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2014年4月

2014年4月30日 (水)

いんよう

北海道ホープランドの放牧豚、「蝦夷豚」蝦夷豚の生い立ち

蝦夷豚のお食事蝦夷豚の飼養環境蝦夷豚の流通蝦夷豚のこれから北海道ホープランドえぞ豚の飼養環境・・一般に市販されている豚はきわめて短い期間に太らせるため、温かい室温で運動をさせずに、たっぷりの栄養価の高い配合飼料を与えて肥育し、生後6ヶ月ほどで出荷されます。

病気に極めて弱いため外界と隔離して完全な無菌状態で肥育するが病気は完全には防げず、抗生物質なども多用しなければならないのです。

 

蝦夷豚は春先に生まれ、夏の暑さを過ごして徐々に寒さに慣れるため、冬に強く厳寒期でも元気に走り回ります。

そのため蝦夷豚の体毛は太くたくさん生えてくるのです。

ただ、子豚は寒さには弱いので、冬には出産させないように気をつけていることと、生後3ヶ月までは外には出さずに、20度に加温管理された子豚小屋で育てています。

冬は寒さに耐えられるよう穀物の給与量を増やし脂肪をつけるとともに肉質向上のために、ゆくゆくは穀物も自社農場での生産を考えております。

 

1.放牧場の広さ出来る限り広い畑で放牧し、最低でも生後6ヶ月以上1,000㎡当たり5頭以下とする。2.エコフィード出来る限り自家製や地域の農産物を飼料とする。リサイクルできる飼料を使用する場合は、原材料の判明しないもの、種々混合されている小売店の弁当の残りなど、生産履歴に疑義が生じるものは使用しない。3.衛生的環境の整備病害虫蔓延防止、異物誤植防止のため牧場内は常に清潔に保つ。4.逃走防止近隣の畑作農家に迷惑をかけないよう、逃走(脱柵)しないよう2重、3重の逃走防止対策を行う。5.十勝型動物福祉ヨーロッパでは先進的に取り組まれている「動物福祉」を研究して「十勝型動物福祉」を確立する。

 

北海道ホープランドでは、十勝の広い大地の中で充分な水と、低農薬、減化学肥料で栽培した牧草や馬鈴薯、南瓜、野菜など、主に地元産農産物を充分に食べさせて伸び伸びと育てる安心安全な美味しい豚肉の供給基地を目指し、かつ厳しい冬の寒さの中でも元気に飛び跳ねて育つたくましい「十勝放牧豚」のブランドを目指しています。

.http://www.hopeland.jp/ezobuta/breeding.php

北海道ホープランドの放牧豚、「蝦夷豚」

北海道ホープランド「蝦夷豚」蝦夷豚の生い立ち

蝦夷豚のお食事

 

20年ほど前に友人と行ったイギリスでの農業研修。

イギリスでは大規模な畑作農家が小麦や馬鈴薯などの畑輪作の一作目として放牧豚を飼養していたのです。近くに人間が来ても恐れる様子もなく、興味津々と鼻を寄せてくる豚たちを飽きずに見ていたのを思い出します。

ヨーロッパでは動物福祉の考え方が発達していて、ストレスがない伸び伸びと楽しく暮らせる環境で飼養された家畜が消費者から求められるとのこと。

豚たちが広い牧草地を元気に飛び回っていたイギリスでの風景が強烈に印象に残り、当農場でも土作りや緑肥を基本に畑作物数種類を組み合わせた輪作を行ってきたのもあって、いつか広い畑を手に入れることが出来たらぜひ放牧豚を飼養したい!と決意したのが始まりでした。

5年前に自宅近くに広くて安価な土地を手に入れることが出来、幸運にもその畑には畜舎や倉庫など放牧豚に必要な建物が数多く設置されており、すぐ隣にある30haの放牧地も使用できることになったのです。こうして長年構想を温めてきた放牧豚を20年目にして実現することができ、今では常時400頭以上の放牧豚を飼養するにいたっています。

 

北海道ホープランドの放牧豚、「蝦夷豚」北海道ホープランド「蝦夷豚」

蝦夷豚には牧草や馬鈴薯、野菜など、できる限りの自家製の飼料を与えています。

野菜はアスパラ、ブロッコリー、南瓜、スイートコーンなどの規格外品ですが、特にブロッコリーやスイートコーンの収穫後の畑に放牧すると茎や根まできれいに食べてくれます。

蝦夷豚はまさに自給自足!自家製の野菜をたくさん食べ、たっぷりの肥料を畑に戻し、化学肥料の施容量を減らさなければ出来すぎるほどの作物をもたらしてくれます。

豚を放牧させるのは、理想の循環をもたらし、一石二鳥でまさに「究極のエコ農業」となり得るのです。

冬の間は牧草や野菜ができなので、幕別農協から戴いた長芋の規格外品や自家製の馬鈴薯を主にして不足する分は配合飼料を与えています。冬季間も伸び伸びと走り回り、屋外で飼養しているためなかなか太りにくく出荷まで15ヶ月くらい必要なので1年以上の期間をかけて愛情たっぷりに育てられます。

北海道ホープランドの放牧豚、「蝦夷豚」

一般に市販されている豚はきわめて短い期間に太らせるため、温かい室温で運動をさせずに、たっぷりの栄養価の高い配合飼料を与えて肥育し、生後6ヶ月ほどで出荷されます。

病気に極めて弱いため外界と隔離して完全な無菌状態で肥育するが病気は完全には防げず、抗生物質なども多用しなければならないのです。

 

蝦夷豚は春先に生まれ、夏の暑さを過ごして徐々に寒さに慣れるため、冬に強く厳寒期でも元気に走り回ります。

そのため蝦夷豚の体毛は太くたくさん生えてくるのです。

ただ、子豚は寒さには弱いので、冬には出産させないように気をつけていることと、生後3ヶ月までは外には出さずに、20度に加温管理された子豚小屋で育てています。

 

冬は寒さに耐えられるよう穀物の給与量を増やし脂肪をつけるとともに肉質向上のために、ゆくゆくは穀物も自社農場での生産を考えております。

1.放牧場の広さ出来る限り広い畑で放牧し、最低でも生後6ヶ月以上1,000㎡当たり5頭以下とする。2.エコフィード出来る限り自家製や地域の農産物を飼料とする。リサイクルできる飼料を使用する場合は、原材料の判明しないもの、種々混合されている小売店の弁当の残りなど、生産履歴に疑義が生じるものは使用しない。3.衛生的環境の整備病害虫蔓延防止、異物誤植防止のため牧場内は常に清潔に保つ。4.逃走防止近隣の畑作農家に迷惑をかけないよう、逃走(脱柵)しないよう2重、3重の逃走防止対策を行う。5.十勝型動物福祉ヨーロッパでは先進的に取り組まれている「動物福祉」を研究して「十勝型動物福祉」を確立する。

北海道ホープランドでは、十勝の広い大地の中で充分な水と、低農薬、減化学肥料で栽培した牧草や馬鈴薯、南瓜、野菜など、主に地元産農産物を充分に食べさせて伸び伸びと育てる安心安全な美味しい豚肉の供給基地を目指し、かつ厳しい冬の寒さの中でも元気に飛び跳ねて育つたくましい「十勝放牧豚」のブランドを目指しています。

蝦夷豚は約7割が東京のレストランに販売され、3割が地元販売されています。放牧されている豚はいつも動き回っているので肉質が硬いのでは?と思われがちですが、そうではなく脂身は真っ白で、脂っぽくないのに甘みがあり、なおかつ獣肉特有の臭みもないとレストランのシェフから高い評価を受けています。

今までにソーセージ、生ハム、ベーコンなどを実験的に製造しましたが、専門家からも「今まで食べたことがないおいしさ」と評価されました。特に大きな豚の後ろ足から作る生ハムは、製造までに1年半かかりますがとにかく絶品です。

現在、十勝管内の生産者と関係者が集い蝦夷豚を十勝の特産物にすべく、十勝放牧豚研究会が今年2月に発足し活動しています。研究会には大学や研究者自治体などが加入して基礎的な研究からお手伝いいただいています。また、肉質の向上のため

11:34 2014/04/30


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細川・小泉さんの・・・自然エネルギー推進会議・・・東日本大震災より3年に際し、細川護熙理事長のコメントを掲載します。東日本大震災より3年が経ちました。

引用

細川・小泉さんの・・・自然エネルギー推進会議の活動報告

http://janfre.com/action/

原発ゼロ・自然エネルギー推進会議

■自然エネルギー推進会議> 支援金ご協力のお願い

 

支援金ご協力のお願い

原発ゼロ・自然エネルギーの普及活動を積極的に推進し、原発による経済成長に変わる新しい価値観への転換を促していくため、細川護熙元首相が志を同じくする方々と「一般社団法人自然エネルギー推進会議」を立ち上げました。原発ゼロや自然エネルギーに関わるフィルムの上映会やシンポジウム・タウンミーティングなどを、全国各地で開催します。

・法人運営費

・会場設営費

・各種メディアによる啓蒙活動費

などに利用します。

 

自然エネルギー推進会議の今後の活動のための支援金をお願い申し上げます。

三井住友銀行 本店営業部 (普通)2820499

一般社団法人 自然エネルギー推進会議

※当法人は一般社団法人のため、寄付金控除の対象にはなりません。

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一般社団法人自然エネルギー推進会議.

7:48 2014/05/08

 

 

メッセージ代表理事メッセージご挨拶

 

政府は、先ごろ、エネルギー基本計画を閣議決定しましたが、事故に対する反省も教訓も全くなしに、原発を主要な電源のひとつとして、再稼働する方針を打ち出しました。

 

自民党は公約で「原子力に依存しない経済・社会構造をめざす」とうたっているし、安倍総理も国会で「原発への依存度は下げる」と言ったのですから、言っていることとやることと、大分話がちがうのではないでしょうか。再生可能エネルギーをいつまでにどれだけという目標もはっきりしません。一方で、事実上破たんしている核燃料サイクルは推進するといいます。

 

また、六ヶ所を竣工するということについては、核不拡散に逆行するということで、御承知のとおり米国から強い懸念が示されました。日本はすでにプルトニウム44トン、数千発の核兵器に相当するプルトニウムを保有しているのに、さらにまた再処理で新たな在庫が増えることになります。

 

官房長官は、原子力規制委の審査をクリアした原発について、総理が再稼働の是非について、改めて政治判断をすることはないと、無条件で再稼働を認める方針を明らかにしましたが、国民の7割が再稼働に反対しているのですから、それはやはり政治的な手続きとしていかがなものかと思います。

 

また、原発の輸出についても、最近原子力協定が成立しましたが、福島の事故の究明もなされておらず、汚染水の処理や核のゴミの問題もなに一つ解決していないに関わらず、なし崩し的にそのようなことを進めるというのはいかがなものでしょうか。経済の成長のためには原発も武器輸出もどんどんやるんだというのでは道義を重んじるまともな国とは言えません。

 

 

この会議の役割

 

さて私は、選挙期間中に、「勝っても負けても原発ゼロの闘いはこれからだ」と申し上げてまいりましたが、この度原発ゼロへの取組みと自然エネルギーの普及活動を積極的に推進し、原発に頼らない社会への転換を目指すため、志を同じくする方々と「一般社団法人 自然エネルギー推進会議」を立ち上げることといたしました。

 

この会のめざすところは、まず第一に、再稼働に反対し、原発から自然エネルギーに転換することによって今までとは質の違う豊かな国づくりをめざしていくものです。特に地方が元気になるように、地方での自然エネ事業のエンカレッジ・地域需要のサポートや原発に依存しない立地地域の応援などやるべきことはたくさんあります。

 

 

私たちの目指す社会

 

原発はリスクのあるコストの高いエネルギーだということで、ヨーロッパでは、自然エネの割合が年とともに高まっていますが、かつて、排ガス規制が自動車産業の技術革新と雇用の創出をもたらしたように、原発ゼロになっているいまこそ、ピンチをチャンスに変えていく絶好の機会だと思うし、そういう確信をもって、この自然エネ推進会議の活動を推し進めていきたいと思います。その夢ある目標に向かって、一緒に力を合わせていこではありませんか。

7:42 2014/05/08

細川・小泉コンビが欲しがる小沢一郎の地方選「必勝データ」2014年5月2日 掲載・・安倍自民を地方から切り崩し/(C)日刊ゲンダイ 細川護煕・小泉純一郎の元首相コンビが進める「社団法人・自然エネルギー推進会議」が、GW明けの7日に発足する。当日はフォーラムの形で細川と小泉が挨拶するほか、発起人に名を連ねる著名人のパネルディスカッションが予定されている。その後は全国で“脱原発”のタウンミーティングを企画しているというが、注目されるのは何と言っても「選挙」だ。

 

「地方選挙や国政選挙で独自候補や野党などと連携した統一候補を立てて勝利し、それをきっかけに野党を再編して安倍自民に対抗する勢力をつくっていくのが最大の目標です」(細川周辺)

 

まず手始めに取りかかるのが11月の福島県知事選。福島第1原発のお膝元だけに、原発政策を巡って全国注視の選挙となる。ここに推進会議として候補を擁立する計画で、すでに情報収集に入っているという。

 

来年4月の統一地方選でも、知事や市町村長らの首長選挙で独自か統一候補の擁立を図るが、その勝利のウルトラCが小沢一郎生活の党代表との連携だ。

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安倍自民を地方から切り崩し/(C)日刊ゲンダイ「細川さんは小沢ブレーンの平野貞夫元参議院議員とずっと連絡を取り合ってきた。推進会議ができたら、小沢さんと会って選挙の話をしようと日程を調整しています」(前出の細川周辺)

■情勢や人間関係もすべて把握

生活の党は「原発ゼロ」だから連携は自然だが、なぜ小沢なのかには、別の理由があるらしい。

「前回の統一選の準備が始まった4年前は、小沢さんは民主党幹事長だったので、全国の首長選挙の細かな情勢や人間関係などをすべて把握しているのです。“小沢選挙”では、独自の世論調査などで選挙の膨大なデータを集めても、やたら公表するのではなく必要な人にだけ見せて<数字がこうだからもっと頑張れ>とやる。表に出していないから誰もそんなデータがあることすら知らないが、今もそのデータを手元に持っている。それで、細川・小泉コンビが選挙を制するため、小沢さんと連携したいということです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

小沢も最近会った「生活」の議員に、「今年中に必ず大きな動きがある。自分は何でもやる」と話したという。“一強”と浮かれている間に、安倍自民は地方から崩されることになる。

15:48 2014/05/03

東日本大震災より3年に際し、細川護熙理事長のコメントを掲載します。東日本大震災より3年が経ちました。

改めまして、先の震災でお亡くなりになられた方々に対して、ご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

先の震災を契機に、私の使命として取り組み始めた活動の一つが、東日本沿岸部で将来またやって来るであろう津波に対して、自然の森の力を利用してその勢いを和らげ、未来の命を守る森の防潮堤を作る「森の長城プロジェクト」です。

このプロジェクトは、横浜国立大学の宮脇昭名誉教授の構想に賛同して、一昨年の7月に財団法人を民間として設立したものです。昨年までに東日本沿岸数か所で、約6万本の常緑広葉樹の苗木を、ボランティア約8,900名にお集まり戴き植樹しました。今年も宮城県岩沼市などで植樹祭が予定され、いくつかの市町村からも平成27年度頃までに沿岸部への植樹をしたいという協力の要請を戴いており、点と点が線に繋がるよう鋭意努力を続けているところです。

設立当時の精神から、瓦礫と土を混ぜた盛土をし、その上に苗木を植えるという方法で、これまで鎮魂と未来への希望の思いを込めて植樹して参りました。これからも瓦礫がある限り、貴重な資源として盛土に活用して参りますが、瓦礫はこの3月で岩手・宮城両県では一定の処理目処がつくと報道されております。しかしながら、瓦礫がなくとも常緑広葉樹の根は、盛土に深く張ることも実証されているところですので、植樹活動は引き続き進めて参りたいと考えております。

この活動を始めた動機は、現在も東日本沿岸に築かれ、今後も進むとされる国土交通省の巨大なコンクリート防潮堤建設計画が、震災から1年も経たない頃に発表されたことでした。景観が損なわれ、漁業をはじめ観光などの産業にも多大な損失を与えるであろうこの計画は、メンテナンスコストも考慮すると、少子化を迎える我が国において子孫に多大な負担を強いるものです。もちろん港湾などコンクリートが必要な場所もあるでしょう。しかし、自然との共生・循環を考慮した際に、巨大なコンクリートの壁で固めてしまったのでは、あまりにも知恵がないことです。

その代替案として提案しているのが、この「森の長城プロジェクト」であり、折衷案として、海側にコンクリート、山側を森で造成した防潮堤も提案して参りました。その結果、国土交通省では、昨年末の国会で、初めて海岸予算の中に緑の防潮堤についての予算を認めることになりました。国土交通省によれば、海岸の防潮堤は高さ・形状含めて、どのような形にするかは、地元が決めることであり、その合意のもと予算を充てるものとのことです。今回はその選択肢の中に「樹を植えるという予算」も盛り込まれたとのことですので、地元の方々には、ぜひ各々の地形に応じて、防潮堤をいかにするべきかを再検討して、適宜適所に進めて戴きたいところです。

