« ?騒音やCO2排出や熱中症のリスク・・・除草は大変です。ところが現在、そうした問題がほぼゼロのとてもエコで、画期的な除草法が大きな話題になっています。それはヤギによる除草。草刈機など燃料を使う通常の除草ならば1000平方メートルあたり約117キロのCO2を排出しますが、ヤギならば ほぼゼロ。1日に体重の1割程にあたる3~5キロの草を食べてくれるからです。そんなヤギを派遣する会社アルファグリーンのスタッフで、「ヤギ除草マスター」の山本富晴さんは、長年 家畜の除草能力や緑化事業の研究をしてきました。そして現在 | メイン | ?奄美群島の概況は,奄美群島振興開発事業の成果のほか,奄美群島の自然,行政,産業経済並びに教育,文化などの各般にわたる統計資料等を総括的に集録し,現況と推移を明らかにしたものです。 »

2015年9月28日 (月)

   鈴木/幸一1946年9月生まれ。国内インターネットサービスの草分け。インターネットイニシアティブ(IIJ)を設立し、郵政省(現総務省)との激しいやりとりの末、93年にネット接続サービスを開始。後に続くネット企業に道をひらいた業界の重鎮(資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書) 新書 – 2015/3/17 金子 勝 (著) 6件のカスタマーレビュー

引用

 

日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった 単行本(ソフトカバー)  – 2015/3/13

 

鈴木 幸一 (著)        8件のカスタマーレビュー

きたみかど

インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ――この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。インテル、グーグル、Amazon……インターネットには、これからどのような可能性が秘められているのか? 日本発の技術で、世界を変えるために必要なこととは?

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ―この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。

単行本(ソフトカバー): 476ページ出版社: 講談社 (2015/3/13)

言語: 日本語発売日: 2015/3/13

 

目次

第1章 黎明期――ロング・アンド・ワインディング・ロード

◎沈鬱の船出◎ふたりの訪問客◎10億円の皮算用◎徒手空拳で、通信の巨人に挑む◎戦争が産んだコンピュータ、インターネット◎1969年の衝撃◎立ちはだかる制度と役人の高い壁◎貧乏企業には事業をさせない◎「水と油」の電話とインターネット◎縦割り行政の弊害◎夜逃げ前と見紛う珍妙なオフィス◎金策に明け暮れる日々◎ようやく下りた事業認可◎思い込みが、世界を変えた

 

第2章 日本から世界へ

◎ファーストユーザー、怒り心頭◎打倒NTTへの布石◎ネット証券の夜明け◎災害に強いインターネット◎ネットの可能性を阻むもの◎地下鉄サリン事件の裏側で◎競争相手を育て、ガリバーに塩を送る◎アジアを経巡る「法螺吹き珍道中」◎スーパーの2階で生まれた新技術◎日本初、インターネットのライブ中継◎日本を飛び越え、ナスダック上場◎9・11に見たアメリカの底力◎技術に宿る身体感覚◎グーグルの強み、日本の懸念

 

第3章 壮大な夢の光芒――通信の巨人に挑む

◎夢が潰えた日◎消えかけた個人資産◎ネット専用インフラをつくる夢◎ネットワークは愚かでいい◎カネの切れ目が事業の切れ目◎革新的なアイディアの代償◎幻の映像配信サービス◎「ラストワンマイル」を巡って◎もうひとつの「巨人」との提携◎提携破談までの道のり◎買収工作への守りが裏目に◎経済情勢の悪化で資金繰り苦しく◎紛糾した債権者集会◎宿敵の支援を仰ぐ◎忘れられない夏

 

第4章 反転――日本のインターネットはどこへ向かうか

◎債務超過100億円からの再スタート◎競争激化、価格破壊のその先に◎隠れたばらまき行政◎技術革新を阻むもの◎インターネットが壊れる日◎ITを理解しない経営者たち◎日本に「IT産業」はない◎「日本発」の技術へのこだわり◎新体制の船出

 

