

もちろん、最低賃金を引き上げるのはよいことだ。

しかし、それは政府が・・上から目線・・で人為的に・強制的にやることではない。賃金が安くて人材が集まらない会社は潰れるだけの話だから、それは市場原理に任せればよいのである。 


・・ならばまず公務員の生産性を上げよ・・

日本の企業の本質的な問題は、以前から繰り返し指摘しているように、ホワイトカラーの生産性が非常に低いことだ。例えばアメリカの間接業務の生産性は日本の2倍くらいである。

私はマッキンゼー時代に間接業務の効率化を数多く手がけたが、日本のホワイトカラーは不要な仕事をたくさんやっているので、間接業務を4割カットしても誰も気が付かないほどだった。つまり、日本企業が間接業務の生産性をアメリカ並みに上げたら、ホワイトカラーの半分が余るのだ。

むろん、主に間接業務をやっている公務員も半減できる。今では役所の窓口業務の多くは喜界がやっているのに、カウンターの向こうでのんびりしている職員の人数が激減したという話は聞かない。マイナンバーも、本来なら公務員を大幅に削減するためのものだったはずだが、全くそうはなっていない。

都道府県や市町村は全国どこでも同じ仕事をしているのだから、究極的には一つの自治体で雛形を作り、それをクラウドコンピューティングで国民に提供すれば、すべての役所が要らなくなる。現にエストニアでは「eガバメント」と称してそういうシステムを構築しており、国民はスマートフォンがあれば、どこからでも公共サービスを受けられる。


学校の先生も同様だ。小・中学校の1学級当たりの児童・生徒数は、例外を除いて上限が40人と法律で定められており、それに基づいて学校に配置される教員数も決められている。

しかし、少子化で教員1人当たりの児童・生徒数は減少し、文部科学省の2015年度学校基本調査によると、小学校が15・7人、中学校が13・7人になっている。その結果、学級担任を務めていない先生が増えている。この人達の大半は企業で言えば余剰人員だから削減し、例えば移民政策の中で外国人に対する日本語や日本の法律、慣習などの教育に振り向けて行けばよいと思う。その方が、社会的にはよほど大きなプラスになるだろう。


とにかく日本は企業も役所も学校も、不要なところに多くの人が張り付いている。この無駄な現状を吟味し、国全体の人員配置をゼロベースで見直すべきである。そうすれば生産性が向上し、いまの人手不足も大幅に解消される。それをしないまま人為的に・強制的に賃金だけ上げるというのは、計画経済国家のやり方だ。まさに本末転倒であり、破綻に至ることは間違いない。 

平成28年1月9日


(1)~大前研一ニュースの視点~ 東芝・新日本監査法人・キリンHD~海外進出の遅れは業界全体の問題

東芝 2016年3月末までに国内外で1万600人削減

新日本監査法人 3ヶ月の新規業務停止命令

キリンHD 上場以来初の連結最終赤字

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▼ 5000億円の不正会計よりも、将来の布石がないことが問題

東芝は21日、2016年3月末までに国内外でグループ全体の5%に相当する

1万600人を削減すると発表しました。16年3月期の連結最終損益は構造改革費用などで5500億円の赤字と過去最大になる見通しで、会計不祥事で覆い隠されていた低収益体質を改善し、経営再建を急ぐ考えです。状況がわかってくると、単に「利益を底上げしていた」というよりも、より構造的な問題が大きいと感じます。

 私が一番懸念するのは、不正発覚前は時価総額2兆円越の企業でしたが、「中核事業」が曖昧になり、ふわっとした雰囲気になっていることです。東芝のセグメント別の売上高・利益を見ると、以下の様な状況になっています。

・電力インフラ事業:2兆円規模だが、利益率が1%と低い

・電子デバイス、半導体事業:利益は出ているが、急激に減速している

・コミュニティソリューション事業:そこそこ利益が出ている

・ライフスタイル事業(パソコン、テレビなど):業績は悪く、足を引っ張っている

・ヘルスケア事業:利益も出ており、日本ではトップに入る 


これらの中で、ヘルスケア事業を売却し、ライフスタイル事業は富士通と一緒に展開すると言われています。電子デバイス事業も別会社化、独立を検討していると聞きます。そうなると、東芝に残るのは、コミュニティソリューション事業と電力インフラ事業になりますが、これらの事業で「東芝の中核」を成すことができるのか不安です。