このようなことは、本来国がやるべき仕事だと感じておりますが、何分今までになかった公共事業のため、先ずは民間でそのシステム作りから始めなくてはならなかったことが、このプロジェクトが拡大しにくい原因の一つです。国に対しては、当時の野田首相に掛け合い、いち早く予算化したのが、林野庁の「みどりのきずな再生プロジェクト」です。この計画は松と広葉樹の混交林で海岸線の国有林を再生するものでしたが、現場で造成されているのは、なぜか松さえも枯れてしまうような山砂の盛土です。もちろん広葉樹もこの盛土では育たないため、当財団ではこれまで独自で土壌改良をして植樹を進めましたが、これでは全国の皆様から戴いた浄財だけでは続きません。松は海岸に適した植物であるため、海から見て最前線に植えることは良いのですが、その後ろに広葉樹が植えられるように土壌整備をして戴けるよう国に折衝を続けています。

このように、海岸線は国土交通省や林野庁、県・市有地、私有地など、様々に地権者が分かれているため、各々に事情が異なります。国は被災した土地をどのように再生するかは、地元の合意のもと進めると言いますが、地元は各々の地権者と交渉するだけでも疲弊し、国や県の示す基準に則ることが合意形成というのが精一杯という現実です。住民の意識も先ずは生活を再建することが最優先であり、理想的な海岸整備をはじめ土地の利用ということまでは、次の課題というところが大半のように思えます。

津波が来た土地をどのように再生させるかということに、一石を投じたのが「森の長城プロジェクト」です。本来は地権者の枠を越えて、津波が来た土地を特区化して進めるのが復興計画のはずです。しかし、そのコンセンサスを取るために出来た復興庁も、どのように機能しているのか、周囲には伝わってきません。一気には変われないこの国のシステムを、今こそ問題意識を持って変えるのは、我々国民ではないでしょうか。

東日本大震災を経験した我々が、この「森の長城プロジェクト」という知恵を、どこまで子孫のために残すことができるのか。この2、3年がその方向性を形付ける大事な時期のように思います。

未来への希望のために、多くの皆様の「森の長城プロジェクト」に対する厚いご支援ご協力をお願い申し上げます。

平成26年3月11日

 

 

公益財団法人瓦礫を活かす森の長城プロジェクト

理事長 細川 護熙

10:15 2014/04/30

 

 

森の防潮堤づくりに意欲を燃やす市長にインタビュー①

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使命としての「千年希望の丘」 宮城県・岩沼市長 井口経明氏

インタビュー:平成26年2月

 

―震災から3年経過し、復興の現況を教えてください。

―3年経ちましたが、まだ仮設住宅に住んでいる住民の皆様が多くいます。集団移転は全国に先駆けて着工し、おかげさまで用地の引き渡しも進み、災害公営住宅も来年度には入居が始まる予定で、まず住まいについては一歩前進です。次に生業ですが、農業については、一日でも早く田植えができるようにと、除塩とともに農機具も国の支援を受けて提供し、ライスセンターも完成しました。今年からは被災した多くの土地で田植えや稲刈りができるものと思います。また、これは国全体の課題でもありますが、これまでの農業は個人個人が農地をもって農業を営み、後継者に悩み、自分の農地が耕作放棄地になってしまうことがありました。現在は、小さい田圃よりも大きい方が効率的だということで大区画化した県営圃場整備に取り組んでおります。それに加えて農業生産法人化も進め、農業については一定の方向性を示せるところまできました。また、集団移転についても、これから代々移転先の玉浦西地区に住んでもらうために、福祉、教育など整えるものもたくさんありますが、まずは雇用の場の確保ということで「健幸サイエンスパーク」という健康や医療に関連する産業を中心に、臨空計画にある国際物流の企業を誘致する新たな展開を考えています。そして肝心の町全体の防災についてですが、国、県、市がそれぞれ分担する中で、市が担当するかさ上げ道路について被災地で最も速く着工することができました。避難路とあわせて、できるだけ早く完成したいと思っています。また同時に、「森の長城プロジェクト」に、植樹支援を受けて進めている「千年希望の丘」構想は、現在2号基を造成しております。引き続き着実に進めていきたいと思います。

 

 

―森づくりによる減災を取り組むようになったきっかけを教えて下さい。

 

―二度と今回のような被害を出さないまちづくりというのが誰しもの願いです。震災後、学者や専門家の助言もいただきながら復興計画をまとめてきました。日本三景の一つ松島では多くの島々があるために比較的津波の被害が少なかったといわれています。また、岩沼海浜緑地では築山に登って助かった人達がいました。これらを参考に、丘を作りいざという時の避難場所にしようと考えました。実は丘だけでは、50~80基作らなくては津波の威力を削ぐことはできませんが、これには多額の経費がかかり難しい。少ない丘で減災効果を発揮することを考えていた時に、宮脇昭先生とお会いする機会があり、「森の防潮堤」というお考えを聞かせていただきました。丘と森の防潮堤という考え方を合わせることによって本当に意味のあるものになると思いました。そして、丘の造成にはコスト削減も考慮し、災害廃棄物等を資源としてそのまま活用しようと考えましたが、国から認めてもらえませんでした。またこの丘に上ると、太平洋が見渡せ、振り向けば蔵王がみえます。仙台空港の近くでもあるので、メモリアルパークとして活用していこうと考えました。被災当初、岩沼はほとんど報道されませんでしたので、報道の格差が支援の格差につながりました。残念ですけど、マスコミの報道の多いところに、人やモノ、お金が集まりました。多少のジレンマもありましたが、先駆的な復興を早く進めればマスコミは報道してくれると思い取り組んできました。「千年希望の丘」を多くのメディアで取り上げていただいたおかげで岩沼も頑張っていること、皆さん方の力を必要としていることを全国に発信することができ、非常にありがたいことだと思っています。

 

 

―森づくりによる減災を進める上で、障害になっていることを教えて下さい。

 

―まず一つは、植樹において、基本的な部分を森の長城プロジェクトにお願いをしています。プロジェクトの目標は岩手県から福島県まで作るということですので、岩沼だけにそんなに支援できないという日が来るのではと不安もあります。是非ある程度の長さの森林ができるまで支援をしていただきたいと思います。また、丘の造成については復興交付金で賄っており、最終的には丘を15基計画しています。そのうちの一基は全国からの寄付により完成しており、2基は岩沼海浜緑地の築山を活用し、6基は復興交付金で認められました。しかし残りの6基については、認められるのはせいぜい3基であろうと言われています。我々としては15基を造りその間を森の防潮堤でしっかり整備してこそ、いずれ朽ち果てるであろうコンクリートの防潮堤に代わって人々の命も、暮らしも、財産も十分守れると考えています。国の交付金で目途が立っていない状況下にもあります。これ以上、丘の造成に民間のお金を使う訳にはいかないものと思っています。場合によっては社会資本整備総合交付金など別の形で進めるかもしれませんが、他の補助金は、復興交付金と違い補助率が低いため、市として財政的に耐えられるのかと懸念します。また、「岩沼だけ進むと困る」と考えている、ごく一部のお役人や政治家が残念ながらいて、苦慮しています。課題は、残りの丘をつくる財源の確保と、国に正しく理解してもらいたいという点です。国土交通省では今までコンクリートの防潮堤だけを整備していたのが、宮脇先生の指導を受け、岩沼の防潮堤の一部で実証実験として木を植えたりしてます。また林野庁でも、今まで松一辺倒でやってきましたが広葉樹との混交林をこちらも宮脇先生の指導のもと海岸で実証実験をやっています。これが活きれば、日本のこれからの防災観点が変わってくると思います。千年希望の丘は、学者の皆様や外国から視察にきた方々から高く評価されています。

 

 

―森の防潮堤づくりにかける思いを聞かせてください。

 

―我々としては未来永劫にという意味合いで「千年先までも」と表現しています。今回の震災のように、明日どうなるか分からない状況では、希望をもって生きることが大切です。孫、子の代までしっかりした岩沼のまちをつくっていきたい。その象徴として「千年希望の丘」という名前にしています。命を守る森の防潮堤や丘は、100年200年先にコンクリートの防潮堤や、避難タワーが朽ちた時に力を発揮すると思います。21世紀に生きた人々の知恵の遺産として後世の人々が評価してくれるのではないかと思っています。大風呂敷かもしれませんが、全国の皆さんのご支援をいただいていますので、その思いをしっかりと繋いで、一日でも早く完成したいと思っています。多くの皆様に引き続きご協力いただきたいと思います。

平成25年6月9日 宮城県岩沼市 千年希望の丘1号植樹祭の様子はこちら

http://greatforestwall.com/event/event_list/p144.html

10:19 2014/04/30

ふるさと納税制度は好きな都市を応援できるようにしたサポート制度です

 

~ふるさと納税のご案内~

 

■■岩沼市

貞山運河 私たちの岩沼市は、国道4号・6号の結節点であるとともに、JR東北本線と常磐線の合流点、国際空港「仙台空港」が所在するなど、陸・空路における交通の要衝としての性格を持ち、西行法師、「奥の細道」の松尾芭蕉、「街道をゆく」の司馬遼太郎に代表される旅の達人など、今も昔も多くの人が行き交い、「門前町」、「宿場町」として栄えてきました。

その後、「臨空工業地帯」の一角として立地的優位性から大小の企業が進出し、工業都市の性格も加わり、商工業都市として発展してきしました。

また、日本三稲荷の一つに数えられる「竹駒神社」や、伊達政宗公が築いた運河としては日本一の長さを誇る「貞山運河」、仙台藩から3万石を分地され岩沼藩主を務めた田村宗良などが城主となった「鵜ヶ崎城址」、「後選和歌集」にもあるように多くの歌人に詠まれた名木「二木の松」などの歴史的名所も数多く存在し、昔の面影を今に、そして次世代に引き継ぐ一面も備えています。

 

 

 

 

 

■■岩沼市の取組みについて

本市では、市民一人ひとりが夢を持ち、「健やか」で「幸せ」に暮らすことが実感できる「健幸」先進都市を目指し、『ずっと住み続けたい!!しあわせブランド“健幸”プロジェクト』を策定しております。

また、他の自治体に先駆けて行っている各種教育指導助手の配置や学校の創意工夫による総合学習への支援、絵本に出会うきっかけをつくるための『親子ふれあい絵本事業』、『市民提案事業』による市民との協働によるまちづくりなど、様々な分野で岩沼ならではの施策を打ち出し、生涯健康で働き、遊び、学ぶことに喜びを感じることができるまちの実現に力を注いでいます。

 

■■健幸プロジェクト概要

以下の4本の柱をもとに事業を実施しています。詳しくは下記リンク先をご参照ください。

Ⅰ しぜんの健幸・・・みんなの健康拠点づくり事業

Ⅱ からだの健幸・・・もっとよくばる健康増進事業

Ⅲ こころの健幸・・・市を支える力の市民健幸大学事業

Ⅳ まちの健幸・・・・歴史を伝える歴史資産の活用事業

10:46 2014/04/30

http://kakeagare.jp/

 

http://www.city.iwanuma.miyagi.jp/

新ロコ_s.pngいのちと地域を守る津波防災アクション

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「カケアガレ! 日本」は、東日本大震災の被災地・東北発の新しい津波避難プロジェクトです。

2014年2月16日実施

Case01 津波避難のための、防災・減災シンポジウム

「カケアガレ!日本」では、宮城県岩沼市・山元町での避難訓練を通して得られた知見をもとに「津波避難のための、防災・減災シンポジウム」を開催しました。当日は、被災地に暮らす住民の方を始め多くの参加者を迎え、地域や人にあわせたこれからの津波避難のあり方について具体的な実例をご紹介いただきました。後半では、実例をご報告いただいた各関係者の方が参加してパネルディスカッションを実施。シンポジウムの参加者からは防災に関する積極的な質問が出るなど、本取り組みへの関心の高さが伺えました。

最初にシンポジウムの開会にあわせて、根本復興大臣によるご挨拶がありました。被災地ではインフラや住宅の整備が進む中、官主導から民主導の復興へとフェーズが図られつつあること、またその中で、地域の実情にあわせた避難訓練を実施する「カケアガレ!日本」の取組みを東北から世界に発信し、ひとつのモデルケースとして欲しいという期待の言葉が寄せられました。

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続いて東北大学災害科学国際研究所の平川所長の言葉。「江戸時代からの歴史資料のデータを取っていくと、宮城県沖の同じような震源地から平均で38年間隔で規模の大きな地震が起こっていることが分かっています。津波に関しては、1611年に慶長奥州地震津波という大きな災害以来、大小はあれど計8回宮城県を襲っています。つまり宮城県において、歴史上かなりの頻度で災害は起きており、普段からどう災害に備えていくかが大切になると考えています。今回の震災を受けて国交省の調査によると、あの大きな揺れを体感した上で「津波が来ないと思った」「ほとんど考えなかった」という方が、5~6割にのぼるというデータが出ました。これは、調査対象の方のそれぞれの過去の体験から、大津波警報が出ても大きな津波が来なかったから今回も大丈夫、という判断からきていると予想されます。今回「カケアガレ!日本」の取組みとしては、地震が起きたらとにかく高いところに逃げましょう、という行動を起こしていただくこと、そして避難する文化を育て普及させていくこと、それが非常に大切だと感じております。」

各自治体や東北大学、避難行動要支援者への取り組みを行う企業からの報告では、それぞれの立場の違いや町の特性にあわせた防災・減災活動について発表いただきました。

 

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報告①、株式会社ミライロの民野さんによる「避難行動要支援者の津波避難誘導」について。「私たちは、震災における要支援者(障害のある方、高齢者の方、移動弱者・情報弱者など)との向き合い方について考えております。今国内で暮らす要支援者の方々は、高齢者では3,101万人で人口の約24%。障害のある方で言えば788万人で人口の約6%。また、ベビーカーを押すお母さんなど3歳未満の子供を抱えている方は約315万人いて、すべて合わせると約3分の1もの方々が、震災が起きた時に早急な避難に困ることが予想されます。私たちの取り組みとしては、被災地でのヒアリングなどを通して避難行動要支援者の震災時の課題を調べ、その対応について考えていきながら誘導避難プログラムを作成しております。そして、例えば気仙沼市では住民の方が防災訓練などに参加し、実際に車いすに乗っていただいたりなど、障害のある方などへの接し方を周りの方に知っていただくための活動を行っております。」

 

 

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 報告②、東北大学災害科学国際研究所の安部先生による「車を使った津波避難」について。「まず大前提として、「カケアガレ!日本」としては車避難を推進しているわけではありません。東日本大震災でも地震発生後に車避難にトライされた結果、多くの方が逃げ遅れて車の中で命を落とされているという実情があります。それでも車避難をしないと逃げ切ることが難しい、例えば高台が遠いですとか、高齢者の方や障害者の方のように自力で遠くの避難場所に行けない方も多くいらっしゃいます。そういった方の命を守る手段として車避難をより効果的に考えていく一例として、宮城県山元町で実施した車を使った避難訓練をご報告します。当日は、山元町の浜通りの平野部から少し高い丘の上の地域まで車で多くの方が避難するといったことにトライしていただいています。あわせて、例えばダンプトラックのような復興事業の工事関係の方にも参加いただいたことが大きな特徴です。結果、渋滞が起きてしまって、シミュレーション上津波避難が間に合わなかった方がいるなど、避難ルートや手法の見直しが必要になりました。このように、地域、町の形によって避難できる車の数には恐らく限界があります。そういったことを検証していきながら、今後も車避難について探っていきたいと考えております。」

 

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 報告③、岩手県釜石市防災危機管理課の猪又さんによる「津波避難における釜石市の取組み」について。「釜石では、これまで過去に大きな津波を体験してきました。そのたびにハード、トフト面と両方の対策を講じてきました。今回の震災に関しても想定はしておりましたが、想定した以上の規模の津波が起こり多くの建物・人的被害を出してしまいました。今後の防災対策として、東日本大震災の時も防災行政無線は作動していましたが、切迫性、あるいは状況説明が不足していたのではないか、また伝達手段の多様化が必要ではないか、と考えています。まず大前提に揺れたらまず避難。これを徹底させるため、切迫性を持った非難を呼びかけることを防災無線で見直しています。次に防災教育という点では、これまで釜石では小中学校の子供たちを対象に津波避難訓練を行ってきました。その教育は具体的なもので、地震発生から何分以内に決められた避難場所に行こう、ということを設定してやっていました。その結果、子供たちが助かっただけでなく、子供たちが周りの大人を巻き込んで避難を促したため、これまでの防災教育が役立ったと考えています。今後は、各学校で子供たちで防災マップを作るなど、より実践的な防災教育が進んでいます。そして、その子供たちが大人になっても、地震が起きたらまず避難、という行動を起こせるような人材になってほしいと考えております。」

 

 

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 報告④、南三陸町立歌津中学校の及川先生による「歌津中学校における避難所運営訓練」について。「歌津中学校では、防災学習の一環として避難所運営訓練を中心とした防災訓練を行っています。具体的には、津波避難訓練後に自分たちの歌津中学校の体育館が仮想の避難所となり、自分たちで役割を見つけて協力して避難所の運営にあたる実践的な訓練活動です。例えば、生徒の誰かがリーダーとなって運営本部を設置し情報を集約する機能を作る、避難者を地区ごとにまとめ名前を書いて連絡ボードを作る、具合が悪くなった方やケガをした方の救護にあたるなどです。これらの疾病者などの役割はあらかじめ本校PTAの方々にお願いしてありますので、生徒は消防署員の方々の指示の下に、事前に訓練していた技能などを活かして対応していくことになります。このように避難所運営訓練というのは、大人の避難訓練に子供が参加するものではありません。生徒が30年後、大人になったという事を想定して生徒が主体となって行うもので、教員や大人たちは極力本番当日の指導は行っておりません。そのため子供たちはいろいろな場面で判断ミスや失敗をしますが、それを想定したうえでの訓練です。」

 

 

 

シンホウム追加写真.png各先生方の報告が終わった後、休憩をはさんでパネルディスカッションを行いました。東北大学災害科学国際研究所の今村副所長の司会により、3つのテーマで話し合いが行われました。「地域の特性や、学校特性、企業の特性が、津波避難訓練やそれに準じた活動に対して、どう影響して活かされているか?」というテーマでは、歌津中学校の及川先生は、防災教育協力者会議などが開かれ、地域の人々が学校に対してとても協力的であることを挙げました。学校から子供たちに防災の意識を植えつけることで、今度は子供から家庭へ、そして地域へと発信できるという仕組みができていると話します。このように、さまざまなテーマで各地域が抱える課題や事例を取り上げることで、「カケアガレ!日本」ではその他の自治体の活動に応用したり参考にしたりできると考えています。

◆実施概要

 (1)日時:2014年2月16日(日)13:00~16:00

(2)場所:KKRホテル仙台 2F蔵王

 (3)実施内容

13:00~ご挨拶(復興大臣 福島原発事故再生総括担当:根本 匠)

 基調講演「避難することが命を守る」(東北大学災害科学国際研究所 所長:平川 新)

カケアガレ!日本の取組み紹介(河北新報社)

13:40~ 報告①「避難行動要支援者の津波避難誘導」(株式会社ミライロ 副社長:民野 剛郎)

 報告②「車を使った津波避難」(東北大学災害科学国際研究所 助手:安部 祥)

 報告③「津波避難における釜石市の取組み」(岩手県釜石市 防災危機管理課 防災係長:猪又 博史)

 報告④「歌津中学校における避難所運営訓練」(南三陸町立歌津中学校 主幹教諭:及川 敦)

14:55~パネルディスカッション「地域特性に応じた津波避難、その課題と対策」

<コーディネーター>東北大学災害科学国際研究所 副所長:今村 文彦

<パネリスト>

南三陸町立歌津中学校 主幹教諭:及川 敦

 株式会社ミライロ 副社長:民野 剛郎

 東北大学災害科学国際研究所 助手:安部 祥

 岩手県釜石市 防災危機管理課 防災係長:猪又 博史

16:00

閉会挨拶「カケアガレ! 日本」とは?