第5章 インターネットの半世紀

◎実現しつつある「愚連隊エンジニア」たちの夢◎ウィキリークスがつきつけた課題◎ネットを監視下に置く国家権力◎ネットはテロ組織にも開かれている◎止められないサイバーテロ◎何を守る「セキュリティ」なのか◎個人情報は誰のものか◎インターネット時代の新聞の価値◎変わりゆくテレビを巡る風景◎ネットは経済を活性化させるのか◎ネットの未来

 

この書は、二つの点視点から読むと興味深い。一つは、1990年代のデジタル通信革命はどのようにして始まり展開したか、というITCビジネスストーリーの視点。二つは、革命児鈴木幸一のIIJ経営者ストーリーの視点。

ビジネスストーリーとしては、コンセプショナルIPOに始まり資金繰りに行き詰まり破綻するCWCとそれに由来するIIJの信用不安をどう乗り越えたか、その間の経緯は、ビジネススクールのケーススタディに格好の素材だろう。

電話通信を独占するNTTの対抗軸をつくらなければならない、独自のインタネット通信インフラを持たなければならない、というビジョンはCWCを実現させたが、その膨大な初期投資額が彼のビジョンを破滅させてしまいかねない事態を招いた。

それにめげず、IIJを立ち直らせ1千億ビジネスにしたのは何か?

宿敵NTTの当時の相談役の宮津純一郎さんから「独りで安酒とたばこをやったらだめだ」と呼び出され、次のように言われた、と述懐するくだりがある。鈴木という経営者ストーリーのハイライトだ。「おめえのさ、あの事業は正しいと思うけどさ、インフラ事業を貧乏人がやっちゃいけないんだよ。金がかかるしリターンも遠い。

まあ貧乏人にしては、よくやったけどさ。」

起業を考えている人、インターネットに関わる人、いやビジネスパーソン皆にエネルギーをくれる本

現代経営者の著書で久方ぶりに心打たれ、改めてエネルギーを頂いた。 著者は日本でインターネットの世紀を切り拓いたインターネットイニシアティブの創業者で現在会長を務める。 帯には「この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感」とある。 この国の壁とは、1990年代初頭の郵政省の通信行政の壁。 通信の巨人とは今のNTT。 そして危機感とは、インターネットの持つ本質の意味を未だ日本の為政者が良く理解しておらず、国防のありかたまで変わる恐ろしさであり、それを認識していないと警鐘を鳴らす。 行政の壁という側面では、宅急便サービスを開始したヤマト運輸の社長小倉昌男の「経営学」が心に残る。 今後本書は、それに並び行政の壁に立ち向かった経営者の足跡を記したものとしてビジネス書の歴史に残るだろう。 ドッグイヤーと言われるとてつもなく技術や事業環境の変化の速いインターネットや情報機器の世界での起業家を描いた本としては、アマゾンを描いたThe everything store、ザッポスを描いたDelivering Happiness, そしてアップルのSteve Jobs などがある。 しかし、どれもアメリカの話。 本書は日本のインターネットを切り拓き育てた鈴木幸一が、その半生を掛けた戦いを語っており痛快でもある。 本書は文章の切れ味良く、一気に最終ページに読み進む。 今、現役で頑張ってい

日本のインターネットの幕開けは解体寸前のビルから

本書は経営書というよりも鈴木幸一という日本発の商用インターネット事業創始者として日本のインターネット黎明期から現在まで最前線で闘ってきた1人の男が目にしてきた情報通信市場のヒストリーである。無関心、規制、出資、出資会社であるCWC倒産、出資者からのバッシング、IIJ存続と成長という壁に

孤軍奮闘し、全てを賭けた経営者の物語である。

著者の背景にはインターネットを支える技術の知的所有権をオープンにする(パブリックドメイン)というインターネット思想家としての哲学がある。そのため、出資者であるNTTに対しても、NGNがIPであるにもかかわらず電話に要求されるあらゆる監視を可能とする閉域網であることに対し、徹底批判をする。