最も利益を出している電子デバイス事業にしても世界に目を向ければ、サムソン、TSMCなど強力な競合がいます。不正会計による5000億円よりも、将来に向けた布石が何もないことのほうが、より重大な問題だと私は感じます。

シャープも非常に素晴らしい会社だったのに、今では方向性が定まらず、同様にふわっとした会社になってしまいました。

電機大手の時価総額を見ると、ソニーが回復してきて、日立、パナソニックが頑張っています。東芝は一気に1兆円を割り込み、シャープは大安売りという状況です。東芝は、「中核事業」の位置づけを再度見なおしてもらいたいと思います。

▼ 監査法人の業界全体を健全化しなければ、同じ不正は繰り返される東芝の会計不祥事を巡り、金融庁は12月22日、会計監査を担当した新日本監査法人に3カ月の新規業務の停止を命じる行政処分を正式発表しました。

 監査法人に対し初となる約21億円の課徴金も科し、これについて金融庁は「相当の注意を怠り、長期間にわたり批判的な観点から検証ができなかった」と指摘しています。監査法人に対し初となる約21億円の課徴金と言っても、私に言わせれば「甘すぎ」ます。

21億円の追徴金など、何の問題もなく支払うでしょう。そして全く痛痒を感じることなく、反省もないままに終わると思います。もっと会社がひっくり返るくらいの罰を与えるべきだと思います。 


日本の監査法人業界は、新日本、トーマツ、あずさという御三家が君臨しています。何か事故があっても、この3社が焼け太りをするだけで、本質的に変化することはありません。この業界構造が問題だと私は見ています。監査法人はもう少し中堅規模になり、数年に一度、任期満了で交代する、といったルールを設けるべきです。

そうしないとお互いに切磋琢磨することなく、まるで顧問先の契約を継続しようとするように、「守る」意識ばかりが強くなります。また、企業側の意思で監査法人を変えようとすると、「嫌がらせ」に近い対応を受けます。

最長でも5年で監査法人は変えるなどして、業界体質を変えなければ、オリンパスを始め、過去の事例を見ても明らかなように、同じ問題は繰り返されるでしょう。業界全体の仕掛けを変えることに着手して欲しいと思います。

▼ 海外進出の遅れは、キリンに限らず業界全体の問題

キリンホールディングスは2015年12月期の決算が、1949年の上場以来、て連結最終赤字を計上する見通しとなりました。2011年に買収したブラジル子会社ののれん代など、約1100億円を特別損失として計上することが響くもので、2016年から新たな中期経営計画が始まるのを前に、誤算続きの負の遺産にケリをつける考えです。

これは、ブラジルのビール会社・スキンカリオールの買収が失敗だったということでしょう。特別損失でのれん代を一気に償却するということは、将来的に成長を見込めない、あるいは時価総額に対して買収金額が高すぎた、ということになります。

この点については、もう少し明確に買収の失敗を開示すべきだと思います。キリンの売上高・利益を見ると、国内は好業績ですが、全体として伸び悩んでいます。

海外に進出していきたいと考えるのは理解できますが、正直に言って、海外戦略を取るのが遅すぎたと言わざるを得ません。これはキリンに限らず、日本のビール会社全体に当てはまります。海外のビール会社は、キリンの比ではない大規模な会社も多く、バドワイザーによるサブミラーの買収など、何兆円という単位の大型合併も行われています。

海外のビール会社の買収と言っても、参入するのが遅すぎたためリスクの高いものしか残っておらず、ババを引かされた格好です。キリン単体の問題というよりも、日本のビール業界全体の問題として捉えることが重要だと思います。

※この記事は12月27日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています

▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?

今週はキリンの海外戦略について解説記事をお届けしました。人口減少が続き、国内市場の縮小が予測される日本。

今後、国内市場を狙うだけの企業戦略では、生き残っていくことが難しいかもしれません。 

10年後、20年後を見据えて、今やるべきことは何なのか? 

将来の成長に向け、新しい領域に投資するための意思決定が求められています。

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9:22 2016/01/08(1)


 この度『2016年 奨学還付制度』を実施しています!

平成28年1月9日


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