 

「カケアガレ!日本」とは?の紹介を動画で見ることができます。

Case02「宮城県山元町」の場合

 

2013年8月31日、宮城県山元町で行われた模様を、動画で見ることができます。

Case01「宮城県岩沼市」の場合

 

2012年9月1日、宮城県岩沼市で行われた模様を、動画で見ることができます。

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Copyright 「カケアガレ! 日本」 All Rights Reserved.

10:49 2014/04/30

 

森の防潮堤づくりに意欲を燃やす市長にインタビュー②

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津波と原発事故の教訓から 福島県・南相馬市長 桜井勝延氏

 

インタビュー:平成26年2月

―震災から3年経過し、復興の現況を教えてください。

 

―3月11日の津波で636人が亡くなって、その後3月12日の原発事故によって447人の震災関連死が出て、結局1083人の方が亡くなった。あの頃は、震災に加えて原発事故の避難ということで一時期は市内の各避難所に人があふれており、同時に原発事故で市外に避難した人が6万人を超えました。その状況から、今現在は市民で住民基本台帳登録のある方が市内に4万9千人くらい、その他の市内に住んでいる方を合わせると5万2千人を超えてきているので、数だけで言えば7割近くの方々が戻っている。ただ現実的にみると原発から20km圏内の避難指示区域を抱えていて、そこには1万3千人の住民がいたわけです。その方たちを含め、市外に避難したり転居したりした方が2万1千人を超えているような状況なので、まだまだ深刻な問題だし、その中でも特に市外へ出て行った方たちの80%以上が50代以下の世代なので、復興には多くの方たちの力が必要ですが、あらゆる分野で人手不足がおこっていて、市内の有効求人倍率が3倍を超えているという状況です。とにかく復興に向けて人手が必要です。経済的には8割近くが復旧していますが、20km圏内の経済活動というのはまだまだなので、ここが我々にとって一番の課題です。今年1年、復旧だけではなくて、20km圏内の国直轄の除染であったり、災害瓦礫の処理であったりするところのインフラ整備というものが、とりわけ重要な位置を占めるような状況です。

―森づくりによる減災を取り組むようになったきっかけを教え下さい。

 

―あの大津波で、一時期に2500人も行方不明となって、連絡が取れない人たちだらけという状況から、一人ひとりの遺体を拾い上げて、遺体を安置する中で、彼らが無駄死にしたんじゃないんだということを皆に示したかった。そして、流された家屋が瓦礫といってゴミ扱いされるのに対して、私も海岸に近い住民だし、私を支えてくれた仲間たちがまだ見つかっていないので、ゴミとして扱われることに非常に抵抗があった。私としては毎日彼らを探し続けてきたというのがあるし、彼らが仮に亡くなったとしても、無駄死にはさせたくない。だから彼らの生活実態を再生するというのかな、それが私の仕事だと思った。簡単に言えば、彼らの流出した家屋も命の再生する基礎になるんじゃないかと、流出した家屋と彼らの亡くなった魂が宿っているような土を混ぜて、もう一度森を作れば、彼らの家族や知人、地域の人たちを見守ったりすることにつながると思っていたところに細川さんや宮脇先生のプロジェクトを知り、同じような思いの人たちがいた。国にそういうことを申し上げてきたけれども、環境省、農水省、国交省など、思いに任せないハードルがあることに抵抗感を感じました。確かに国による再建ということは必要かもしれないけれども、地元の意思で、地元のやりやすいような形でやるのが当たり前なんじゃないかと、環境省などに交渉してきました。ただ、霞が関の人たちの頭があまりにも固いというか、現場を知らないというか、その実態に怒りを覚えます。

 

 

―森づくりによる減災を進める上で、障害になっていることを教えて下さい。

 

―意外ですが、国交省は資材不足もあって、我々が災害瓦礫を資材として使うことに理解を示してきているのかと思うんですが、環境省はコンクリート瓦礫はいいけど解体家屋の柱などの木材は使ってはいけないと、焼却処理に回してしまうのが是なんだという考え方から抜け切れていない。今はとにかく原発事故もあって、あれだけ膨大な災害瓦礫が出たこともあり、焼却処理に回してしまうことが是なんだという考え方から抜け切れていない。今はとにかく原発事故もあって、あれだけ膨大な災害瓦礫が出たこともあり、燃やしてしまうことが是なんだという。しかし、焼却するということは、住民にとっては原発事故による放射能問題もあるので、非常に抵抗感があるわけです。その時に、災害瓦礫をつかって森の防潮堤をつくるということは本当に理に適っている。そして一番コストが安いし、現場で処理できる問題だから簡単なんですけどね。結局福島の場合、燃やしてしまえば焼却灰の中にセシウムが濃縮されるという問題が出てきます。それも福島の住民にとっては負荷がかかることになります。我々としてはできるだけやさしい処理や再生の仕方をしたいと思っています。また福島県としては防潮堤の背後に防潮林をつくることには反対しておりませんが、防潮林の基礎に盛土をすることに対しては市が独自に行うようにとの考えです。200mの林帯幅をつくれば大丈夫だと林野庁、福島県は向こうは言っていますが、南相馬には高さ21mの津波がきているので、松林のはるか上を津波が襲った訳です。松林がいくら長くても、200mでとどまるわけがない。私の家は海岸から2.5kmのところにありますが、津波はきている。福島県はなぜ非現実的なことを言っているのかという思いがあります。少なくとも高盛土をして植樹することで、波の勢いを防ぐことができるし、引き波で持っていかれるものを守ることができる。だから、国や福島県の人たちにももっと現場感覚になってもらいたいというのが私の願いです。

 

 

―森の防潮堤づくりにかける思いを聞かせてください。

 

―先ほども申し上げましたが、亡くなった方たちの命を再生するという事がなによりも重要で、その再生にこういう資材を活用して、植樹することが有用なことなんだと私は確信しています。ただ、それをまだまだ分からない、分かろうとしない人たちが自治体というか公共団体、県、国の中にもいるのが事実なので、もっと住民サイドで、コストもかからずに、当たり前にできることをなぜやらせないんだというのが私の思いです。命を失くして豊かになってどうするのか、もっと人間如何に生きていくべきか、地球とともに生きているわけだから。地球がどのようにしてできたのか、宇宙の中でどれだけ稀有な存在としての地球なのかということを、もうちょっと考えないと、人間が生まれたことが地球にとって悪であるかのように映るように突っ走ったところで、それは全ての命をダメにしていくだけです。もっと人間が謙虚に、つつましく、素直に生きる生き方が必要なんだと思います。震災というのはきっとそういうことを問いかけているのだと思います。私一人が脱原発を言うような問題でなくて、いかに生きるかという中で震災と原発事故が起こって、原発事故というのは人の心まで破壊する問題ですから、エネルギーだけの問題ではない。だから、福島の問題を教訓として、もう原発とはサヨナラだと、エネルギー政策だけの問題にせずに、つまり生き方を変えるきっかけになってほしい。使用済み燃料の問題について目をつむったまま原発を再稼働させようとしている。自然の中で人間が生されているという感覚だとか、宇宙の中で地球が稀な天体であるということだとか、そういうことを見つめる視点が無くなってしまっているんだと思います。私は大それたことを言いたいのではなくて、私の大学の先輩としての宮沢賢治という人は宇宙観を持って地に着いていた人間だと思うし、自分の弱さというものをしっかり見つめていた。人間はやっぱり弱さから出発すべきだと思います。

10:20 2014/04/30

 

 


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2014年4月24日 (木)

ED1000のしくみ ESWTの技術はもともと、尿路結石の破砕治療に利用されていました。体の外側から衝撃波を与えることで、メスを入れることなく患部へアプローチできることから、低侵襲治療として期待されていたのです。

いんよう


http://www.kamikatsu.jp/

セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) [単行本]坂爪 真吾 (著) ニッポンの性と生を変える!

 

東京大学文学部在学中に、上野千鶴子ゼミに所属した著者・坂爪真吾氏は、新宿・歌舞伎町などで性風俗産業に関わる人々を取材。関わった人すべてを不幸にする風俗業界の惨状と問題点を明らかにした研究論文「機械仕掛けの『歌舞伎町の女王』」を発表した。

大学を卒業後、誰もが安全な性サービスを受けられるインフラ作り――新しい「性の公共」を求めて、障害者への射精介助を行なう非営利組織「ホワイトハンズ」を起業する。物議を醸した「処女童貞卒業合宿」などをめぐって警察や行政と激しいバトルを繰り広げながら、それでもなお精力的に活動を続ける理由とは何か――。

現在、全国18都道府県でケアサービスを提供している1981年生まれの著者が、その尋常ならざる情熱を初めて綴った奮闘記。

 

【編集担当からのおすすめ情報】

著者の坂爪真吾氏は、自らの結婚もまた「尋常ならざる情熱」で成し遂げています。今の奥様と出会って2週間で結婚を決め、なんと2か月後に入籍した「マッハ婚」です。

それを可能にした、驚愕の「パートナー募集要項」作戦とは? 本書に詳しく書かれていますので、是非ご覧ください。

内容(「BOOK」データベースより)

東京大学在学中に、上野千鶴子ゼミに所属した著者は、性風俗産業に関わる人々を取材し、その問題点に気づく。大学を卒業後、誰もが安全な性サービスを受けられるインフラ作り―新しい「性の公共」を求めて、障害者への射精介助を行なう非営利組織「ホワイトハンズ」を起業する。物議を醸した「処女童貞卒業合宿」などをめぐって警察や行政と激しいバトルを繰り広げながら、それでもなお精力的に活動を続ける理由とは―。その尋常ならざる情熱を初めて綴る奮闘記。

単行本: 222ページ出版社: 小学館 (2012/6/1)発売日: 2012/6/1

 

目次

序章 私がセックス・ヘルパーです

第1章 東京大学での「性風俗研究」から分かったこと

第2章 射精介助、始めました

第3章 新しい「性の公共」を作る

第4章 あなたのセックスが社会を変える

終章 セックスを「社会の光」にするために

パイオニアとしての行動力には敬服するがホワイトハンズにNPO法人格取得を許可しない行政、童貞&処女卒業合宿を許可しない警察、とのリアルな奮闘は特に読み応えがあります。

行政、警察のみならず、世間からの相当なバッシングにもへこたれることなく、

理想を掲げ、パイオニアとして活動する著者には敬服します。

一方で、内容に関しては批判、疑問も残ります。

私は介護業界(ホームヘルパー2級保有)も風俗業界(著書二冊)も明るいですが、その観点からも意見を述べてみたいと思います。

1)社会学のフィールドワークの成果はどこまで反映されているのか

著者は東大で社会学を専攻しており、在学中に行った性風俗研究が、

5つ星のうち 2.0  熱意は素晴らしいかと

熱意や行動力は素晴らしいと感じる。

 

が、「成人合宿」を批判した人を、「自分もそのように行動したいのに、出来ないから批判するのだ」というような、有りがちな理由で一くくりにしているのには冷めた。全体的に1方向からの意見という印象。

問題提起には良い本だと思われる。

5つ星のうち 4.0  パイオニアとしての行動力には敬服するが, 2012/8/14

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

ホワイトハンズにNPO法人格取得を許可しない行政、童貞&処女卒業合宿を許可しない警察、とのリアルな奮闘は特に読み応えがあります。行政、警察のみならず、世間からの相当なバッシングにもへこたれることなく、理想を掲げ、パイオニアとして活動する著者には敬服します。

一方で、内容に関しては批判、疑問も残ります。私は介護業界(ホームヘルパー2級保有)も風俗業界(著書二冊)も明るいですが、その観点からも意見を述べてみたいと思います。

1)社会学のフィールドワークの成果はどこまで反映されているのか著者は東大で社会学を専攻しており、在学中に行った性風俗研究が、ホワイトハンズを始めるきっかけになったと述べています。障害者はどんな性的介助を求めているのか、ホワイトハンズの提供するサービスに対してどれだけ満足していて、今後どのようなサービスが求められているのか。

著者のバックグラウンドからすれば、フィールドワーク、インタビュー、アンケートなどを通じて、障害者の生の声を数多く収集していることでしょう。それについて、本書ではほとんど記載がなかったのが残念でした。

 

2)風俗産業を悪者扱いしすぎ風俗産業=悪と断定すれば、議論はわかりやすいですが、風俗産業に関わる全員が不幸になるというのは言いすぎではないでしょうか。

・風俗の利用を通じて肉体のみならず精神的にも癒されている(救われている)お客様がいます

・風俗があることにより犯罪の抑止につながっているという一面もあります

・風俗という仕事で生計を立てているたくさんの女性たちがいます

(風俗がなくなったら彼女たちはどうやって生きていけばよいのでしょうか。ただでさえ生活保護受給者が増大している日本にあって)

・もちろん全てのお店とは言いませんが、利益を出して税金を納めることは国益にかないますさて、ここで一つの疑問です。

障害者の中には、ホワイトハンズのサービスもよいが、風俗店のサービスも受けたいという(健常者同様の)欲求はないのでしょうか?