またクラウド利用がアメリカの2〜3%に留まるなど、日本の保守体質に警鐘をならす。そしてインターネットの将来についてインテリジェンスはクラウドに宿る。端末が持っていたインテリジェンスは、クラウドの向こう側に外部化され、通信インフラも端末も、単なる土管になる、と予見する。

不屈の経営者魂をよみとれ。

苦境なとき、鈴木さんの髪の毛がみるみる白くなり、抜け落ち、安酒の為に通風を患い、しかしなおかつ水道管を日本全国に張り巡らしてやるとうい心意気。それを支える銀行マンやキャピタル。

儲けは、水が出てきてからだという彼の不屈の精神が描かれている。ただ金の為ではないという精神をこの人から学んでほしい。また、こういう人を支えた人が今後も出てくることを祈らんばかりである。諸君、理屈は解っただろう後はやるだけだ。

6:30 2015/09/27 


 

鈴木幸一の文明漂論 単行本  – 2011/12/13 鈴木 幸一 (著)   2件のカスタマーレビュー

 レールを外れ続けた人生の後、日本で初めてインターネットを商用化した“草分け”による「日経新聞電子版・経営者ブログ」。待望の単行本化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

 鈴木/幸一1946年9月生まれ。国内インターネットサービスの草分け。インターネットイニシアティブ(IIJ)を設立し、郵政省(現総務省)との激しいやりとりの末、93年にネット接続サービスを開始。後に続くネット企業に道をひらいた業界の重鎮(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 単行本: 373ページ出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/12/13)

発売日: 2011/12/13

目次

耐えられない軽さ―2010年春

思えば遠くへ―2010年夏

怖いこわ~いインターネット―2010年秋

この国は何処へ―2010年冬~2011年新春

自然の力をまえに―2011年春

拙きを知らば、なんぞ、退かざらん―2011年夏

「人間」の分限―2011年秋

 

心に感じるものがあります。

最近の新聞にしてもエッセイにしても、表面的な、薄っぺらい、頭でっかちの考えがあふれ、読んでいて気持ち悪くなることがあります。時には狂を感じることがあります。そのような衆愚本の中で、この本は修羅場を乗り越えて来た人の心、大人の男の心を感じ、良い本と思えます。

革新がうまれる所とダメな所と

日経のコラムを読んで著作を購入しました。最近会長を引退されたと記憶しますが、酒、音楽、そしてIIJの革新的な存在(?)が発する辛口な批評ですが、羨ましい限り。非力な身には、存在の糧として読める一冊です。余談ながら、生存の糧としては、家入レオがお勧めです(笑)何はともあれ健康が一番、が実感の読後感です

6:32 2015/09/27


資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書) 新書  – 2015/3/17 金子 勝 (著)       6件のカスタマーレビュー

 内容紹介

 深刻化する格差を是正するために、新たな「共有」の道を示す画期的提言! 資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉え、

その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。

税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。 「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が必要となる。

 個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。

 【目次】

 序章 ワンフレーズ化された経済政策

 第1章 共有論のパースペクティブ

第2章 グローバリズムの歴史的意味

 第3章 グローバリズムは何を強要するのか

第4章 資本主義はどう変化してきたか

第5章 社会保障制度における「自由と平等」

 第6章 波動から資本主義を見る

第7章 新しい独占をめぐる対抗

 第8章 地域民主主義の可能性

あとがきにかえて 

資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉える。その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が有効となる。個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。

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新書: 208ページ出版社: 集英社 (2015/3/17)言語: 日本語

ISBN-13: 978-4087207774

発売日: 2015/3/17

 

目次

序章 ワンフレーズ化された経済政策

第1章 共有論のパースペクティブ

第2章 グローバリズムの歴史的意味

第3章 グローバリズムは何を強要するのか

第4章 資本主義はどう変化してきたか

第5章 社会保障制度における「自由と平等」

第6章 波動から資本主義を見る

第7章 新しい独占をめぐる対抗

第8章 地域民主主義の可能性

個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する書!

