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2015年8月15日 (土)

「植草一秀の『知られざる真実』」 20150814  JSCシロアリビル建設白紙撤回が不可欠だ  第1218号

引用

リンク・2015年8月 7日 (金)takita.bangumi,番組表・・・弊社の滝沢市の凄さをご覧ください・・・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/08/takitabangumi-cfac.html

2015,8,15、


「植草一秀の『知られざる真実』」  20150814  JSCシロアリビル建設白紙撤回が不可欠だ  第1218号

2013年9月7日。南アメリカアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれたIOC総会。安倍晋三氏はこう述べた。「(福島第1原発の)状況はコントロールされている。東京にダメージが与えられることは決してない」「汚染水の影響は、福島第一原発の港湾内の〇・三平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている


さらに完全に問題のないものにするため抜本解決に向けたプログラムを決定し、着手している。」だが、福島第一原発では毎日汚染水を含む大量の地下水が漏えいしている。IOC総会の1ヵ月前には福島原発の地上タンクから約三百トンの処理水が漏出。

外洋につながる排水溝に沿って処理水と同じ特徴を示す高濃度の放射性ストロンチウムなどを含む水が確認され、外洋に漏れた極めて高い可能性が明らかになった。港湾内の水についても、東電は、外洋と完全にブロックされた状態ではなく、水が行き来していると説明している。

東京招致委員会の竹田恒和委員長は、ブエノスアイレスで開かれた記者会見で次のように述べた。「福島から250km離れているのでみなさんが心配するような危険性は東京には全くない」「福島から離れていなければ心配しなければならない」ことを示す発言だった。

東京オリンピックのペテンはここから始まっている。ペテンとは錬金術のこと。オリンピックを誘致して、私腹を肥やすことだけを考える者が群がっている。シロアリ・ハイエナオリンピックと命名するのが良いだろう。国立競技場を建設するのに2500億円の巨費を流し込む策謀が張り巡らされた。

問題が発覚していなければ工費は3000億円を超えていただろう。国民から血税を吸い上げて、利権業者と利権政治屋が私腹を懐にする。

テレビドラマ「水戸黄門」が描く悪代官と利権業者の癒着の構造が浮かび上がる。

政府と財務省は財政危機を叫び、庶民を踏みつぶす消費税大増税を強行している。年金給付を切り、生活保護を切り、保険料だけを引き上げている。その一方で、シロアリ利権につながる財政支出はだだ漏れで拡張させている。

国立競技場建設計画は主権者の批判によって白紙撤回に追い込まれた。白紙撤回した以上、責任問題が処理されなければならないが、トカゲのしっぽ切りのように文科省局長が更迭されただけで、何ひとつ責任が明らかにされていない。

巨大な競技場があちこちに建設されているのだから、この際、新国立競技場の建設自体を取り止めにするのが正しい対応である。ペテンのシロアリ・ハイエナオリンピックの醜聞はこれに留まらない。大会エンブレムデザインの盗用疑惑が浮上した。ベルギーのリエージュ劇場のロゴとデザインが酷似していることが指摘された。

色の組合せは、スペイン・バルセロナのデザイン事務所「ヘイ・スタジ」によるスマートフォンの画面用「壁紙」に酷似していると指摘された。東京オリンピックのエンブレムを考案したのは佐野研二郎氏。さらに、佐野研二郎氏は、サントリービールに対して8月13日、自身が手がけた販促用のトートバッグを数点を取り下げるよう依頼した。サントリービールはこれを受けて、佐野氏がデザインした景品のトートバッグ30点のうち、8点を取り下げた。

ネット上ですでに指摘されてきたように、佐野氏による「デザイン」が、他の作品と酷似していることを背景としたものだ。完全なる「盗用」と認定される可能性の高いものが含まれている。

競技場建設計画の白紙撤回に続いて、エンブレムの撤回は不可避の情勢である。すべての根本に、オリンピック利権に群がるシロアリやハイエナの構図が観察される。次に問題になるのは、「フクシマ事故は完全にコントロールされている」という安倍晋三氏の「虚言」だろう。世界に与える混乱を最小化するには、できるだけ早期にオリンピック開催を返上することが必要であると思われる。「スポーツの利権化」の問題を論議するべきだ。

スポーツそのものは素晴らしいものであるし、多くの人々がスポーツからさまざまな価値を受け取っている。しかし、他方で、スポーツが「利権の具」にされていることは紛れもない事実である。FIFA幹部による巨大汚職事件が表面化した。世界的なスポーツ興行の双璧がFIFAワールドカップとIOCオリンピックである。国立競技場の杜撰な建築計画を取り仕切ったのは、文部科学省の天下り機関であるJSC(日本スポーツ振興センター)だ。

JSCの前身は1955年設立の日本学校給食会。これが、国立競技場などを運営する組織となり、2003年に“toto”を扱いだしてJSCに衣替えした。文科省の天下り機関であり、スポーツ利権の牙城になってきた。このJSCが国立競技場建て替えと合わせて本部が入居するビルを新設する計画を進めている。

シロアリビルの建設計画である。東京の南青山に高さ70メートル、16階建ての新ビルを建設する計画だ。以前の本部は取り壊し済み。 今秋に着工して2年後の完成が予定されている。

整備費は約164億円。約220の客室を完備して、日本青年館がホテルとして運営する一方、JSCが3フロアを使う。建設費のうちJSCが負担する額は約47億円。JSCはスポーツ振興くじ(toto)の収益から最大30億円を助成することを決めた。

これに国費を加えて47億円を建設費に充当する。新オフィス建設については6月30日に契約が交わされ、国立競技場建設計画が白紙に戻されたあとも建設計画が白紙に戻されていない。

JSCは責任も取らずに新ビルを血税で建設しようとしている。こうしたシロアリ、ハイエナの跋扈を許してはならない。この国は、米国と官僚と大資本に支配されている。その手先になっているのが利権政治屋と利権マスゴミ。この五者を米・官・業・政・電の悪徳ペンタゴンと呼ぶ。

一般国民に対しては、社会保障・福祉切り捨て消費税大増税で締め付けしておいて、米官業の利権軍団が酒池肉林の宴会を続けているのだ。野田佳彦氏は「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と絶叫した。その野田佳彦氏が、シロアリを一匹も退治しないで消費税大増税に突き進んだ。

鳩山政権の方針を180度転換したのが、菅直人氏である。日本政治刷新の流れは、菅直人、野田佳彦の両氏によって、完全に破壊されてしまったのだ。シロアリ官僚軍団は、御用資本のハイエナ軍団と結託して、利権を漁る。天下り先を作り、利権分配の機能を支配し、自分たちが居住するオフィスを豪華絢爛なものに作り替える。

財務省は財政危機を訴えながら、天下り先の日本政策投資銀行国際協力銀行日本政策金融公庫のオフィスをどうしているか。

財政危機を訴える財務省所管の政府機関だから、もちろん、質実剛健の質素なオフィスにしていると、主権者は考える。ところが、事実は真逆だ。自分たちの居住するオフィスは豪華絢爛なビルにするのである。ハゲタカ、シロアリ、ハイエナが跋扈して、主権者が踏みつけにされる国。それが安倍晋三政権下の日本である。

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著者:植草一秀(政治経済学者)

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8:07 2015/08/15


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