「生理現象としての性」に対する介助がホワイトハンズであれば(性機能の健康管理・低下予防が目的)、「性的娯楽(エロス)としての性」に対する介助は風俗店の役割です(性的な快楽の最大化を目的)。

つまり、介護業界でいうケアマネージャー的な(あるいは、コンシェルジュ的な)サービスこそが、障害者が一番求めているサービスのような気がしてなりません。介護、ホワイトハンズ、風俗、そして、現場で奮闘するヘルパー、風俗嬢、お互いが敵視し合うのではなく、(人事交流や知識・経験の共有化を通じて)利用者(お客様)の尊厳と幸福の最大化に向けて草の根から努力することこそが重要なのではないでしょうか。

その担い手の一つとしてホワイトハンズには益々頑張って欲しいと思います。

5つ星のうち 2.0  熱意は素晴らしいかと, 2012/6/12

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)熱意や行動力は素晴らしいと感じる。が、「成人合宿」を批判した人を、「自分もそのように行動したいのに、出来ないから批判するのだ」というような、有りがちな理由で一くくりにしているのには冷めた。全体的に1方向からの意見という印象。問題提起には良い本だと思われる。

5つ星のうち 4.0  行動力がすごい, 2013/10/19

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)でも本の構成は甘い。障害者の性の介助の話が、一般人への性の啓蒙にいつのまにか変わっているあたり、びっくりする。著者の中ではセックスに不自由な人も「性的障害者」という意味でつながっているのかもしれないが、説明がないので飛躍と感じる。

最も大きな疑問なのは、著者のいう性の啓蒙活動が、浅いのではないかという点。たしかに、夜這いとお見合いの文化がなくなったから、性を教えられる場所がなくなって、草食系が増えたという論理には一理ある。性を教える場所が必要との言葉には一定程度、同意するが、それは学校の性教育とどう違うのか。

実地体験の有無?実地体験なら、これまでは風俗が一部でその役割を果たしてきたのだろうが、風俗は「悪い」ビジネスだからだめ?一理あるが、性教育ってそんなに簡単なものだろうか。

性の初等教育があっても、ロマンチックな恋愛を求めて、そこには近寄らない「草食系」は相当数いるだろう(それが性蒙からくるものだとしても責めるわけにはいかない)。

著者のいう「成人合宿」で救われるのは、風俗に行きたいけど行く勇気がない人たちだけではないのか(だからといって意味がないというわけではない)。著者はばっさりとわりきって「性」を語っているようにみえるが、そんなに簡単に語れるなら、風俗なんてとっくになくなっているだろう。また、風俗のデメリットは語っても、夜這いやお見合いのデメリットには、あえてなのだろうが触れていない。視点は面白い本なのだが、いろいろと粗くて完成度が低いのが残念。それでも、著者の行動には問題提起として大きな意味があると思う。

5つ星のうち 5.0  介護・福祉業界の新鋭が説く「日本の性革命」, 2012/6/1

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』--タイトルに込められた著者・坂爪真吾氏の「日本のセックスを変えたい!」という熱い思いが行間からひしひしと伝わってきます。

これまで河合香織さんの『セックスボランティア』などでわずかに描かれてきた「障害者の性」の現実を、そこに従事する当事者が初めて赤裸々に描いています。

坂爪氏はホワイトハンズという障害者への「射精介助」を行なう非営利組織の代表ですが、昨年、インターネットで物議を醸した「成人合宿」(童貞処女卒業合宿)を企画しました。

一見、障害者の性の問題とは何の関係もないように思える成人合宿。しかし、この本を読めば、坂爪氏が成人合宿に行きついたのは必然であることが分かります。

坂爪氏は私たちの社会を「性蒙社会」だと言います。<性に対する意識的・無意識的な無知蒙昧の蔓延する社会を、「性蒙社会」と呼びましょう>

成人合宿が無期延期に追い込まれたのもまた、この国が「性蒙社会」であることの証左。一人でも多くの人がこの本を読み、セックスとは何か、真剣に考え、論議してくれることを願ってやみません。

5つ星のうち 4.0  NPO設立に向けて動く人へヒントとなる本, 2014/2/18

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

サービスの隙間にいてサポ―トされない人を見つけ既に同じよなことをやっている団体がないか入念に調査などをして行動を起こした著者の行動や行政との戦いぶりはよほどの熱意がないとできないことだなと感心してしまいました。テーマとしてはセックスという非情にタブー視されたことを取り上げているので、日常では問題とすら感じられない世界で問題になっていることを著者は取り上げていたのでテーマとしてはとても新鮮でした。

私が感じたのは彼の行動が今社会貢献の流れに向かっている世の中のNPO活動などの参考になるということです。問題がありそれに取り組むだけでなく、どういったことを調べてたり確認する必要があるのか、問題解決のテキストとしても当時大変参考になりました。

5つ星のうち 4.0  第三章以降に誠実さが感じられた, 2013/11/29

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

自身の体験から独自の理論を組み立て、「セクシャル・リテラシー」などの専門的用語を用いた解説は、講義を聴いているかのように納得させられてしまった感がある。「障害者の射精介助」は理解できるが、本当にそれだけで良いのだろうかと疑問を持つ。それに伴う性愛の渇望、たとえばキスとかスキンシップとかの求めにはどう対応するのだろうか。一例としてオランダのSARが性行為まで行う組織として紹介されているが、本書ではエロスの部分は介護以外の方法で解決すべき問題と突っぱねている。それなら性産業はどうかというと、風俗は悪者扱いしているように読める。

障害者の当事者からしてみたら、性を徹底した介護システムとして与えられても、やるせないのではないだろうか。そんなに割り切れるものだろうか。それこそが差別にも繋がりかねない。しかしその辺は持論に終始してあまり踏み込んでいない。

著者の核心は第三章「性の公共性」にあると思う。昔の夜這い制度を例に出して、性体験を保証するシステムが人間に自信を持たせるという点には、大いに共感できるところがあった。さらに障害者が性的権利を求めるなら、他者の性的権利も尊重しろと言っている。いわゆる障害者も卑屈になるなと言っているのだ。

第三章以降は著者の誠実な考えが展開されていて興味深かったが、印象として射精介助ばかり目立ってしまい、著者の理想に障害者が巻き込まれているように感じてしまうのは、性と障害者をくっ付けすぎているからではないだろうか。

共感と疑問が入り交じった内容だった。

5つ星のうち 3.0  難しい, 2013/7/27

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本) 扱っている内容がとても難しいと思います。必要なのか否なのか。考えさせられます。

5つ星のうち 5.0  論壇を席巻する上野千鶴子門下生にまた新星が, 2012/6/12

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)上野千鶴子の門下生という宣伝文句に惹かれて購入。『「フクシマ」論』の開沼博、『絶望の国の幸福な若者たち』の古市憲寿など、気鋭の論客を世に送り出す上野ゼミの出身者だけあって、本書も非常に面白く、一気に読めた。

メインの内容は、障害者のための「射精介助」というユニークなサービスを提供する法人を立ち上げていく、著者の創業物語(とその背景の物語)。

単なる社会学者による分析や参与観察に留まらない、実践者としての迫力にあふれる内容で、かつとても読みやすい。

例えば、事業を立ち上げていく中での行政とのバトル。詳しくは本書をお読みいただきたいが、市役所や警察行政が「理屈にならない理屈」で前例のないサービスを潰そうとする一方、跳ね返されてもめげずにチャレンジする著者の取り組みが小気味いい。

読み物として面白いうえに、「がんじがらめの規制」や「裁量行政」といった今の日本の閉塞感につながっている普遍的な問題点を炙り出している。

「障害者の性」というテーマはここ数年で「語られること自体がタブー」という状況からは脱したように思われるが、現実に事業として回していこうとする著者が突き当たる壁の数々は、この問題における日本の「現在地」を明確に示している。

また、面白く読ませる構成が魅力的なのと同時に、著者の「現代社会における性」についての問題意識の深さに驚かされる。

著者が事業の中で突き当たった壁の原因は、晩婚、非婚、セックスレスといった現代社会における「健常者の性」の諸問題とも深く関連していることが本書では明らかにされている。

その意味で、著者の問題提起や問題意識は、障害者か健常者かを問わず共有されるべきものだと言えよう。

あえて一点だけ物足りなかった点を挙げるとすれば、サービス利用者(障害者)がサービスをどう評価しているという点への言及が少なかったことだ。

著者が射精介助の目的を「性機能の健康管理を通した、障害者のQOLの向上」と位置付けている以上、利用者によるサービスの質の評価やそれがどのように現場にフィードバックされていくか、という点は必要不可欠な要素であるはずである。

著者の師である上野は、ケアとは「相互行為」だと指摘している。「(射精介助を)される側」の視点なくしてこの物語は完結しない。そうした角度からの検証は、著者の事業が、著者の掲げる目的を真に達成するためには必要不可欠な視点ではないかと思われた(もちろん、本書で言及がないだけで著者自身は既にデータ収集、分析を重ねているのかもしれないが)。

いずれにせよ、「障害者の性ってどういうこと?」「射精介助ってなんなの?」という人も、「そういう話はどこかで聞いたり読んだりしたことがある」という人も、読んで楽しみ、新たな発見を得られる一冊であることは間違いない。

5つ星のうち 4.0  いろんな考えがあると感心しました, 2013/11/14

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

性は年代、性別、育ちなどいろんな考え方があるため、正解はないと思っています。そんな意味でいろいろな考え方があると感心させられました。批判したいところもありますが、それ以上に考えさせられましたので、星4つ。

5つ星のうち 4.0  ベーシック・セックス社会の実現にむけて……、ちょっと盛り込みすぎかも, 2012/7/22

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

本書の目的は読者が「セクシュアルな(性に関する)情報や知識を、ただアタマで学ぶだけではなく、実際の行動を通して、カラダで理解した上で、主体的に活用できる能力」=セクシャル・リテラシーを身につけて、「尊厳を持った人間として生きていくために必要な、最低限度の性の健康と権利が、全ての人に、当たり前に保証されている社会」=ベーシック・セックス社会を建設する、ということ。

著者は「異性とセックスするための選択肢」として恋愛と売買春以外の第三の道を作るべきだと主張する。なぜなら、売買春は、利用者も従業員も経営者さえもかかわった人全員をもれなく不幸にする「自己目的化したシステム」であり、恋愛市場もまた誰でもが平等にコミットできる仕組みではないから。そして、「射精介護」事業ホワイトハンズを創業する。「射精介護」とは性機能の健康管理・低下防止のために介護用手袋を着用した手でコンドームをつけた陰茎を刺激して射精を促すというもの。スタッフの身体に触れたり、脱衣を要求することはできない。

本書は2部構成になっていて、前半はホワイトハンズを創業して軌道に乗せるまでの苦労話、後半はセクシュアル・リテラシーが欠如した「性蒙社会」を改革してベーシック・セックス社会を実現するという未来の展望。

「個人の性に関する尊厳と自立を守るためのサービス」のための専門職=臨床性護士を育成するとか、明治以前の日本にあった「交際と性交技術の教育システム」に代わる「性の公共」システムを作る、などが語られる。

最後に、障害者の性は「個人的な問題」ではなく「社会全体で解決するべき問題」であると結論づけられ、そのためには障害者だけではなく全ての人がセクシャル・リテラシーを身につける必要があるとされる。そして、個々人がそれを身につけるための方策が実践的に示される。異性との性生活を開始するための方法は、恋愛だけではない。「恋愛するよりも、結婚する方が圧倒的に簡単である」という言葉が印象的。

著者は「同性解除の原則には、基本的に賛成」と言いながら射精介助には「スタッフの性別は、利用者側が選択できる」というルールを定めている。利用者が異性による介助を望んでいるとすれば、それは性(セクシュアリティ)がやりとりされているということではないか。

性は人間にとって自尊心の基盤なのだ、と著者は繰り返し言っている。性を「ラブ」「エロス」「生理」にわけ、介護事業では生理だけをケアするとしているが、実際の現場でそんな風に割り切れるものなのか、少し疑問に感じた。

また障害者の性の問題とベーシック・セックス社会の実現とが交互に現れる構成に多少混乱を感じた。おそらく、著者は性蒙社会の矛盾が最も強く現れている点が障害者の性だと考えているのだろう。センセーショナルな題名に内容が引きずられている点があるかもしれない。

著者に謝りたい, 2012/6/10

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)序章を読んだ。「性蒙社会」「セクシュアルリテラシー」「ベーシック・セックス社会」・・・正直、小難しい言葉が並んでいるなぁ、と思った。だから、社会学者の本はあまり好きじゃないんだよ、と。でも、ページを捲るごとにこの本に奇妙なタイトルがつけられている理由がわかった。とにかく半端じゃない。「性の公共化」にかける著者の熱意が、である。

 

大学在学中に「機械仕掛けの『歌舞伎町の女王』」と題するレポートのために新宿歌舞伎町風俗街の女従業員、経営者にインタビューした著者は、その後、ホワイトハンズなる射精介助NPOを立ち上げるために奔走して……。同書には「性=有害」イメージを正そうとする奮闘が生々しく綴られている。NPO法人設立申請をめぐる警察や地元との「仁義なき戦い」が最大のハイライトだろう。

これらの奮闘劇は面白いだけではない。ホワイトハンズの活動への偏見や反対の声を通して、性の問題について「見ないふり」を続ける日本社会(著者が「性蒙社会」とよんでいる)が浮かびあがってくるのだ。

社会学者にありがちな「机上の理論」ではない。むしろ「性」に関するノンフィクションだ。序章を読んでつまらないと言ったしまったことを、著者に謝りたい。

5つ星のうち 5.0  おもしろかった, 2013/5/22

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱(小学館101新書) (Kindle版)

ヘルパーの情熱というより、坂爪真吾さんの起業ゼミを聞いている印象でした。でも、これからの高齢化社会と少子化問題に、ホワイトハンズのような考え方は必要なのかもしれないなあと思います。障がい者にも、出産や子育てはできるのですから。

5つ星のうち 4.0  社会企業とはこのような企業だと思いました, 2012/9/1

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

大学での日本の風俗事情の研究から、障がい者と性、現代と性の問題提起を行い、それを解決するために企業した著者の情熱が込められた本です。企業にいたった経緯から、警察に届け出を出しているときの細かいやり取りなどが詳述されており、情景を想像しながら読むことができました。

まだまだ現代世間に受け入れられそうに到底ない問題を提起したその姿勢は、まさに社会企業家とはこのような人のことを言うのかと思わされました。

5つ星のうち 4.0  社会学本であり、起業ルポであり、婚活の実用本でもあるすごい本, 2012/6/26

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)面白かったです!個人的には、タイトルどおり著者の「尋常ならざる情熱」にビシバシ頬を叩かれながら一気に読み終えました。

と同時に、タイトル、テーマ、内容、文体のいずれに対しても、ちょっとした「ケチ」をつけたくなる読者がいるのも理解できました。そういう意味で、評価が大きく分かれて当たり前の一冊だと思います。

というのも、本書は社会学の本であり、起業ルポであり、さらには婚活の実用本という性格も備えているからです。したがって、読む人の立場やモチベーションによって読後の印象はガラリと変わると想像されます。

なにしろ、「セクシュアル・リテラシーのない社会では、性愛は、住宅や車と同様、人間の非合理的な欲求を刺激し、非合理的な振る舞いをするよう仕向ける「擬似宗教」になります。」

とかなんとか小難しいことを述べた数行後に、「さぁ、本書を読み終えたら、早速、パートナーを探すための行動、パートナーと円満な性生活を送るための行動を、開始しましょう!」といった、出来の悪い恋愛マニュアル本のような言葉が並ぶのですから…。(もちろん、著者は意図的にやっているに違いありませんが)

また、お役所バッシングや自分の主張に対抗する仮想敵(?)への批判など、

読者の共感や好感を妨げるような論調が執拗に繰り返されたりもするのですが、

個人的にはそれも実践・行動を起こした著者ならではの心底の実感であると感じられました。

(というか、警察や行政、マスメディアや「世間の目」などによって幾度となく行く手を阻まれてきた著者にしてみれば、これでも文句はかなり抑制したのでしょう)とにかく、「セックス・ヘルパーとはなんぞや」もしくは「どんなものかはわかってるけど、何してるかはよく知らない」という方で、本書に少しでも興味を抱いたのであれば、間違いなく読む価値のある一冊だと思います。また、「性風俗は、利用客のみならず、風俗嬢や経営者を含め、「関わった人全員がもれなく不幸になるシステム」と言い切る著者のスタンスに対して、同じく性風俗(こちらはAV業界ですが)をまったく別の立場・視点から分析した本として、同時期に発売された『職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)』と一緒に読むのもすごくお勧めです。

5つ星のうち 5.0  非凡ですね…。, 2012/6/9

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

タイトルの通り、著者の尋常ならざる情熱を感じました。時折、文章が鼻につくとこもありますが、正直「すげえな…」と。ただし、それは性に対する情熱だけでなく、経営者としての著者の情熱。なるほど。さすが東大出身。HPを覗いてみると愛読書にコトラーやドラッカーなど…。

役所とのやりとり。PR活動。資格。合宿と綿密な著者の戦略を感じました。ちなみに、この出版も戦略か?などと穿ってみたり…。ですが、決して批判ではありません。私自身も経営者であり、共感できる上での皮肉。これからビジネスを始める方、経営者の方にも参考になることが多々あると思い書いた次第。著者の今後の活躍をお祈りいたします。

5つ星のうち 1.0  世人それぞれ, 2012/6/10

レビュー対象商品: セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) (単行本)

性交とは種族の保存(ただし悪しき保存必要なし)性産業にすぎず.本来の意味を引出しの中に入れている現代余りにも性が氾濫している一方.パ-トナ-とはセックス.レス性には定義無し.人個々人の問題で有りセックス.ヘルパ-は論外

で有る

22:13 2014/04/24

 

 

男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067) [単行本]坂爪 真吾 (著)

いままで真剣に語られてこなかった男の性の問題それらに真正面から答えるはじめてのテキストです 「射精介助サービス」「ヌードデッサンの会」「セックスワークサミット」などを開催する著者ならでは箴言がここにある!

【本書では以下の7つの疑問に答えます】

1 そもそも射精はなんのためにするの?

2 自慰のときに、なにをオカズにすればよい?

3 どこから、どこまでが童貞なのか?

4 「モてる、モテない」では語れない恋愛って?

5 初体験のとき、なにを気を付ければよいのか?

6 風俗はどういう仕組みになっているの?

7 結婚したところで、いいことあるの?

 

内容(「BOOK」データベースより)

「男の性」は、エロやモテるモテないといった言葉で消費され、真剣に語られることはなかった。そのせいか、性欲は尽きない、セックスしたくてたまらないとか思われているが、本当に男は皆そんなにエロいのだろうか。そういった疑問に答えるべく、「射精」「自慰」「童貞」「初体験」「恋愛」「性風俗」「結婚」といった誰もが気になるテーマを根本的な部分から考えなおす。性問題でこじらせてしまう前に読みたい一冊。女性もこれで男の本音がわかる!

 

単行本: 249ページ出版社: 筑摩書房 (2014/4/7)発売日: 2014/4/7

 

目次

序章 僕らを射精に導くのは「誰の手」なのか?

第1章 性を「見分ける力」を身につけよう

第2章 「男子のセックス」七つの処方箋(射精―僕らの「射精原論」―まず、射精をとらえなおす

自慰―射精のために、何を使うべきか。

童貞―セックスできないのではなく、する意欲がない?

