・日本の地方自治は、「執行あって経営なし」と言われてきた。自治体は中央集権の元で、事業官庁に徹してきた・第3章 政策官庁としての自治体・自治体経営は民間企業に限りなく近い経営感覚が要求される。74頁・76頁・・変わるべきこと・・・78peji
引用
第3章 政策官庁としての自治体・平成27年9月21日・
2015年9月21日 (月)自治体をどう変えるか 佐々木 信夫著・・第3章 政策官庁としての自治体・平成27年9月21日・・機関委任事務制度の全廃・最大の焦点は、国と地方を上下・主従の関係に固定してきた機関委任事務制度が全廃されたことだ。機関委任事務制度の廃止で各省大臣から知事、市町村長に委任してきた五六一項目にわたる機関委任事務の七割近くが、自治事務として各自治体の固有事務とされた。これによって、自治体は行政裁量権が飛躍的に拡大した。
http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/post-06c6.html
9:48 2015/09/21
・3・政策官庁をめざす・73頁・平成27年9月22日・
・・経営能力の向上・・
従来、行財政は「出るをもって・入るを制する」を運営の原理としてきたが、これは執行の論理であっても経営の論理ではない。なぜなら、住民からの需要を与件とおき、それを満たす財源が不足なら国に陳情するか公共料金を値上げして必要財源を賄う、という「執行賄い」の考え方に基づくからである。
経営というのは最小の費用で最大の効果を上げる営みだ。独自に定めた経営マインド(理念)に基づき、経営システム(体系)を構築し、自らの経営ノウハウ(技術)を駆使して組織目的の最大化を図る行為である。
74頁・平成27年9月22日 火曜日・
だから、そこには必要な金がいつでも集まるという発想法はない。必要な金が集まらない、借金をしてでも返せないかもしれない。自ずと「入るをもって・出いを制する」経営原則が支配することになる。民間企業の経営原則はそこにあり、自治体もそれに近づく。
自治体のトップに課せられる課題は、自らの理念に基づいて独自の経営を組み立てて、その効果について経営責任を明らかにすることである。ここでいう経営責任には、執行機関の首長や主要部課長のみでなく、もう一つの政治機関である議会の責任も含まれる。
74頁・
74頁・・変わるべきこと・・・
そこで自治体の経営を考える場合、次の四つの点に自己改革が必要となる。
第一は首長が変わること。
ここでいう「変わる」は交代も含むが、まずは現職に自己改革を求めたい、光線の首長は、政治家であり、経営者であり、外交官である。その行動は有権者との契約、「マニフェスト(政権綱領)」が行動規範となる。従来の選挙向け公約と違い、これは有権者との契約だ。これから首長には有権者との契約実現の請負人感覚が求められる。
75頁・自らの「任期」についても再考すべきだ。任期は一つの仕事の単位である。その間に仕事を完結するのが原則で、首長は長くても三期12年で十分ではないか。企業では10年やっても結果が出ないなら社長は交代するのが常識だ。政治も同じではないか。
任期制限は法律上難しいというが、それよりも首長自身が「多選自粛」を公約にしたらどうか。
第二は議会が変わること。
従来のチェック機関的な議会ではもはや限界である。分権時代の地方議会は立法機関を目指すべきだ。特に合併後の自治体議会は生まれ変わるチャンスである。議会は首長と対等な政治機関として、政策内容を総点検し、自ら条例を提案し、予算修正を試みる能力が求められる。
確かに現行法では議会に予算編成の義務も権限もない。しかし、議会として「もう一つの予算案」を編成してみたらどうか。それをもとに、首調停案の予算について政策論争を挑むらな審議の密度は濃くなる。予算を自ら編成してみてこそ、初めて仕事の全貌が分かる。各議会に予算研究会の立ち上げを期待したい。
議会は脇役から主役への転換期にある。
・・第三は職員が変わること。・・
まず職員はサラリーマン根性を捨てることだ。大過なく地位にしがみつき月給を食む、そんな時代ではない。職員は首長の政策スタッフであり、プロである。地域のリーダー職が自治体職員である。
76頁・平成27年9月22日 火曜日・職員自身、いったん雇われたら首長と無関係な終身職などと考えてはいけない。もう、世間にはそうした特権的な終身地位感覚は通用しない。
職員は政策の立案や執行に腕を振るう専門家として雇われている。少なくとも住民はそう見ている。その仕事の成果、業績に対して支払われるのが、月給である。身分報酬ではなく、労働の対価なのである。能力主義を徹底し、経験者採用を増やし、仕事のできるもののみが継続的に雇用されていく。公務の世界もそう変わる時代である。
事業官庁から政策官庁への脱皮には・・政策部門の充実・・幹部の執行役員化・・政策プロの育成・・政策評価など戦略的な改革が不可欠である。
・・・第四は住民が変わること・・・
従来の「お任せ民主主義」「観客民主主義」ではダメだ。自己決定・自己責任は、究極的には住民自身に求められる。地域経営は他人事ではない。参画と協働の責務をどう果たすか、ガバナンス(脇治)時代にふさわしい主体的行動が求められる。
参画民主主義の時代である。住民自身が決めることが望ましい領域は、思い切ってコミュニティレベルに分権する。そうした地域内分権も不可欠である。
76頁・ここまで・平成27年9月22日
・4・経営改革の実践・77頁・
平成27年9月22日 火曜日・15/9/22 11時27分・
・・シティ・マネーマネジャー・・
民間企業では「経営」と「執行」を分離する組織づくりが進んでいる。これからの自治体経営は、行財政の効率化と住民満足度をいかに両立していくかが課題となる。そこで注目されるのが、シティ・マネージャー制度の導入である。地方制度調査会など政府の審議会から幾度も提案されながら、いまだに具体化されていない。
市町村と言っても規模が様々だが、ここではまず人工語万人以下の比較的規模の小さい基礎自治体への導入を検討したらどうか。
日本では、シティ・マネジャー制度を「市支配人」と訳している。これは、むしろ特別職の「最高執行役員」と表現したほうがイメージがはっきりするかもしれない。
自治体の行政組織を地域で自由に設定できるアメリカでは、人口五万人以下の市町村ではこの制度が多用されている。最近では人口五万人以上、サリナス市(加州)など15万人程度の中規模市にも同制度が導入する傾向がみられる。
78頁・大都市ではサンジェゴ市が有名だったが最近制度を変えた。
アメリカの場合、五、六万人の市なら市議会は五人程度で構成されるが、光線で選出された議員は行政実務をシティ・マネジャーと呼ばれる専門家に委託することが多い。これはシティ・マネジャー制度である。そこのシティ・マネジャーは、議会というフロントに対し、現場指揮を正枯れたプロ野球の監督に似ている。
彼は、議会との契約で数年間、行政部門を任され、それを統括する最高責任者の地位に就く。
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