格差是正にはどのような施策が妥当なのか?単なるピケティ式累進課税なのか?

深刻化する格差を是正するために、新たな「共有」の道を示す画期的提言!資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉え、その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。

税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。

そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が必要となる。個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。本書は、民主主義による資本主義の修正を改めて説いている必読書です!

なんとも歯がゆい

著者の著書は1990年代後半から今日までほとんど読んでいますが、この著書は、この間に著者が論じてきた内容をコンパクトにまとめています。直近の情勢として、「アベノミクス」についての分析や、トマ・ピケティが『21世紀の資本』で主張するところなども踏まえて論述されています。

私が著者を注目してきたのは、セーフティーネット論と「構造改革」批判、社会保障改革、不良債権処理問題と長期停滞論、逆システム学、反グローバリズム、6次産業化と農業改革論、世界金融危機論、脱原発成長論と地域分散型のエネルギー転換等々、直面する数多くの難題について、主流派経済学者とは異なる国民的な視点に立って総括的な主張をされてきたからです。 

で、本書ですが、はっきり申し上げて、物足りない…。情勢分析はいつものように正確で素晴らしいですが、「運動論」が欠落しているため、著者が描く未来像を実現させる「主体」がはっきりしませんし、実現への具体的な道筋がまるで見えません。なおかつ、資本や資本家に対する見方が甘いように感じます。利害対立する政策転換を、資本家、権力者、既得権益者が、強制力なくして受け入れることはまずあり得ません。その甘さは、経済闘争や政治闘争といった階級闘争についての論述がほとんどないことからもうかがえます。著者が描く未来像は、修正資本主義として資本主義を延命させるものであり、それはそれで結構なのですが、運動とその「主体」が不明確では、「画餅」に終わる可能性が大です。志とビジョンは買いますが、なんとも歯がゆい読後感です。

個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する書!

格差是正にはどのような施策が妥当なのか?単なるピケティ式累進課税なのか?深刻化する格差を是正するために、新たな「共有」の道を示す画期的提言!資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉え、その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。

税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が必要となる。

個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。本書は、民主主義による資本主義の修正を改めて説いている必読書です!

制度やルールの独占から共有への転換を説く好著!

 水野和夫氏の『資本主義の終焉』が話題になりましたが、長期的なトレンドを歴史的に分析することも大切ですが、本書は現在何が問題なのかということ、あくまでも現実的に問題の本質を分析していることが特徴です。資本主義にはさまざまな制度やルールが存在し、それらの制度やルールが国際的に通用している場合、それらの多くが米国主導により「独占」されてきたものであることに著者は警鐘を鳴らしています。自由貿易に基づいて地域的な経済連携が締結されており、日本もTPP交渉の最終段階に直面していますが、こうした枠組みもまた米国主導により提唱されたものであることが分かります。ここから資本主義国が利益を独占するシステム、あるいは利益を分有するシステムとして機能しているのが現代の資本主義である。こうした発想の下にアベノミックスが展開されていますが、大きな効果を生み出すまでに至っていない。このジレンマに著者は大胆な地方分権的な制度やルールを提唱し、社会保障制度も地方主体に再建することを提唱しています。中央からの押しつけとしての地方創成ではなく、地方からの発想で経済再建や社会保障制度の構築を模索していることは素晴らしい発想です。特にエネルギー政策も地方分権で考え、国が送電を統制し、電力会社の利益独占を排する構想には感心しました。現実的な政策を可能なことから一つずつ新たな発想で考察する本書は今後の日本の将来を考えるための良きヒントとなります。お勧めの好著です。

なんとも歯がゆい

著者の著書は1990年代後半から今日までほとんど読んでいますが、この著書は、この間に著者が論じてきた内容をコンパクトにまとめています。直近の情勢として、「アベノミクス」についての分析や、トマ・ピケティが『21世紀の資本』で主張するところなども踏まえて論述されています。

 