恋愛―恋人は、社会への貢献度に応じて支払われる「ボーナス」である

初体験―初体験の社会学 最も個人的な体験が、最も社会的な体験である

性風俗―「利用するもの」ではなく「反面教師にして学ぶもの」

結婚―時間を「敵」ではなく「味方」にせよ)

第3章 僕らの性は、僕らの手でつくる

 

男性の性30才近い年齢の友人(男性)がまだ童貞である事を不思議に思うのですが、自分が女性なのであまり深く聞く事も出来ずにいた所書店で見つけて読んでみました。

現在、男性にとって性とはどう向かい合っているのか分かり易い本です。良くするにはどう考えるべきなのか、どう動くべきなのかも書かれていて参考になりました。

確かに記号だけに踊らされる安っぽい性生活も卒業できない現状は情けないです。

ただ、後半になって「浮気も不倫もダメです」とか風俗もAVも全否定なのはいかがなものかと思いました。

結婚したら二人で悩んで育つべきだけど、結果性格の不一致とか経済的に別れざるを得ない等色々有る訳です。

文中に挙げられた理想と現実の間に所々矛盾が見えるのが気になるけど男性による男性の性は中々語られる事が無いので星4つです。

5つ星のうち 2.0  ナイーブ

著者の方の熱意は感じますし、ところどころはっとさせらる箇所もあります。「一番の性感帯は性器ではなく皮膚」や、「セックスは二人で作り上げるもの」など、世にあふれる射精中心主義を克服しよう、という意志がよく伝わってきます。なのですが、全体を通してかなりナイーブな感性を、読者に押し付けようとするところが多々見受けられました。特に目立つのが「~なはず」という言い回しで、「性風俗の快楽などむなしいはず」といった断定が何度も出てきます。著者の方は荻上チキさんをかなりリスペクトしているようですが、彼とやや同じ部類の、若手のインテリフェミ男かな~、という印象です。

22:16 2014/04/24

 

 

「ゆるオタ君」と結婚しよう! [単行本(ソフトカバー)]  牛窪 恵 (著)

『ホンマでっか!?TV』などで活躍する、恋愛行動に詳しいマーケティングライターの牛窪恵が指南する、新しい幸福のカタチ! おひとりさま、年の差婚、グローバル婚、エコ恋愛婚……大きく様変わりしつつある恋愛・婚活事情のなかで、女性たちは「圏外」の男性に目を向け始めた。いま、20~30代女性が熱い視線を注ぐ婚活ターゲットは、「ハマる対象があるから常に前向き」で育て甲斐のある、ゆるオタ、「三高男はいない。20代女性が10歳以上年上でも問題なしという」熟メン、「年収200万円台でもなぜか魅かれる」年下クン、「ギャップが楽しめる、青い目の子供がほしい」と再注目される国際結婚などなど。もっとも幸せになれる「圏外婚」とはどんな結婚の形なのだろうか? 婚活疲れした20~30代の女性たちの本音に迫り、「圏外」男の実際をさまざまな角度から幅広く取材している著者が、多くの恋愛・結婚の実例をまじえて紹介する。

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

AKB男は、夫向き?ゆるオタ君をスルーしたら、4割は結婚できない!幸せのターゲットは「圏外」男性にあり!20~40代の男女に贈る、新・恋活指南書。

 

単行本(ソフトカバー): 208ページ出版社: 講談社 (2012/5/29)

言語: 日本語発売日: 2012/5/29

 

目次

はじめに~婚活・恋活マーケットはいま、激変中!

第1章 「AKB男」と結婚しよう?

第2章 なぜ女子は「圏外婚」に向かうのか?!

第3章 話題の中年男「熟メン」ってどうよ?

第4章 年下クンとの結婚はアンチエイジング効果アリ?

第5章 「ダーリンは外国人」を地でいく女たち

おわりに~「フツーの独身男」なんていない! 自信をもって「圏外婚」に向かおう!

婚活の視野が広がる本, 2012/6/11

レビュー対象商品: 「ゆるオタ君」と結婚しよう! (単行本(ソフトカバー))

なぜいま女子が「ゆるオタ君」や年上男性や外国人に向かっているのか、がよく分かります。筆者がマーケティングライターなのでマーケティング解説はもちろんですが、実例的なインタビューもところどころに入るのでリアル。

章ごとに「ゆるオタ君」「熟メン」と男性のタイプを分けて書いてあるので、男性も女性も、どこかは「あ、自分のことだ」とか「こういう男性もいいな」とか共感できるところがあるんじゃないでしょうか。

 

婚活中で目指す方向を見失ってる人が読んだら、視野が広がるかも。

5つ星のうち 5.0  恋愛「圏外」でも電波が入りやすくなってきた♪, 2012/6/19

レビュー対象商品: 「ゆるオタ君」と結婚しよう! (単行本(ソフトカバー))

 

わたしのまわりにもたくさんいる「ゆるオタ君」。いままで彼らは女性にも興味なく、趣味に生きてるのだと「圏外」視していましたが、よく考えたらマジメだし、話はおもしろいし、一緒にいて心地よい!燃え上ってロマンチックな恋もいいけど、ずっと一緒に長い時間過ごすダンナさんにはもってこいかも…と目ウロコでした。

同質であることばかり求めがちな結婚ですが、オタクくん、外国人、年上・年下…自分と違う世界を知っている男性に刺激を受けるのもいいかも!!とちょっとワクワクしてくる本です♪

22:18 2014/04/24


最新治療「ED1000」を検証

 ED1000は、ESWT(体外衝撃波治療)を利用した医療機器。EDの根本的改善を目指せる新しい治療法として、このED1000を用いた治療が注目されています。

ED1000のしくみ ESWTの技術はもともと、尿路結石の破砕治療に利用されていました。体の外側から衝撃波を与えることで、メスを入れることなく患部へアプローチできることから、低侵襲治療として期待されていたのです。

 衝撃波を用いた治療は他に、狭心症の治療にも用いられています。狭心症は、血管異常により心筋に血液が足りない状態になり、胸に圧迫感を感じる病気のこと。完全に血管が塞がってしまい、心筋が壊死してしまった状態が、いわゆる心筋梗塞です。

 細胞に衝撃波を与えると、キャビテーション効果という現象がおこり、ある気体を発します。これは、液体を振動させて泡立たせるのと同じようなイメージです。そして、サイトカインという生理活性物質を放出することで、血管の新生が促され、血流が改善。狭心症が改善されます。

 ED治療における体外衝撃波治療は、この狭心症治療とほぼ同じ仕組みです。海綿体に衝撃波を与えることで血管の新生を促し、血流を改善することで、勃起力の回復をはかります。

 帝京大学医学部で、50代以上の男性を対象とした臨床試験が実施されました。結果は、27人中18人が改善したそうです。

 ED1000を用いた治療は、1クール12回。20分程度の治療を週2回のペースで行っていきます。それを3週間続けたら、3週間休憩を挟み、また週2回の治療を3週間行います。

 治療にかかる費用は35~40万円。かなり高額のようですが、EDを根本的に改善できると考えると、安いものでしょう。

 もちろんどんなEDにも効くというわけではなく、血管の異常が原因でない場合は、ED1000は効果がありません。原因を見極めることが重要です。

 ED1000治療体験者の口コミ

 「ペニスに衝撃波をあてる」という恐ろしい響き。施術前は完全に怖気づいていましたが、いざ治療を受けてみると全く痛みはありませんでした。治療を始めて2ヶ月。勃起力が回復してきたので、感動しています。

 私は20代にしてEDらしき症状が出始めて、悩んでいました。しかしこの若さでED治療薬には頼りたくないと思い、ED1000を使った治療を受けることにしました。まだ新しい治療でしたが、効果は確かです。思い切って良かったと思っています。

 18:44 2014/04/24

 http://改善ed.com/check/ed1000.html

 http://改善ed.com/check/ed1000.html

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勃起のメカニズム

勃起の大きな流れは、①刺激→②神経系より勃起命令→③血液の流入→④勃起状態の維持という順序で成り立ちます。

この勃起のパターンには女性の裸を見たり、妄想をする事で勃起をするもの(中枢性勃起)と、マスターベーションやペッティングのように直接刺激を受ける事で勃起をするもの(反射性勃起)の2パターンがあります。

それぞれの刺激があると、男性器に血液を送ろうとする指令が脳から発令されるのですが、男性器に血液が流入すると何故勃起するのか?それは男性器内にある海綿体というスポンジ状の組織に血液が流れ込み、筋肉の力ではなく男性器内の血液の圧力によって充血し、下方に垂れていた男性器が硬く大きくなることで勃起が起こります。

しかし海綿体に血液が流入しただけでは勃起を維持する事はできません。勃起を維持するためには海綿体に流れ込んだ血液を逃げないようにしなければなりません。通常は勃起とともに性器の根元にある括約筋が閉じ、海綿体から血液の流出を防ぎます。この括約筋によって男性器の勃起状態は維持されるのです。

このように、正常な勃起を促す為には、

①視覚・触覚の刺激を感じる「脳」が正常であること。
②脳で受けた刺激を伝達する「神経」が正常であること。
③血流を確保する「血管」が正常であること。
④勃起状態を維持する「海綿体(男性器)」が正常であること。

が必須条件となります。

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ED1000(低衝撃波治療)の解説

ED1000(低衝撃波治療)の解説

  1. 1.  低衝撃波治療とは

低衝撃波治療とは、今までになかった新たなED治療の方法として注目を集めているSW(Shock Wave)療法という低強度衝撃波による治療方法のことです。

低衝撃波治療では、低出力の衝撃波をED症状の患部およびその周辺部に一定期間与えることで血管再生を促し、EDを治療します。技術的な側面からいえば、低衝撃波治療は80年代から確立された腎臓結石治療における衝撃波利用の医療技術を応用したもので、細胞内で血管形成要素を放出させて、新血管の形成を促進させる作用が使われていています。

この新生血管形成促進効果については、狭心症や形成外科など幅広い分野においても既に効果が実証されており、それをED局部への照射に応用することで勃起能の回復をはかるのが最大の特徴です。

  1. 2.  ED1000とは

ED1000

ED1000とは低衝撃波によるED治療を実用化するためにアメリカで開発された、ED治療用の医療機器のことです。高電圧の放電を利用して高エネルギーの衝撃波を発生させる装置が付いており、治療部位に衝撃波を照射することで、血管新生を促します。

衝撃波といっても痛みはなく、薬物も使わないので副作用や禁忌の心配をする必要が一切ありません。治療を受ける際は、施術台の上に横になっているだけでいいので非常に簡単です。 ED1000による低衝撃波治療が従来のED治療と大きく異なる点としては、血管系の障害によるED症状に対して根本的治癒が見込めるという点です。

バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬では効果が得られなかった方や、内服を禁止されている方、ED治療薬なしで勃起を回復させたい方にとっても非常に期待のもてる新たなEDの治療法であるといえます。

  1. 3.  ED1000による治療のメカニズム

ED1000を使って患部に低強度衝撃波を与えた場合の治療メカ二ズムです。低衝撃波を受けると、肉体内には以下のようなフローで科学反応が起こります

低強度衝撃波の照射血管が揺さぶられ細胞内外で反応が起こる

新血管を形成する細胞増殖因子が放出される増殖性細胞核が生成され新血管の形成を促す

衝撃波を患部に照射する際、体表面にもある程度の影響が生じます。しかし、ED治療に用いられる衝撃波はごく低強度であり、影響は極めて小さいものに抑えられています。細胞内外での科学反応が新生血管の形成を促進し、やがては新たに形成された生血管が、ダメージを受けてしまったもともとの血管のバイパス的存在になるため、勃起が可能となります。

  1. 4.  ED1000による低衝撃波治療の実際

EDの重症度によって個人差もありますが、1回につき20分程度、陰茎の5部位に衝撃波を与える治療を3週間のうちに6回ほど行い、同じく3週間の休止期間を取った後、もう一度同じ治療を行います。帝京大学医学部泌尿器科の1年間にわたる臨床治療のデーターによれば、ED1000による低衝撃波治療によってEDの根治を経験した患者は75%に上ると報告されています。

取材協力:株式会社メディテックファーイースト

  1. 5. 特別顧問医師 佐藤 徳哉

当院がスポニチに紹介されました
(
スポニチ記事)

ED(勃起不全)を根本から治療する最新治療「ED1000」

勃起不全衝撃波治療・ED1000は低出力の衝撃波をED症状の患部、及びその周辺に一定期間与えることで血管再生を促し、EDを根本から治療します。単に症状を治療するというのではなく、血管性EDの...続きを読む

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東京都台東区上野7-7-7 早稲田ビルヂング3F

最寄り駅

JR山手線上野

電話番号

0120-118-874

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    4/24/2014

    4/24/2014

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    2014年4月22日 (火)

    引用,鹿児島県では・・・市町村への権限移譲 分権型社会にあっては,住民に最も身近な基礎自治体である市町村が充実し,県と相互に補い合いながら住民の福祉の向上にともに取り組んでいくことが不可欠であり,県においては,市町村に対し,地域の実情に応じて,それぞれのニーズに合った権限・財源の移譲等を進める必要があると考えています。

    引用

    http://www.kamikatsu.jp/mayor/

    http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/zoo/genntyann/gen.html
    http://www.city.sado.niigata.jp/
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm
    17:25 2014/04/22

    鹿児島県では・・・市町村への権限移譲 分権型社会にあっては,住民に最も身近な基礎自治体である市町村が充実し,県と相互に補い合いながら住民の福祉の向上にともに取り組んでいくことが不可欠であり,県においては,市町村に対し,地域の実情に応じて,それぞれのニーズに合った権限・財源の移譲等を進める必要があると考えています。

    特に,市町村合併により誕生した人口おおむね10万人規模の市に対しては,思い切った権限・財源の移譲等を行い,各市において自立性の高い行政運営を可能とすることにより,地域の中核となる都市づくりを進める必要があると考えています。

    このため,県では,平成17年7月に,「権限移譲プログラム」を策定し,「住民に身近な事務は,可能な限り住民に身近な市町村において処理することが望ましい」との基本的な考え方のもと,市町村への権限移譲を積極的に進めているところであり,平成26年4月から新たに30市町村に31法令342事務が移譲され,平成18年度からの累計では,全市町村に移譲対象事務の5割を超える50法令507事務が移譲されます。

    各種手続きの窓口がより身近に(平成26年4月から窓口が変更になります)

    権限移譲プログラムに基づく権限移譲の概要

    権限移譲を受け入れた市町村の主な取組

    また,国では,住民に最も身近な行政主体である市町村が,地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を担えるようにするため,都道府県の事務・権限の市町村への移譲等の取組が進められています。

    基礎自治体への権限移譲の概要

    各種手続きの窓口がより身近に(平成26年4月から窓口が変更になります)

    「権限移譲プログラム」に基づく権限移譲の取組により,平成26年4月から一部手続きの窓口が県から市町村へ変更になります。

    特に「パスポートの発給の申請の受理及び交付事務」の権限移譲の進展に伴いまして,南薩地域振興局,熊毛支庁屋久島事務所,大島支庁では平成26年4月からパスポートの取扱を終了することになりますので,お近くにお住まいの方は十分ご注意ください。(平成26年3月までに発給申請されたパスポートにつきましては,申請した振興局等で交付されます。)

    新たに申請や届出などの窓口が変更となる手続き

    窓口変更一覧(PDF:118KB)

    権限移譲プログラムに基づく権限移譲の概要

    基本的な考え方

    「住民に身近な事務は,可能な限り住民に身近な市町村において処理することが望ましい」との基本的な考え方のもと,

    1.一律ではなく,意欲のある市町村に権限を移譲

    2.10万都市(鹿屋市,薩摩川内市,霧島市)に対し,合併後の自立的なまちづくりを推進するための権限を移譲

    移譲対象事務

    「まちづくり」や「生活環境」・「福祉」など住民に身近な事務『71法令87項目917事務』(平成26年4月改訂)

    権限移譲プログラム(PDF:711KB)

    平成26年4月からの権限移譲(移譲事務及び移譲市町村)の状況

    30市町村に31法令33項目342事務が新たに移譲されました。

    住民サービスの向上につながる「パスポートの発給の申請の受理及び交付事務」の移譲が進み,新たに5市町(日置市,南さつま市,奄美市,屋久島町,龍郷町)に移譲,併せて37市町村に移譲されました。

    住民と行政との共生・協働の行政サービスの展開につながる「NPO法人の設立認証等」の事務を,新たに姶良市に移譲,併せて5市に移譲されました。

     

    平成26年4月からの権限移譲状況(PDF:205KB)

    平成26年4月時点での権限移譲(移譲事務及び移譲市町村)の状況43市町村(全市町村)に対して50法令56項目507事務を移譲(移譲対象事務の55.3%を移譲)

    市町村別移譲状況(PDF:40KB)

    移譲対象事務別移譲状況(PDF:427KB)

    権限移譲を受け入れた市町村の主な取組

    各市町村では,権限移譲を受け入れた事務について,住民サービスの充実や住民の利便性の向上,事務処理の効率化などが図られるよう,様々な工夫や独自の取組が行われています。各市町村の取組の主なものについては,こちらをご覧ください。

    各市町村における移譲事務の取組状況

    http://www.pref.kagoshima.jp/ab08/kensei/shityoson/gyosei/kengennijyou.html

    16:11 2014/04/22

    今頃、都道府県や、市町村などの地方自治体では、来年度(平成26年度)の予算編成作業が着々と進んでいることでしょう。

    http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2014/04/26-eef6.html

    16:14 2014/04/22

     

     

    日本の10年以上先を行く欧州の自然エネルギー政策・大野 輝之

    2014年4月21日号掲載

    プレミアム会員登録 のあとに ログイン していただくと全文をご覧いただけます。政府の「エネルギー基本計画」は、自然エネルギー電力の目標として、2030年時点で2割を上回ることを参考指標として掲げた。しかし、欧州では現時点で既に23%。化石燃料輸入費の削減を、大幅な自然エネルギー拡大で実現しようとする欧州の取組みに日本は学ぶできではないか。

     

    先導性を放棄した日本の「エネルギー基本計画」政府が4月11日に閣議決定した「エネルギー基本計画」は、脱原発を求める国民の声に背を向けるだけでなく、自然エネルギーの飛躍的な拡大が進む世界の状況にも目を閉ざしたものだ(政府計画に対する財団の見解については、すでにいくつかの見解、声明を公表しているのでご覧いただきたい)。

    世界の自然エネルギーの潮流を紹介する本連載コラムでは、前回の中国の状況に続き、欧州の状況を紹介する。今回、閣議決定された「エネルギー基本計画」の自然エネルギーに関する認識が、いかに時代錯誤のものなのかがおわかりいただけると思う。

    大野 輝之(おおの・てるゆき)

    公益財団法人 自然エネルギー財団 常務理事

    東京大学経済学部卒。1979年東京都入庁。「ディーゼル車NO作戦」の企画立案、「温室効果ガスの総量削減義務と排出量取引制度」の導入などを担当。省エネルギーの推進、自然エネルギーの普及を図る数々の施策を産業界の合意を形成して実現し、国に先駆ける東京都の環境政策を牽引してきた。2010年7月から3年間、環境局長を努め、2013年7月に東京都を退職。2013年11月より現職。東京大学などの非常勤講師を務める。著書に『自治体のエネルギー戦略』『都市開発を考える』(ともに岩波新書)、『現代アメリカ都市計画』(学芸出版社)など。

    16:57 2014/04/21

    都市開発を考える―アメリカと日本 (岩波新書) [新書]大野 輝之(著), レイコ・ハベ エバンス(著)

    内容紹介

    林立する高層オフィスビル,遠のくマイホーム,破壊される景観・自然…….日本の都市開発は,なぜ生活の質の向上に結びつかないのだろうか.サンフランシスコなどアメリカ各地の具体例を通して,徹底した市民参加の手法,「成長管理」という新しい発想を紹介し,人間の暮らす場をめざした都市づくりへの指針を明らかにする.

