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2014年9月19日 (金)

戦争ってどんなことするの? 日本が戦争できる国になったら? 軍隊があるほうが危ない?……ラミスさんが今こそ徹底的に答えます

引用


戦争するってどんなこと? (中学生の質問箱) 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/9 C.ダグラス ラミス (著) 内容紹介

戦争ってどんなことするの? 日本が戦争できる国になったら? 軍隊があるほうが危ない?……ラミスさんが今こそ徹底的に答えます

内容(「BOOK」データベースより)


軍隊は国や人々を守れるの?それともかえって危険な存在なの?沖縄戦を生き延びた元県知事大田昌秀さんのインタビューも収録。シリーズ第四弾! 単行本(ソフトカバー): 223ページ出版社: 平凡社; 四六版 (2014/7/9)

言語: 日本語発売日: 2014/7/9

目次

第1章 日本は戦争できないの?

第2章 戦争ってどんなことするの?

第3章 どうして戦争はなくならないの?

第4章 日本が戦争できる国になったらどうなるの?(なにがどう変わるの?

どんな戦争をすることになるの?)

第5章 沖縄から考えるってどういうこと?

第6章 軍事力で国は守れないの?(軍隊があるほうが危ないの?

非暴力抵抗で国が守れるの?)

 

我が国の現状を認識するのに必読の本, 2014/8/31

レビュー対象商品: 戦争するってどんなこと? (中学生の質問箱) (単行本(ソフトカバー))

 

この本は、アメリカ人の C. ダグラス ラミスさんが、きっと中学生を対象として書かれた本です。ラミスさんは、もとは海兵隊に入ってたそうですが、いろんな経緯を経て、この本を書くような平和主義者になられたそうです。本の「おわりに」にその経緯が書かれています。特定秘密保護法、武器移転3原則、集団的自衛権などと、戦後70年の我が国の平和憲法の精神を踏みにじるような事柄が、いとも簡単に推し進められている我が国の現状は、まさに憂うべきことですが、どうしてそのことが憂うべきことなのかという根本的なことは、これまでの世界における戦争と平和の歴史、また我が国のそうした歴史と現状を把握しないと理解できないのです。この本は、こうした根本的で重要な問題を、易しく、具体的に説明しています。中学生や高校生の若い人たちには是非とも読んで欲しいし、年齢に関係なく日本人全部に呼んで欲しい本です。

教科書にしたい, 2014/8/14

レビュー対象商品: 戦争するってどんなこと? (中学生の質問箱) (単行本(ソフトカバー))

何故戦争がおきるか、起きたらどうなるかが今と地続きが書かれています。

こうした根本に疑問を持っている人は多いと思います。

戦争について気になった人はぜひ!

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8:33 2014/09/19

中学生の質問箱・戦争するてどんなこと・・

 

週刊金曜日・

ダグラス・スミスさんに聞く・「戦争できる国」のリアル・・集団的自衛権の行使容認、で、日本にとって「戦争」がリアルなものになろうとしています。

とは言っても、戦争体験のない世代がほとんどになった今、「戦争」と言われてもピンと来ないのも事実。海兵た経験のあるダグラス・スミスさんに、「戦争」の本質を聞きました。

7月1日の集団的自衛権行使を容認する閣議決定の前後から「集団的自衛権」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、政府とほとんどの新聞・テレビが使わない言葉がひつとあります。それは「交戦権」です。

交戦権は兵士が戦場で人を殺しても殺人罪にならない権利です。

・・・集団的自衛権行使が意味すること・・・日本の憲法9条には「国の交戦権は、これを認めない」と書いてあります。つまり、国民は戦場で人を殺す権利を政府に与えない、という意味です。これはいくら「解釈」しようとしても、別な意味は出てきません。ですから政府はなるべく使わないようにしていて、ほとんどの新聞やテレビもそれに倣っています。

交戦権がなくては、軍事行動はできません。一人ひとりの自衛官は自分やすぐ隣の人の命が危ない場合に限って、正当防衛として武器を使えるだけです。ですから、これまで自衛隊は軍事行動をしてきませんでしたし、交戦権のもとで人を殺していません。けれども、集団的自衛権行使を容認するなら、それは変わるでしょう。

アメリカと一緒に集団的自衛権を行使することになれば、日本は日本から遠く離れたところでアメリカが起こした戦争に加わって軍事行動をすることになります。軍事行動に参加すれば、自衛官も人を殺すことになるでしょう。その時、戦場で人を殺した自衛官たちが日本の警察や検察に逮捕されたり起訴されたりしないなら、それは事実上の交戦権の復活です。

自衛官が海外の戦争で人を殺したら、日本の平和運動家が誰かが、「その自衛官を起訴すべき」というかも知らません。するとその人は、「売国奴」とか、「国のために戦ったヒーローを起訴するのか」とか、大変なバッシングに会うことが想像できます。

このようにして、集団的自衛権を行使して自衛隊が軍事行動をしてしまえば、憲法を変えなくても実質的には交戦権があることになってしまいます。もちろん、「交戦権を認めない」と憲法に書いてあるのに、軍事行動をするのは憲法違反ですが、政府はこれを狙っていると思います。