私が著者を注目してきたのは、セーフティーネット論と「構造改革」批判、社会保障改革、不良債権処理問題と長期停滞論、逆システム学、反グローバリズム、6次産業化と農業改革論、世界金融危機論、脱原発成長論と地域分散型のエネルギー転換等々、直面する数多くの難題について、主流派経済学者とは異なる国民的な視点に立って総括的な主張をされてきたからです。

 

で、本書ですが、はっきり申し上げて、物足りない…。情勢分析はいつものように正確で素晴らしいですが、「運動論」が欠落しているため、著者が描く未来像を実現させる「主体」がはっきりしませんし、実現への具体的な道筋がまるで見えません。なおかつ、資本や資本家に対する見方が甘いように感じます。利害対立する政策転換を、資本家、権力者、既得権益者が、強制力なくして受け入れることはまずあり得ません。その甘さは、経済闘争や政治闘争といった階級闘争についての論述がほとんどないことからもうかがえます。著者が描く未来像は、修正資本主義として資本主義を延命させるものであり、それはそれで結構なのですが、運動とその「主体」が不明確では、「画餅」に終わる可能性が大です。志とビジョンは買いますが、なんとも歯がゆい読後感です。

 シェア(共有)とUSスタンダードからの脱却

全くの門外漢が読んだ。

いつも経済関連の本を読んで思う事:経済学って本当に学問なんだろうか?ノーベル賞もあるけど。一部の人々に莫大の富の偏在をもたらす金融工学なんていうのもあるし、そもそも工学も学問なんだろうか?自然を征服管理しようとする工学が人類に必要なのかと。金子さんは、「失われた20年」と書くけど、ゴールを過ぎた20年と考えた方が良いのだと僕は思う。だって、もう世界で一番には絶対なれないのだから。もちろん、金子さんの脱原発論は素晴らしいと思っている。

筋がそれた。

金子さんは、以前より自民党政権、特に小泉さんの政策には猛烈に反対していたように思う。

そんな事を目次からも感じる。

序章 ワンフレーズ化された経済政策

第1章 共有論のパースペクティブ

第2章 グローバリズムの歴史的意味

第3章 グローバリズムは何を強要するのか

第4章 資本主義はどう変化してきたか

第5章 社会保障制度における「自由と平等」

第6章 波動から資本主義を見る

第7章 新しい独占をめぐる対抗

第8章 地域民主主義の可能性

あとがきにかえて

 

ざっくりまとめると、地方分散ネットワークでシェア(共有)型な社会 そして産業構造改革

米国型の制度、ルール押し付けからの解放(グローバルスタンダードは実はUSスタンダードなんだよね)

女性に不利な日本の社会制度改革

 

読み終えて思ったのだが、新自由主義はけしからん、公共事業で日本復活などと言っている強靭化の先生も実は古い既得権益(ドボクムラ)の利益代表であるのだろう、まさに原発ムラの構造と全く同じ。

そして、そのムラの人々には利他などと言う思想は無く、利己的権益にすがり、国を蝕んでいくのだろう。

この本は、結局、「資本主義の克服」の為の対案を提示できていない本になっています。

この本は、結局、「資本主義の克服」の為の対案を提示できていない本になっています。

現状の新自由主義やグローバリズムが悪い事を分析していますが、結局、対案が出せていません。

現行法で、具体的に、何をどのように制度や法律を改正して、日本をどのような国するかの「グランドデザイン」を描き切れていません。

作者が限りなく、マルクスや資本論が好きなのはわかりますが、現行法の日本で、どのように、生かすかを対案や提案を出来ていないのが残念です。

毎回、本を読ませてもらっていますが、いつも抽象的な言葉で終わるので、今度、本を書く時は、この法律のここを廃止するなり、新しい法律を作るなりの日本の国家の「グランドデザイン」を書いて欲しいと思います。

 

ちなみに、「坂本龍馬」が現代でも、評価されるのは、「船中八策」という明治維新の「青写真」を描いたからですから、作者にも、同じように、平成の日本の「青写真」を描いた本を書いて欲しいです。

6:34 2015/09/27


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