    内容(「BOOK」データベースより)

    林立する高層オフィスビル、遠のくマイホーム、破壊される景観・自然…。日本の都市開発は、なぜ生活の質の向上に結びつかないのだろうか。サンフランシスコなどアメリカ各地の具体例を通して、徹底した市民参加の手法、「成長管理」という新しい発想を紹介し、人間の暮らす場をめざした都市づくりへの指針を明らかにする。

     

     

    新書: 238ページ出版社: 岩波書店 (1992/2/20)

    発売日: 1992/2/20

    都市計画という言葉の意味を初めて知った, 2009/6/26

    レビュー対象商品: 都市開発を考える―アメリカと日本 (岩波新書) (新書)

    一般に難しいと言われる都市計画について、とてもわかりやすく書かれているが、その内容は日本の現状からみれば衝撃的、しかも15年以上前に書かれたものだが日本はまったく良くなっていない。

    環境アセスと言えば日本では、せいぜい自然環境しか項目にないが、アメリカでは就職、住宅、学校、すべてが項目になる。考えてみれば都市を考える時に自然環境の変化はもちろん重要だが、大規模な計画になれば都市に与える影響は大きい。

    例えば、現在も郊外では中心市街地がなくなるような開発がいとも簡単に行われているが、このようなアセスをすれば将来の中心市街地の姿を住民が考え、選択するチャンスを与えられることになる。

    ずっとこのままで日本はどうなるのか。考えさせられる本だった。

    著者はこれ以外に探しても一冊しか本を書いていない事が残念。

    5つ星のうち 5.0  日本とアメリカの都市開発を比較する入門書, 2009/9/24

    レビュー対象商品: 都市開発を考える―アメリカと日本 (岩波新書) (新書)

    アメリカの都市開発(都市づくり)を様々な都市の事例を混ぜながら解説しています。文量から入門書としての位置付けだと思いますが、とても親切にまとめられています。

    初版が1992年ですが、今読んでも十分価値ある内容だと思います。

     

    なぜ日本のデベがこんなにも収益を上げられているのかが納得出来そうです。

    17:11 2014/04/21

    自治体のエネルギー戦略――アメリカと東京 (岩波新書) [新書]大野 輝之 (著)内容紹介

    待ったなしのエネルギー問題をどうするか。そのヒントが、「気候変動対策」で国家に先んじCO2排出総量削減制度を導入した、東京都の実践にある。経済界、電力会社等の反発をどう合意へと変え、エネルギー大量消費型都市からの転換に挑んだか。アメリカの都市・州の事例も紹介しつつ、自治体での可能性を都庁政策担当者が語る。内容(「BOOK」データベースより)

    一部産業界や中央官僚OBの作る「壁」を突き崩し、東京では省エネとCO2削減を徹底する「都市型キャップ&トレード」が、福島原発事故の3年前に実現していた。世界が注目する制度は、いったいどうやって出来たのか?東京都政策担当者が、東京、および同時期に同様の政策を実現したアメリカの都市・州の例から、エネルギー政策の転換に必要な戦略を具体的に示す。

    新書: 240ページ出版社: 岩波書店 (2013/5/22)発売日: 2013/5/22

    目次

    迫られる気候変動対策―「もうひとつの政府」が挑む

    第1部 アメリカの都市と州の挑戦―先駆ける地域・企業・NGO(「偉大な環境都市」をめざす―ニューヨーク市地域キャップ&トレードのパイオニア―北東部諸州住民投票で石油資本に勝利―カリフォルニア州アメリカの気候変動対策の展望)

    第2部 東京の挑戦―ボトムアップで実現した先駆的施策(東京型キャップ&トレードへの道「政策の壁」を崩した四つの力3・11と東京―何が「電力危機」回避を可能にしたか)

    自治体から新たなエネルギー政策を築く

    自治体の現場から 渾身の1冊 , 2013/6/29

    レビュー対象商品: 自治体のエネルギー戦略――アメリカと東京 (岩波新書) (新書)

    東京都環境行政マンのトップによる地球温暖化対策樹立への行動記録である。気候変動のグローバルな現状についての簡潔な数量的サマリーに続き、アメリカのニューヨーク州およびカルフォルニア州でのCO2排出削減への取組みがドラマティックに述べられている。米国中央政府の政策が停滞するなかで、地方政府の二本柱というべき前述2州が、先進的システムをどう作り上げたかを紹介している。

    どちらの場合にも、首長のブレないリーダーシップの重要性と共に、資本の論理を取り込みながら、住民自治の意識を活用する過程が大きな働きになることを示している。特に、カリフォルニア州で、Proposition 23 を跳ね返す住民運動に関する記述が圧巻である。

     後半では、東京都政における実践について、年次を追いながらの記述が重ねられている。とかく善意の環境保全活動となりがちな地球温暖化対策を行政施策としてシステム化して来た著者自身の剛腕ぶりが、熱い想いを込めて語られている。

    「節電=がまん」ではない(2013年6月23日付朝日新聞社説)と呼応して、スマート節電の必要性・重要性が論拠を以って説かれている。原発稼働に依存しないエネルギー対策こそが、グリーンビルディングの普及を促進し、わが国の今後の成長戦略の要となるとの示唆は、多くの人々が共感するところであろう。著者の情熱に納得し、読後に爽快感の残る好著と言える。

    つ星のうち 5.0  自治体の地球温暖化政策がよくわかる本です。, 2013/7/22

    レビュー対象商品: 自治体のエネルギー戦略――アメリカと東京 (岩波新書) (新書)

    本書は、東京都とニューヨーク市を例にして地球環境温暖化の取り組みをまとめた本です。本書の著者は東京都庁で実際に環境行政に携わっている方で、東京都で地球温暖化に向けて都条例をいかにまとめたかが詳細に記載してあります。特に民生部門と呼ばれるオフィス、特にテナントの入ったビルのCO2削減をどのように取り組むのか詳細に記載されており、苦労の後がよくわかります。企業でオフィスのCO2削減においてもテナントの入ったビルでどのようにCO2を削減するのか本当に頭を悩ませています。東京都のように率先した取り組みが全国の地方自治体に広がれば低炭素まちづくりが実現するのでは、と感じました。

    環境行政に関わる方はもちろん、地球環境温暖化に関心がある方にはオススメの本です。

    5つ星のうち 4.0  自治体が構築する地球温暖化対策戦略とは, 2013/7/2

    レビュー対象商品: 自治体のエネルギー戦略――アメリカと東京 (岩波新書) (新書)

    本書は、米国、日本の準国家政府(州、都市)レベルでどのようにして先進的な地球温暖化対策が導入されてきたのか、その過程と成功の要因が述べられています。筆者は、東京都環境局において、地球温暖化対策を始めとするさまざまな環境施策をチームリーダーとして推進してきた現職の行政担当者であり、実務家の目から見た切り口が、本書の最大の特徴です。

    第一部ではニューヨーク、米国東部10州、カリフォルニアの事例が紹介されています。まず、ニューヨークでは、ブルームバーグ市長が打ち出した2030年までにCO2排出量を30%削減する「プランYC」の実現に向け、不動産業界との調整過程やリット・アッガワラー氏を中心とする市のスタッフ集団の献身的な取組が、エピソードを交えて紹介されています。東部10州のキャップ&トレードRGGIでは、さまざまな反対運動や課題を克服できた背景に、各州共同のスタッフワーキンググループや「RGGIの母」の存在があったことが紹介されています。カリフォルニアでは、キャップ&トレード導入を阻止しようとした石油資本の反対運動を破り、劇的な勝利を納めたマイノリティの地域コミュニティの取組が紹介されています。

    第二部では、東京都環境局が、都市レベルでは世界で始めて、大規模事業所にCO2排出の削減義務を課すキャップ&トレードをなぜ導入できたのかが述べられています。事業者団体や環境NGOを一同に会したステークホルダーミーティングや、経団連の反対を論破していく過程は、筆者でなければ語れない部分でしょう。また、その原動力に環境局内のスタッフ集団の力の蓄積があったことが強調されています。

    最後に、自治体が国の方針に基づく事業展開に終わることなく、政策形成能力を高め、先進的な政策を打ち出していくための提言は、環境施策に限らず、自治体が政策集団として機能していくために何が必要なのかを示すもので、政策形成に係るあらゆる分野の人に読んでもらいたい一冊です。

    17:17 2014/04/21

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    2014年4月21日 (月)

    白川勝彦 日本は自公連立からダメになった

    引用

    『週刊金曜日』臨時増刊 さらば、独裁者 検証 暴走する安倍政権(2014年4月17日号)

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    発売日 2014/04/17

    サイズ:  AB版 84ページ 

    定価:  700円(税込)

    雑誌コード:  22936-4/17

    「日本を取り戻す」――意味不明なスローガンで“颯爽”と登場した安倍政権。しかし、政権発足以来、引き起こした騒動は数知れない。ダボス会議の発言では、欧米マスコミの度肝を抜き、国内では任命したNHK経営委員が好き放題に発言する。韓国・中国との関係は冷え込み、解釈改憲で集団的自衛権の行使容認を目論むも肝腎の「同盟国」アメリカはつれない態度。内政も外交も八方ふさがりで景気が伸び悩む中、消費税は増税。極右宰相への退場勧告!

     

    〈主な内容〉

    民主主義よりカネが大事な日本人 内田 樹

    ネオリベ時代のエア・ナショナリスト 中野晃一

    日本は米国の轍を踏みたいのか オリバー・ストーン ピーター・カズニック

    集団的自衛権の行使容認問題で包囲網 横田 一

     対談 

    堀江貴文×森 達也  ダーウィニズム的にガラパゴス化する日本 

    浜 矩子×佐高 信  アベノミクスはドアホノミクス 

    鈴木宗男×佐高 信 すべてを「単位」でしか考えられない安倍政権 

     

    インタビュー 

    白川勝彦 日本は自公連立からダメになった

     ヤンキーと安倍政権 斎藤 環

    ネット右翼と安倍政権 能川元一

    愛国女性と安倍政権 北原みのり

    歌舞伎と安倍政権 藤田 正

    表現の自由の「冬の時代」 田島泰彦

    原発再稼働を狙う安倍首相に命を託すのか 広瀬 隆

     安倍首相の“お友だち”リスト

    匿名記者座談会(新聞編)(テレビ編)

    世界から見た安倍政権 (中華圏)(韓国)(欧州)

    政党インタビュー (民主党)(公明党)(日本共産党)

     安倍首相の暴走と「妄想」

    外交、教育、予算、防衛、社会保障、労働、国家戦略特区

    ほか

     ○増刊号は書店のみの発売です。定期購読には含まれませんので最寄りの書店でお求め下さい。

    ※本増刊号には一部、本誌掲載記事を再録しています。

    ※音訳版も発行します。

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    19:12 2014/04/21

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    篠原 孝 メールマガジン370号「靖国参拝のツケをTPPで払う安倍政権の堕落」14.04.21

    引用

     

    篠原 孝 メールマガジン370号「靖国参拝のツケをTPPで払う安倍政権の堕落」14.04.21

    4月23日のオバマ大統領の訪日を前にして、日米で突貫工事よろしくTPP 2国間交渉が行われている。愚かである。日本側は口癖のように「期限を切って交渉することはない」と言っていたのに、オバマの訪日を前にお土産作りに必死なのだ。相変わらず屈辱的外交がそれこそハナバナしく行われている。日本の国益を損ねる許し難い外交だ。

     

    <TPP国会決議の原形となった日豪EPA国会決議> 話は、第1次安倍政権にさかのぼる。教育改革に熱心だった安倍首相が、06年12月ハワード豪首相が訪日を機に突然日豪EPA交渉を開始した。オーストラリアにとっては願ってもないことであった。この時に衆参農林水産委員会でかなりどぎつい決議が行われている。私は農林水産委員会の野党民主党の筆頭理事としてこの決議に深くかかわった。重要5品目除外又は再協議、脱退(交渉中断)等、今のTPPに対する決議の原形をなすものだった。

     

    <頼もしかった西川公也議員は今は大変身か?> 通常はここまできつく政府をしばる決議は政府が嫌がり、それを受けて与党(自民党)も躊躇する。ところが、この時の西川公也農林水産委員長は、名うての強硬な農林族議員。農民の立場に立って決議を認めてくれたのだ。あれから7年余、西川議員はすっかり柔らかくなってしまった。そして今は先頭に立って妥協に動いている。

     この時に、はじめて関税ゼロにした場合の影響評価を行った。この時の計算がこれまた後のTPPによる影響試算のひな型となった。

     

    <オーストラリアは2番目の安保協力国>

     安倍首相が、なぜ初の農産物輸出大国とのEPAをアメリカ、カナダ、NZではなくてオーストラリアにしたのか論じられたことはない。しかし、私はこの頃に急遽に進んだ日豪の防衛協力と無縁ではないと思っている。

     日本はイラクのサマワへの自衛隊派遣に当たり、憲法9条の制約から自衛隊員には武器を持すことができなかった。復興支援に全力投入し、オランダ軍とオーストラリア軍に守ってもらいつつ任務を遂行している。つまり、ともに協力して復興活動に当たった仲間だった。07年3月ハワード豪首相が来日し、日豪防衛協力が本格化した。オーストラリアはアメリカに次いで2番目の安全保障の協力国になったのだ。 しかし、不運にも安倍政権は07年夏の参議院選挙で、民主党の農業者戸別補償により1人区6勝23敗と大敗し、1年で交代してしまった。それとともに日豪EPAは片隅に追いやられ、進展することはなかった。

     

    <日米TPP交渉の足を引っ張る日豪EPA大枠合意> それから7年近くの歳月が流れた。その間も地道に政府間交渉が続けられてきた。そして、今年になり、停滞するTPPを尻目に西川TPP対策委員長の政府をさておく議員

    外交により、急転直下、日豪EPAの大枠が固まった。皮肉なことに再び安倍首相である。

    私は4月10日の農林水産委員会で「米、麦、砂糖は決議を守ったが、牛肉と乳製品は明らかに守っていない」と政府を追及した。政府自民党は、アメリカの妥協を引き出すためのきっかけになる、などと気楽な仮定の下、判断は議会で、と逃げの答弁に終始した。残念ながら、アメリカはそんなやわな国ではない。オーストラリアと一緒に扱われてたまるかと、かえって反発して態度を硬化させ、TPP交渉の合意の道は遠のいている。

    <日韓・日中関係の改善を望むアメリカ>

    日豪EPAが、日豪防衛協力とセットで進められたと同様、今回もまたもや日米軍事同盟を慮って、TPPがそして日本農業が犠牲にされかけている。歴史は繰り返しているのだ。これをもったいぶって国益のためにある程度の犠牲は仕方がないと説明する。最近になって、外務省は突然、日韓で局長級の協議を始めている。中国とも大した重要人物ではない胡徳平(胡耀邦元主席の長男)を招き、会話を始めるポーズをとっている。いずれもオバマ訪日に備え、日中、日韓とも友好関係回復に乗り出している、という証しを見せるための「おべっか外交」、「いい子ぶりっ子外交」である。 