・・・戦争できる国」アメリカの社会・・・

私は高校生の頃、「軍隊がないと国は安全ではない」と、今の自民党と似たような考え方を持っていたので、志願して海兵隊に入りました。海兵隊の基礎訓練では、住の取り扱いなど基本的な技術の他、命令に疑問を持たないで絶対に従うことを教えます。自分の良心に従うなどは一切考えさせず、どんな馬鹿げた命令でも従うよう訓練します。そして、人を殺せるよう訓練します。

たとえば、現在の戦争では実際にはほとんど役に立ちませんが、十件を使って相手を殺す訓練をします。ワラでできた人形を「殺す」と言って突き刺すのです。これは人を殺せるようになる心理的な訓練と言えるでしょう。

私は戦争に行ったことはありませんが、実際の戦争に行くと、いくら訓練を受けていても多くの人にはまだまだ抵抗があって、なかなか人を殺せないといます。上空から爆弾を落とすのなら、相手の姿が見えないのであまいり抵抗はありませんが、陸上戦で人の姿、顔を見て撃つことは、できない人が多いのです。自分が撃った弾が人の体に入って、その人が倒れて、叫んで、泣いて死ぬということを初めて経験したとき、多くの兵士が泣き出したり、吐いたり、足から力が抜けて倒れたり、銃を投げて「ごめんなさい」「ごめんなさい」と言ったりするそうです。

27頁・

そんなとき軍曹は兵士を怒るのでなくて慰めます。「大丈夫。みんなそうだから。なれるから。僕も最初はそうだった」と。

兵士の仕事は国を守ることだという言い方をする人もいますが、実際には人を殺すことです。ですから、「戦争をできる国」というのは、はっきり言えば「(戦場で)人を殺させる国」です。

その影響軍隊だけには限りません。日本での「戦後」と言えば1945年以降のことですが、アメリカで「戦後」といっても、いつのことなのかわかりません。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争・・・アメリカはしょっちゅうどこかで戦争をしている社会です。そういう社会で育てられると、お父さんや親戚のおじさんや近所のおじさんが戦争に行ったとか、勲章をもらったとか怪我や戦死した人もいるかもしれません。そして、戦争から帰ってきた人達はおおむね「よくやった」と好意的に評価されています。

今のところ戦争をやっているのは多くが男性ですから、とくに男のこは小さい頃から、大人の男になるということは人を殺せる人間になることだ。と考えます。そして、人殺しできる男になるように無意識で準備するのです。もちろん、そうでないアメリカ人もいますが、そういう社会的な雰囲気があります。

・・・・戦争が目的か、戦争状態が目的か・・・

日本は3世代くらい戦争を体験していませんから、ほとんどの人は自分が人を殺すなんて問題外のことでしょう。ですから、今の若者が戦場に送られて人を殺すことになれば、若者たちの心の中に大きな抵抗が生まれると思います。これでは戦争になりません。実際に戦争をするためには、「改憲」や「解釈改憲」だけではなく、それ以上に日本社会を作り直す必要があります。

自民党の憲法改正草案には、それが見事に描写されています。国民は政府の言うことを聞いて、国のために尽くす臣民に戻るのです。人権には条件がつけられ、愛国心は義務であり、国に対する責任として国民が何をしなければならないかという命令ばかり書いてあります。

そうなると、「政府や国のやることと私は関係ない」とは言えなくなります。「関係ある」と政府が言うわけです。「戦争できる国」に戦争とは無縁の人はいません。特に若い人たちは、自分の身に迫ることだと分かって欲しいのです。

政府がやろうとしているのは、社会を作り直して戦争をすることでしょうか、それとも戦争や戦争状態の恐怖を手段として、国民が政府の言うことを聞く社会を作るのが目的なのでしょうか。後者のほうが自民党の意識の中で強いのではないかと思います。

今、沖縄の辺野古の海では、地元の反対にもかかわらず米軍普天間飛行場の移設に向けた海底ボーリング調査が行われていますが、8月7日の「琉球新報」は、政府が調査支援のために海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を派遣する可能性を検討している、と報じました。国の政策に反対する国民に対して、軍事力で対決することを政府が検討しているということです。実はすでに一度「豊後」は、2007年5月にも辺野古沖での事前調査支援の名目で派遣されています。

 

これまで自衛隊は国民に対して暴力を使ったことは一度もありませんが、軍艦を派遣することの威嚇の意味は大きいと思います。自衛隊の相手は必ずしも海外ではなくて国民ということもあるのです。

ところで、東京~沖縄便の飛行機に置いてある観光パンフレットには、もちろん米軍基地は載っていませんが、今回、もうひとつないものを見つけました。ヤンバルの珍しい植物や動物が紹介されているのに、その中に辺野古周辺の海に生息しているジュゴンが入っていないのです。国策と矛盾すると思われている自然や動物の存在も、検閲の対象になり始めたのでしょうか。

聞き手・まとめ・市川はるみ・Cダグラス・ラミス・1936年生まれ。60年に海兵隊員として沖縄に駐留、61年に除隊。80年より津田塾大学教授。2000年により沖縄を拠点にして活動。最近作「中学生の質問箱・戦争するってどんなこと?」平凡社・では日本が戦争できる国になった場合の「リアル」を語っている。

平成26年9月19日


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