大前研一ニュースの視点~>異次元金融緩和・消費支出・アベノミクス~「入口」から間違っているアベノミクス異次元金融緩和 国債保有額301兆9144億円消費支出 7月の家計調査アベノミクス、再び争点
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【1】今週の ~大前研一ニュースの視点~>異次元金融緩和・消費支出・アベノミクス~「入口」から間違っているアベノミクス異次元金融緩和 国債保有額301兆9144億円消費支出 7月の家計調査アベノミクス、再び争点
【2】ブレークスルートレーニング(Bトレ) より
(1)~大前研一ニュースの視点~ 異次元金融緩和・消費支出・アベノミクス~「入口」から間違っているアベノミクス異次元金融緩和 国債保有額301兆9144億円消費支出 7月の家計調査アベノミクス、再び争点--------------
▼万一の際は、日銀が真っ先にひっくり返るという異常事態
日銀の国債保有残高が初めて300兆円を突破しました。大規模な金融緩和で長期国債を大量に購入しているためで、長期金利は0.3%台半ばの低水準で底ばい。
市場に流通する国債のうち日銀が保有する比率は3割に達したとのことです。この調子で日銀が買い増していくと、どんどん流動性がなくなるのでは?という懸念が出てきています。国債残高がGDPの約2倍におよぶという危険な状況にも関わらず、中央銀行である日銀のこのような動きに安心しているのか、海外の保有比率も若干伸びています。
一方、事情をよく理解している国内の銀行は国債を日銀に売って、自分たちは海外の銀行に手を伸ばし、ドル化を図っています。国債依存比率を下げることが重要だとわかっているのでしょう。現在の日銀が保有する国債の金額・割合は異常です。米国もFRBが国債を買い進めていますが、それでも450兆円ほどでGDPの半分にも達していません。
万一のことがあれば、日本は中央銀行が真っ先にひっくり返る状況で、洒落にもならない事態を迎えてしまいます。
そんな中、日経新聞は先月27日「アベノミクス、再び争点」と題する記事を掲載しました。
世界的な株価の乱高下を受けて、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の評価が与野党論戦の焦点に再浮上してきた、と紹介。
政府・与党は株価の下落は中国など海外要因によるもので、
アベノミクスの成果は出ていると強調するが、野党は成長戦略などの対応が不十分と追及する構えとのことです。
中国がこけてくれたおかげで、都合のいい言い訳材料になりました。
その前だったら、ギリシャを言い訳にしただけでしょう。何はともあれ、アベノミクスは最初から機能していないし今後も機能するはずもない、私はずっとそう言い続けています。アベノミクスは20世紀型の経済政策です。
「金利を下げればお金を借りてくれる」「市場にお金を供給すれば景気が良くなる」というのは21世紀には通用しません。経済の原則が21世紀になって変わったということを、未だに理解していないのでしょう。
基本的に「入口」から間違っているわけですから、いくら待っても成果がでることはありません。
そして最も危険なのは、個人金融資産です。
銀行は政府の政策の裏をかいて、M&Aなどを使って資産のドル化を進めています。
万一、国債が暴落してもドルの資産があれば何とかなるからです。しかし、個人ベースでみるとほとんど資産は円のみで、通貨を多様化させている人は一握りです。
銀行預金は安全ではありません。万一の事態が起きたら目も当てられない状況になってしまうでしょう。-----------------------------------------------▼政府は、個人がお金を使いやすくなるメッセージを打ち出すべき
総務省が28日発表した7月の家計調査によると、1世帯あたりの実質消費支出は前年同月比0.2%減の28万471円でした。猛暑やボーナス支給という好条件が重なったにもかかわらず、2カ月連続の減少。食品の値上げなどを背景に、年金収入で暮らす高齢者らが支出を抑えた影響が大きいとのことです。アベノミクスは世紀の愚策ですが、ようやく新聞もこの類の記事を書いてくれるようになりました。
安倍首相は「報復」しますから、おそらく新聞社も恐る恐る書いていることと思います。アベノミクスは20世紀の「高欲望社会」を前提にした経済施策ですから、効果が出ないのが当たり前で、家計支出が伸びないのも必然です。
若者も高齢者も「低欲望」な時代です。一方で、そんな個人が1600兆円もの莫大な資金を個人金融資産として持っています。1600兆円といえば、GDPの3倍ですから相当な影響力があります。この1600兆円を活気づかせることが重要です。
お金は持っているのに、漠然とした不安があるから、いざという時のためにお金を使わない人がほとんどでしょう。自分のお金なのにフリーズしてしまっています。「安心してお金を使って大丈夫です」「どうか人生を楽しんでください」というメッセージを出して伝えていくべきだと私は強く思います。
政府は自らの政策で何とかしようと躍起になっていますが、そうではありません。政府が考えるべきは、一人ひとりの心理を和ませることであり、良い人生を送ってもらうことです。
リラックスすれば、自然と持っているお金は出てくるはずです。無理やり給料を上げる必要などありません。夏は暑ければ暑いほど、冬は寒ければ寒いほど、経済が活性化する時代は終わっています。今の日本の状況を冷静に見つめ、政府はいち早く21世紀型の経済政策を打ち出すべきですし、個人は万一に備えて資産の多様化を図るなど対策を講じてほしいと思います。
この記事は8月30日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
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▼今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週は金融緩和や消費支出の話題についてお届けしました。20世紀型の経済政策であるアベノミクス。大前は、「入口から間違っているから成果はでない政策」と指摘しています。これはビジネスにおいても同様のことが言えます。解決策を実行しても、それが本質を捉えたものでなければ意味はありません。
まず最初に問題の本質を見つけ出すこと。これは問題解決のプロセスの「入口」であり、最も重要なステップです。
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世界的に株価の急落が続くなか、8月25日の東京株式市場では、日経平均の一日の値動き幅が1,000円を超えて激しく乱高下。終値は700円以上の大幅な下落となり、6ヶ月ぶりに1万8,000円を割り込みました。
これは中国景気の減速に歯止めがかからないことをはじめとした、世界経済全体の先行きに対する投資家の不安感の表れでもあり、このような世界的株安の連鎖が、今回の株価乱高下の背景にあるとも考えられます。世界情勢は、中国経済の減速やギリシャ債務問題の再燃など、懸念事項が山積です。
その中で、日本経済を取り巻く情勢を常に把握し柔軟に対応する力、すなわち『経済情勢に左右されず、自らの戦略に則り資産形成を行うことが出来る力』が、今こそ求められています。
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11:29 2015/09/04
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