    アメリカは安倍首相の12月26日の靖国参拝に対し「失望した」という前例のない強烈なコメントを出して、不快感を露わにした。私が年頭のブログ『極東の「イスラエル化」する日本』(14年1月10日)で書き、2月27日の予算委で指摘したとおり、日本はイスラエルと同様に周辺諸国と敵対関係ばかりを作り「極東のイスラエル化」しているのだ。アメリカは近隣の中国、韓国と険悪な関係を造り出してしまった安倍政権には不安を感じながら困っている。そうしたことを反映し、オバマはアジア歴訪から日本をはずすことを考えていたようだ。辛うじて1日滞在することになったが、それを日本が、国賓待遇したいのでせめて2泊してほしいと、それこそおねだりしての訪日になったという。

     

    <TPPがオバマ「おもてなし」の道具に使われる>

    となると、せっかく忙しい合間をぬって2日も滞在してくれるオバマに対してもっといい子ぶらなければならない。とうとうTPPを「おもてなし」の道具にせんとし出したのである。つまり、靖国参拝のツケをTPPの妥協で払おうとしているのだ。これが、日米TPP交渉の卑しい背景である。おもてなしは、2020年の東京オリンピックに向けてすればいいのであって、日本の農業を壊してしまうTPPですべきものではない。

    例によって秘密交渉とやらで、我々国会議員にも国民にもどれだけ妥協しているのかさっぱりわからない。憲法、アベノミクス、原発輸出等では安倍首相は能弁である。しかし、うまくいってないTPPについては仕方のない国会答弁以外触れることはなかった。ところが珍しく、17日のシンポジウムでオバマ訪日を前に「高い観点で結論を出していきたい」と言い出した。気がついてみたら、TPPしか適当なお土産がなかったのだ。悪いことに、憲法改正も含め、「決めるのは私だ」と意気軒昂で、自ら決断する美学に酔いしれている。TPPもその対象にしかねないおそれがある。

     

    <安倍首相の靖国参拝の負い目>

    安倍首相は3月のハーグ・サミットで、アメリカに日米韓の3者会議をセットしてもらったので、少しは恩返ししないとならないと思っているのかもしれない。その代わりに3者会議後、安倍首相は訪日前にTPPで妥協するようにオバマから釘を刺さされているとも言われている。

    この結果4月18、19日の週末に甘利TPP担当相がフロマン代表に呼びつけられる形でワシントンD.Cに交渉に出向いている。

    日米同盟関係をこじらせたのは、一にも二にも安倍首相の靖国参拝である。それをなんとTPPで妥協することによって挽回しようとしている。こんなことのために犠牲を強いられる農民はたまったものではない。損なわれる国益は測り知れない。

     

    <TPPは農産物関税だけではない>

    やってますよ、という過剰な演出をするためなのか、今度は21日(月)から東京でオバマ訪日直前の交渉がおこなわれるという。国民の目には、TPPは農産物の関税交渉かと勘違いされている。他にISD、国民健康保険、特許等重要なことが目白押しなのに、また、農民だけが抵抗していると思わせている。これも農民にとっては迷惑なことである。TPPはもっと広い内容が含まれており、あちこちに大問題が山積しているのが、奇妙に隠されている。私はこれが一番心配である。

     

    <両首脳のいかがわしい思惑>

     外交は内政に直結する。オバマはシリア問題、クリミア問題等の対応が芳しくなく、中間選挙を前にして早くもレイムダック状態である。これといった成果の期待できない今回のアジア歴訪の中で、TPPは願ってもない目玉として残っている。雇用の拡大につながるTPPの大枠合意をしてきたと国民に見せつけたいだけなのだ。 一方、安倍首相は、今まで順調だった金融・財政に続く三本目の矢がさっぱり見えてこない。悪いことに、何か変わるかもしれないという期待感だけで、今やTPPが三本目の矢の中心になっている。このように、日米双方にとってTPPが国民の目眩ましにピタリという点で利害が一致している。

     

    <繰り返される2国間のゴマカシの共同声明>

     例によって政府与党にベッタリの読売新聞が4月20日の朝刊で(他紙が何も触れていないのに)一面トップに「牛肉関税9%以上、TPP日米歩み寄り」とかなり詳細に伝えている。これが事実だとしても、TPPの合意とは程遠い。なぜなら、TPPは12ヶ国の交渉なのだ。同じ農産物輸出国のNZ等の各国が認めないだろう。どっちにしろ、そう簡単にまとまらないのだから、適当なことを紙に書いて得点捻出をしているだけだ。また、関税ゼロでないとアメリカの農業団体が受け付けないだろう。何よりもアメリカ議会はTPAを通しておらず、承認はしない。二人とも国内向けのパフォーマンスだけに血道を上げている。その結果、昨年2月と同様に、それぞれの国民向けに、ありもしない

    外交的成果を発表することになる。

    安倍首相も本当の保守ならば、もうアメリカ大統領が訪日するからといって、忖度外交に明け暮れ、アメリカのご機嫌伺いをするのはやめるべきだ。もう国益に反するアメリカの要求など受け入れず、国会決議に則り、交渉から脱退するしかない。

    =====================================

    本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。このメールはお申し込み頂いた方、名刺交換させて頂いた方に配信させていただいております。配信不要の方はご連絡ください。ご連絡をいただいた後も、配信設定のタイミング上、何通か届いてしまう場合もございますが、ご了承ください。

    ご意見等ございましたら、ぜひ篠原孝事務所までお寄せください。

     e-mail :t-sino@dia.janis.or.jp

    また、よろしければこのメールマガジンをお知り合いの方にも広めてください。

    今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

      篠原 孝

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    衆議院議員 篠原 孝

     長野1区(長野市・須坂市・中野市・飯山市・上高井郡・下高井郡・下水内郡)

     長野事務所 : 〒380-0928 長野県長野市若里4-12-26 宮沢ビル2F

     Tel :026-229-5777  Fax :026-229-5727

     e-mail :t-sino@dia.janis.or.jp

     URL :http://www.shinohara21.com/blog/

    18:15 2014/04/21

     

     

     

    マル激トーク・オン・ディマンド) 武器輸出解禁で日本が失うものとは

    ゲスト:加藤朗氏(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)

    平和主義を国是に掲げる日本が製造した武器が、戦争に使われるようなことがあってはならない。そんな考えから日本は国外に武器を輸出しないという基本方針を1967年以来守ってきた。  安倍政権は「武器輸出三原則」と呼ばれるその方針を破棄し、武器輸出を可能にする政策への転換を4月1日に閣議決定した。

      武器輸出三原則は1967年に佐藤政権が主に共産圏や紛争国に武器を輸出しない方針を表明し、76年には三木政権が基本的にどこの国に対しても武器輸出は慎むとの方針に格上げして以来、約半世紀にわたり日本が守ってきた一線であり、非核三原則と並び日本の戦後平和主義を象徴する政策でもあった。

    しかし安倍政権は日本を取り巻く安全保障環境の変化を理由に、国会の議論を経ずに閣議決定という形で、重大な政策変更を強行してしまった。

    政府は政策変更のメリットとして、米国をはじめとする友好国と最先端の武器の開発プロジェクトへの参加が可能になることで、高いレベルの技術共有が可能になると説明している。また、これまで地雷除去装置のような人道目的で使われる装置も、法律上は武器として扱われるため、友好国に輸出することができなかったが、それも可能になると、そのメリットを主張する。

    しかし、いかなるメリットがあろうとも、まず日本で作られた武器が戦争に使われて、殺傷される人が出る可能性が生まれることは、戦後政策の大きな転換となることはまちがいない。仮に日本が、紛争当事国への日本製武器の直接の輸出を控えたとしても、政府がメリットとして強調する武器の共同開発プロジェクトに日本が参加すれば、その武器が実際に戦場で使われる可能性は非常に高い。その結果として日本が失うものが何なのかを、政府は十分に精査できているのだろうか。

    しかも、政府が強調するメリットそのものが、どうも怪しいという指摘が根強い。国際的な武器取引や安全保障問題に詳しい桜美林大学教授の加藤朗氏は、今回の政策転換で武器輸出を解禁したところで、そもそも日本の防衛産業には国際的な武器市場での価格競争力がないため、日本の武器が世界で広く流通するような状況にはないと語る。また、共同開発に参加をしても、最先端技術の部分はブラックボックス化されていて、日本にそのノウハウが落ちてくると考えるのは安易過ぎると加藤氏は指摘する。

    また、武器輸出三原則はあくまで基本方針だったために、弾力的な運用がなされてきた経緯があり、今無理にそれを変更する必要性が感じられないと加藤氏は言う。日本は過去にもアメリカに防衛技術を供与したり、インドネシアに巡視艇を輸出するなど、例外を設けて限定的ながら武器の輸出を行ってきた経緯もある。

    どうも武器産業がそれほど潤うわけでもなければ、共同プロジェクトの参加によって最先端の技術やノウハウが日本に落ちてくることも、それほど期待できそうにない。しかも、これまで通りの弾力的な運用で、共同プロジェクトへの参加や特定の国に特定の武器を輸出することは十分に可能だったとの指摘もある。では、なぜ今わざわざ国是として大切にしてきた、平和主義の象徴とも言うべき基本方針を、破棄する必要があったのだろうか。

    加藤氏は、正に武器輸出三原則が「非核三原則とともに平和憲法を具現化する外交上の宣言政策」(加藤氏)だったからこそ、安倍政権にとってそれを破棄することに意味があったのではないかとの見方を示す。つまり、実質的な効果やメリット云々よりも、日本が「武器も輸出できる普通の国」になったことを世界に知らしめるアナウンスメント効果に今回の政策転換の真意があるのではないかと言うのだ。そこに安倍政権が目指す「戦後レジュームからの脱却」という隠れた真意があるのではないかと言うのだ。

    しかし、安倍政権はその政策変更やアナウンスメント効果が、かえって中国や近隣諸国を刺激して、さらなる緊張の拡大や軍拡へと繋がる可能性を精査した上での政策変更だったのだろうか。単に首相自身や政権中枢の「思い」や「見栄」を優先した結果の、向こう見ずな政策だとすれば、日本にとってそのコストは余りにも大きいと言わねばならない。

    国会の議論を経ずして行われた武器輸出三原則の破棄が、日本の国際社会における立場をどう変えるのか。政策変更に本当にそれだけのメリットがあるのか。それによって日本が失うものとは何なのか。ゲストの加藤朗氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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    プロフィール

    加藤 朗かとう あきら(桜美林大学リベラルアーツ学群教授・国際政治学者)1951年鳥取県生まれ。75年早稲田大学政治経済学部卒業。会社勤務を経て81年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。同年防衛庁防衛研修所入所。スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員などを経て96年退官。同年桜美林大学国際学部助教授、2001年同教授。08年より現職。著書に『13歳からのテロ問題』、『入門・リアリズム平和学』、『戦争の読みかた』など。 

    7:42 2014/04/20

     

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    日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ [単行本] リチャード・C. ブッシュ (著), Richard C. Bush (原著), 森山 尚美 (翻訳), 西 恭之 (翻訳)

    いんよう

    日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ [単行本]  リチャード・C. ブッシュ (著), Richard C. Bush (原著), 森山 尚美 (翻訳), 西 恭之 (翻訳)

     

    内容(「BOOK」データベースより)

     

    安全保障レジームの創設を急がなければ、衝突は繰り返されるだろう。未来の影、国内政治、安全保障のジレンマ…。尖閣はじめ東シナ海をめぐる構図を解明!ブルッキングス研究所の衝撃レポート。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

     

    ブッシュ,リチャード・C.

    ブルッキングス研究所の外交政策上級研究員、マイケル・H・アマコスト寄付講座研究員、北東アジア政策研究センター所長。ローレンス大学卒業、1978年コロンビア大学政治学博士。連邦下院外交委員会スタッフ、国家情報官(東アジア担当)、アメリカ在台湾協会(アメリカ政府が台湾との実務関係を結んでいる機関)の理事長を歴任

     

     森山/尚美

     静岡県生まれ。1969年東京外国語大学英米語学科卒業。日本NCR、ウォルト・ディズニー・プロダクションズなどの勤務をへてフリー翻訳者に。日本論・昭和史関係の記事や論文の翻訳を多く手がける

     

    西/恭之

     特定非営利活動法人・国際変動研究所主任研究員。兵庫県生まれ。スタンフォード大学政治学科卒業、コロンビア大学政治学修士、衆議院議員秘書をへて2009年シカゴ大学政治学博士。専門はアメリカの国家戦略、軍事作戦思想、日米同盟(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    単行本: 422ページ出版社: 柏書房 (2012/01)発売日: 2012/01

     

    目次

    一九三〇年代の日中の軍事衝突

    中国と日本―二国間関係の経緯

    日中関係の「沈滞」を解明する

    海軍、空軍、海上保安機関、サイバー戦士

    日中の近接地点における摩擦

    日中の軍事制度の特徴

    中国の意思決定

    日本の意思決定

    中国政治における対日関係

    日本政治における対中関係

    緊迫情勢下の日中両国の政治制度

    アメリカへの影響

    何をなすべきか

    日中安全保障関係を詳説した本です, 2012/10/11

    レビュー対象商品: 日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ (単行本)

    著者はアメリカ東アジア政策の現場で20年間のキャリアを積んできたベテラン。本書はそんな著者が日中関係を分析解説した本です。

    冒頭、1970年代、80年代と概ね深刻な問題が発生しなかった両国関係が、90年代以降は互いに相手の意図を読み違え、相互不審を高めるとともに相手に対するカード(日本:経済援助、中国:歴史認識)の有効性が失われてきた事に苛立ちを強めてきた経緯が述べられ、以降、両国の軍事力、統治機構と軍事機構、東シナ海における両国関係の経緯、国内世論の影響、危機管理能力、アメリカとの関係等が詳細に解説されています。

    そして最終章で東シナ海における米ソ海上事故防止協定を参考にした海上連絡メカニズムの構築を提言しています。

    #最も、この構築の困難さ、実効性のある運用が出きるのかと言った点は指摘されています。

    内容は多岐に渡り、かつ具体的なデータに基づいた詳細な物となっていますので説得力があり、現在及び将来の日本の状況を考えると、本書は多くの日本人に読まれるべき一冊ではないかと思います。

    尚、余談ですが原著の題名に関して誤解されているレビューもありますので書かせて頂きます。

    原著の題名「The Perils of Proximity:China-Japan Security Relations」は和訳すると「近接の危険性:中日安全保障関係」と言った感じのものとなり、

    (本書の内容から判断すれば)これは東アジア最大の海軍及び空軍力を持つ日本と着実に国力を増強しつつある中国の2大パワーが、東シナ海という両国にとって近接地域において摩擦を強めている現状を踏まえたものと考えられます。

    一応参考までに、以下に(邦訳版の)出版社による本書を紹介したサイトのURLを記載しておきます。

    [・・・]

    5つ星のうち 5.0  精読したい本です, 2012/12/28

    レビュー対象商品: 日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ (単行本)

    日中軍事関係・安全保障のジレンマを米国ブルッキングズ研究所の観点から整理したもので、日本人(できれば中国人)に一読をお勧めします。時間をかけて丹念に読み込みたい1冊です

    5つ星のうち 4.0  「近接なるがゆえの危険:中国と日本の安全同盟」という

    レビュー対象商品: 日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ (単行本)

    私は本書をアメリカが極めて率直に表明した「日中同盟が結ばれることへの危機感」として読んだ。

    本書の原題は『The Perils of Proximity:China-Japan Security Relations』

    アメリカが恐れる日中同盟が成れば、そこにGDP2,3位同盟、つまりGDPが5兆8800億ドル+約5兆4700億ドル、人口が15億人+1億3千万人の同盟が出来上がるのである。

    アメリカは依然、GDP14兆6600億ドルで1位、人口は3億1500万人である。

    さらに韓国北朝鮮の統一となれば、そこに人口6000万人のフランスと同規模の国が誕生する。

    アメリカが最も恐れるのは日中同盟を含む、東アジア同盟である。

    つまり米にとっては日中が、中国にとっては日米が、日本にとっては米中が同盟することが最も怖いという3すくみの状態になってしまっていることだ。これはもちろん軍事及び経済に直接的に結びつく。

    アメリカの中国包囲網であるTPPに日本が参加するかどうかはよくよく考えたほうがいい。私は参加には反対である。

    5つ星のうち 5.0  中国対策の必要性を実感する。, 2013/4/21

    レビュー対象商品: 日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ (単行本)

    過去の歴史を日中関係としてではなく、東アジア地域と日本との関係でみた場合日本が、東アジア地域(中国)と深く関係した時代ほど日本に不幸が訪れているとしか思えない。自らを華とし、自らの利益しか考えない国家が今、現在西隣りにある事を深く自覚し、今後さらに発生が予測される事態(領土、領海、領空侵略、経済圧力、経済制裁、外交圧力、内政干渉)に備えて、あらゆる面で中国に依存しない体制作りのため、日本が行動すべきことを実感させる著作である。

    5つ星のうち 5.0  日本が誇る第二の海軍「海上保安庁」, 2012/8/22

    レビュー対象商品: 日中危機はなぜ起こるのか―アメリカが恐れるシナリオ (単行本)

    本書では「可能性は非常に低いが、万が一日本の海上自衛隊と中国人民解放海軍との間で戦闘が起きたら、日本が誇る最新鋭兵器により中国側に甚大な損害が出るであろう」とはっきりと書いてある。日本の海軍力はそれだけ強いのだ。このことはもっと日本人の間で知られていい。また、もうひとつ強調されているのが「日本が誇る第二の海軍」、海上保安庁がもつ「海軍力」だ。海上保安庁がもつ巡視船の能力は半端ではない。その総排水量は優に全韓国海軍のそれを上回る。それだけではない。日本にはイージス艦並みの排水量を誇る世界最大の巨大巡視船「しきしま」がある。しかもこのしきしまは、更なる改造を加えられてしきしま改とされ、それが新たに進水しているのである。昨今、尖閣に絡んでよからぬ動きがはじまろうとしているが、諸君、そう心配することはない。日本の海軍力は強いのだ。あとは日本が持つ巨大な軍事力を躊躇なく使い切る政治的意思、それが今試されようとしている。

     

    ついでながら、「本書を読んでアメリカが最も懸念しているのは日中が結託することだ」などというアサッテな書評を書いている人間がいる。本書のどこをどう読んだら、そういう感想が出てくるのか。書評子の脳を、一度徹底的に調べてみたいと思った次第である。

    18:05 2014/04/21


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    2014年4月19日 (土)

    内田 樹・1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている

    引用

    現在:823人

    内田樹(うちだたつる)内田樹(うちだたつる)

    思想家

     

    現代フランス思想、比較文化論が専門だが、ユダヤ人問題から、フェミニズム、教育、戦争まで幅広いテーマに発言している。正義と力の押し付けを嫌い、知的興奮を尊ぶその「おとな」の姿勢から、「思想界の正しいおじさん」と評される。また、合気道はじめ、武道を愛して実践し、体が語る知についても考察を続ける。著書は『ためらいの倫理学』(2001年冬弓社、現角川文庫)、『寝ながら学べる構造主義』(2002年、文春新書)、『「おじさん」的思考』(02年、晶文社)、『下流志向─学ばない子どもたち、働かない若者たち』(07年、講談社)など多数。

    1950年、東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学名誉教授。

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    https://www.radiodays.jp/artist/show/13

    16:04 2014/04/19


    ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) [文庫]内田 樹(著)

    内容紹介

     

    ためらい逡巡する思考の深みへ『おじさん的思考』『寝ながら学べる構造主義』がベストセラーとなった思想界の「正しいおじさん」の原点。ためらい逡巡する精神にこそ意味がある。内田思想の中核をなす最重要本がついに文庫化。

    内容(「BOOK」データベースより)

     

    アメリカという病、戦後責任、愛国心、有事法制をどう考えるか。性の問題、フェミニズムや「男らしさ」という呪縛をどのように克服するか。激動の時代、私たちは何に賭け金をおくことができるのだろうか―。ためらい、逡巡するという叡智―原理主義や二元論と決別する「正しい」日本のおじさんの道を提案する。内田樹の原点が大幅加筆でついに文庫化。

    文庫: 372ページ出版社: 角川書店 (2003/08)発売日: 2003/08

     

    目次

    なぜ私は戦争について語らないか(古だぬきは戦争について語らないアメリカという病 ほか)

    なぜ私は性について語らないか(アンチ・フェミニズム宣言「男らしさ」の呪符 ほか)

    なぜ私は審問の語法で語らないか(正義と慈愛当為と権能の語法 ほか)

    それではいかに物語るのか―ためらいの倫理学(「矛盾」と書けない大学生邪悪さについて ほか)

     

    5つ星のうち 4.0  なんかちがうんだよねとよくかんじてしまう人向き

    あのひとの言っていることは、確かに論理的には正しいことだけれども、なんかちょっと違うんだよね、でも、そのなにかをうまく説明できなくて、いらだってしまうことがけっこうある。そんなふうにかんたんにいえる問題じゃないだろうと。たとえば、アメリカの「正義」、従軍慰安婦問題のこと、教科書問題のことなどいろいろ。これらのテーマを取り上げ、その違和感の在りかの個人的見解をためらいがちに述べたエッセイ集です。この本は、確固たる正義のことばを求めている人、白黒をはっきりさせなければ気がすまない人などには、向かないかもしれません。わからないことがらを、安易に著名人の言説に寄りかかってわかったふりをしないで、わからないといえるひと。わからないながら自分のあたまで考えよう!とするひと向きの本だと思います。

    5つ星のうち 2.0  この頃のたつる君はまともだったけど・・・・

    本を読めばわかると思いますが、これは内田樹がまだ、メディア的には無名だった頃に書いていた評論や雑文を集めたものです。言ってみれば雑文集みたいなものなのですが、全くもって皮肉なことにこれが内田の最高傑作のように思えます。

    まず、この本では、基本的に批判はきちんと名指しでされています。無名だったので、相手の激しい反発も考慮する必要なかったのでしょう。今の内田のエッセイとは大違いです。

    第二に、党派性が薄いです。今の内田は、内田曰く「リベラルおじさん」とやらの存在意義を屁理屈で正当化し戦後民主主義的言論メディア媒体の擁護をするだけの存在ですが、当時は無名だったのでマスコミにお仲間がいなかったのでしょう。

    5つ星のうち 4.0  なんかちがうんだよねとよくかんじてしまう人向き,

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (単行本)

     

    あのひとの言っていることは、確かに論理的には正しいことだけれども、なんかちょっと違うんだよね、でも、そのなにかをうまく説明できなくて、いらだってしまうことがけっこうある。そんなふうにかんたんにいえる問題じゃないだろうと。たとえば、アメリカの「正義」、従軍慰安婦問題のこと、教科書問題のことなどいろいろ。これらのテーマを取り上げ、その違和感の在りかの個人的見解をためらいがちに述べたエッセイ集です。この本は、確固たる正義のことばを求めている人、白黒をはっきりさせなければ気がすまない人などには、向かないかもしれません。わからないことがらを、安易に著名人の言説に寄りかかってわかったふりをしないで、わからないといえるひと。わからないながら自分のあたまで考えよう!とするひと向きの本だと思います。

    「倫理学」とタイトルだけで、引いてしまうひともいるかもしてませんが、その語り口は平明で、けっこう笑わせてもくれます。

    5つ星のうち 5.0  内田樹の原点, 2012/1/15

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    今売れてる“思想家”(神戸女学院教授を退任。道場主というのもどうかと思うので、とりあえず)内田樹の初の単独著作の文庫本化。

     

    26篇のテクストが入っているが、戦争に絡んだ思想(思考方法)批判(Susan Sontag,藤岡信勝、高橋哲哉等)、フェミニズム批判(上野千鶴子等)、物語性に関わるポストモダニズム解説に加え、本書名であるカミュ論“ためらいの倫理学”が主な内容である。

    内田が90年代後半からウェブ上に書きとめていたテクストも多いようで、頼まれものでなく、とにかく自発的に書きたくて書いた性格から、舌鋒の鋭いものも多い(内田は世間を狭くしたと言っている)。

    内田の基本スタンスは“自分が絶対的に正しい”ことを疑わない立場からの発言に対する批判であり嫌悪感である。これが“審問”口調、善悪の単純二元論への批判、そして自らのスタンスとしては“とほほ”的、あるいは“おじさん”的アプローチとなる。これらは現在に至るまでの内田の言説に綿々とつながっているといえよう。

    その意味で本書はその原点である。

     

    読者の一人としては“極端なことを言う人、もっともらしいが少し変だと思うことを言う人がいて、どうしたものかと感じていたが、内田を読んで、なるほど、そうだよなあ、こういう風にも考えられるんだなあ、少し安心した”と感じるわけである。

     

    最後のカミュ論“ためらいの倫理学”は少し趣が変わって、本格的なカミュ論である。カミュの著作と生き方に現れたカミュの内面の動きに対する内田の深い理解と敬愛が伺われ、思わず引き込まれた。もう一度カミュを読んでみたいと思った。

    5つ星のうち 5.0  息苦しさからのブレイクスルー, 2006/3/7

     

     

     

    By

     

    青ち (大阪府) - レビューをすべて見る

     

     

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    著者の講演を某所で聞く機会があったので、試しに手に取ってみたのがこの本。著者にとっては最初の単著であるらしい。基本的には評論集であるが、やや長い論文も挿入されていて、思ったより読みでがあった。

     

    「私は知らない」ということを出発点にしていかに語るか。著者の発想や評論や批判は、ここから始まっている。俎上に載せられるのは、日本人に限って固有名詞を挙げれば高橋哲哉であり、上野千鶴子であり、果てには宮台真司やら岡真理やら…といった面々であるが、著者の評論にはそういう意味で筋が一本通っている。当人はともかく、これを読んで怒り出すような人は、少し自分を振り返ったほうがいいかも知れない。

     

    本書のタイトルともなっている論文は最後に掲載されているが、著者が差し向かっている「息苦しい思想や言説」からのブレイクスルーを模索するものとして読むことができるだろう。ここから先は自分の頭で、もそもそと考えていきたい。

    5つ星のうち 2.0  この頃のたつる君はまともだったけど・・・・, 2012/2/27

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    本を読めばわかると思いますが、これは内田樹がまだ、メディア的には無名だった頃に書いていた評論や雑文を集めたものです。言ってみれば雑文集みたいなものなのですが、全くもって皮肉なことにこれが内田の最高傑作のように思えます。

    まず、この本では、基本的に批判はきちんと名指しでされています。無名だったので、相手の激しい反発も考慮する必要なかったのでしょう。今の内田のエッセイとは大違いです。

     

    第二に、党派性が薄いです。今の内田は、内田曰く「リベラルおじさん」とやらの存在意義を屁理屈で正当化し戦後民主主義的言論メディア媒体の擁護をするだけの存在ですが、当時は無名だったのでマスコミにお仲間がいなかったのでしょう。この本でも、戦後民主主義自体は理屈になってないロジックで肯定してますが、今のように、具体的にどっかの大新聞社を屁理屈で擁護してるとかは無いです。

    結論から言うと、内田樹の思想らしきものは全部この本で語りつくされてます。あとの本は、この本と大同小異のことを言っているだけです。

    5つ星のうち 5.0  バカとは何か, 2006/8/26

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    今をときめく内田さんの処女作ですが、以降の著作の原型がみんなこの本に詰まっています。文体は学者さん臭さがまだ抜けていなくて読みにくいのですが、よく読むとユーモアとペーソスに溢れていて思わずにやりとしてしまいます。特に気に入ったフレーズはこれ。

    私たちは知性を検証する場合に、ふつう「自己批判能力」を基準にする。自分のムチ、偏見、イデオロギー性、邪悪さ、そういったものを勘定に入れてものを考えることができているかどうかを物差しにして、私たちは他人の知性を計量する。自分の博識、公正無私、正義を無謬の前提にしてものを考えている者のことを、私たちは「バカ」と呼んでいいことになっている。(32p)

    5つ星のうち 5.0  過不足なき中間, 2006/4/25

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    最初のいくつかの短編の読みやすさ、軽妙な語り口と話題への親しさで、つい引き込まれた。気軽に読めそうなエッセイ集かと思いきや、硬質な論文まで幅広く集められている、お得な一冊。値段のわりにページも多い。特にカミュについて。頭のよい人はこういう風に読み解くのか。なんとなく自分がカミュをわかった気分にさせてくれる。

     

    用語の面でわかりにくさを覚える人もいるかもしれないが、穏健や寛容、中庸なものを意識して好む人と、それらに反感を持つ人の双方に勧めたい。

     

    個人のうちでさえ情緒や思考は一枚岩ではなく、むしろ一つの信念や信条に貫かれて揺らがぬ人のほうがファナティックな危うさを持つ。世界はもともとあまりにも多様。個に優先する普遍があると仮定しても個が普遍や絶対に言及した時点で相対性を帯びる。

    その複雑さを複雑なままにしておくこと、自分自身の中の矛盾さや中途半端さを許すことは、言い換えれば、よい対象が実は悪い対象でもあるという抑うつに耐えることでもある。

    しかし、自分の中の空白、自己の抵抗が示す抑圧するものを、間断なく見据え続ける作業は、結構、きつい。さぼりたくなることもある。コミュニケーションの修行の困難さに途方にくれながら、私はそれでもほとんど不可能な夢を見る。

    5つ星のうち 4.0  文庫化されて読みやすくなった, 2005/10/29

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    現時点での内田の代表作を一冊選べ、と言ったらこれになるかもしれません(個人的には別のにしたいですが)。あちこちに著者が「書き散らしている」主張のほとんどがここに凝縮されています。

    基本的な著者の視点は「自分を絶対化しない」ということで、自分の正しさを常に疑ってかかる、というところから、宮台真司やスーザン・ソンタグに対する疑義が表出される。ただし、すくなくとも、内田氏自身の著書からこの姿勢を感じ取れるところはすくない。だから、かれの著書は、原稿にされる時点で「これでよいのか?」という自問自答を経ていると解釈すればいいのだと思われる。もうひとつはあまり指摘されていないことだが(そして著者じしんも明言していないことだが)「あたりまえに、常識的に考える」ということだ。業界の常識で世間を眺めるととてつもなくゆがんで見えることがプロフェッショナルにはままある。その陥穽に嵌まらず、専門家ゆえの大胆な問題提起をどうやって行ってゆくのか、そのバランス感覚に著者は優れていると言えるだろう。その結果、「大衆の常識」に合うかたちで話が進んでいるので、ポピュラリティを得ることが出来る反面、衒学志向のつよいひとから嫌われたり、批判的な読みをすることがむずかしくなったりする欠点もある。それは八方美人を目指さない以上は仕方のないことだ。ただ、読者としては、つねに本書に対しても「どこかおかしいんじゃないの?」の眼を持って読む、ということだけは忘れないようにしたい。

    5つ星のうち 5.0  身体は頭よりも物知りだ, 2002/5/10

     

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (単行本)

    理屈ではなく身体感覚として確信していることをバカ正直に思わず口に出してしまい、それが世の中の大方の意見や上司や指導教授や先輩などの考えとはそぐわずに頭ごなしに反論され、罵倒され、貶められてしまうことがある。普通に生きているだけで、そういう場面に遭遇する機会はこと欠かないだろう。そんなことを繰り返しているうちに人は、自分で考えることにだんだんと自信が持てなくなり(というよりもうんざりしてしまい)、ついには本当のバカになってしまうようになる。

     そういう真性バカへのチャートにのっかるよりも、たとえば、波に乗っていた頃の高橋哲哉の本などをわからないながらも熟読し、身体が拒否しつつも自分の意見として無理矢理に取り入れ、そのうえで、他人に向かって知ったかぶりを!!することの方がはるかに利口な生き方に違いない。しかしそれは、安易ではあるが情けない生き方である。そういう愚かな選択をあえてしてしまうのはどういう人なのだろう。おそらく、なんらかのコンプレックスをバネとしつつ、知識人という勝者のフリをしようと努め、それによって、社会的勝者たらんとする欲望に惑わされている人なのだろう。なんとも、楽しくない生き方だ。

     著者の内田氏はそういうところからもっとも遠いところにいる。彼のなかには、コンプレックスを成り立たせている構図(父権制イデオロギーなど)がかけらもないから、たいした拒否反応もなく仮性バカを演じることができ、身体感覚として確信している持論を自信をもって開陳することができる。実にうらやましい生き方だ。また哲学(主に!!レヴィナス)を、自分を惑わしたり他人を幻惑させたりすることを目的とせずに、実際の生活においてどのように運用すればいいのかをわかりやすく示してくれているところもすばらしい。

     武道をたしなむ著者だから「理性としての身体」を生きることができるのか、その逆なのか、いずれにしても、不可解な自分をよく見つめ直すことによって他人の不可解さにも思いを致し、そこに「愛」を芽生えさせる著者の生き方は、新しい世紀を迎えてついに日の目を見ることとなった(ちょっと大ゲサか)。

    5つ星のうち 5.0  日本の思想界でこれだけ論争が行われていたのか,

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    「自己の無謬性を疑わない人間はみんなバカ」という視点から右や左の知識人の言説をバッサバッサと切りまくりながら、一方で埋もれている貴重な思索を宝さがしのように掘り出していく爽快な本(カミュの小説の背景にこんなに深い思索があったとは)。現実問題に哲学で対応する方法を示している。レヴィナスの本を読まなくてもレヴィナスが解った気にさせてくれるのもうれしい。内容的には死者や他者との向き合い方についての論説が一番感銘を受けた(高橋和己の小説「日本の悪霊」の主人公がなぜ原爆死者一人一人の生を明らかにしようとするのか解った)。現代思想関係の突っ込んだ議論が多く他の内田先生の本と比べて解りにくい本だが、他の著作のネタがどこから来ているのか解ったような気がしてくる本なので、内田フアンは必読。

    5つ星のうち 4.0  加藤、フェルマン、カミュ, 2010/1/13

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    もうすでに沢山のレヴューがありますが、あえていまさら屋上屋を重ねる愚を犯します。本書での著者のスタンスは大変明快で「自分を絶対的と信じる立場からの批判は、うさんくさいぞ」ということになります。その観点から戦争論(戦後責任論争での高橋哲哉やソンタグ)、フェミニズム(上野千鶴子ほか)、ラカニスト(あえてこう言いますが、藤田博史など)が批判されてます。また近年の思想系の批評が、<他者>という基準(ではないのですが…)を持ち出して、それをいわば金科玉条として、他の立場を批判するというシェーマを有すること、それがレヴィナスの倫理学、特に<顔>という概念ならざる概念から派生したものであることを強く憂いています。著者いわく、レヴィナスの<顔>は、単に私(自我)を審問するだけではなく、欲望させ、殺意を抱かせるような、きわめてエロス的なものであると。したがってレヴィナスは、他者の<顔>に対しては、神を前にした時のように頭を垂れてそれに従うか、寡婦や孤児を遇するかのように歓待し、愛さねばならないと述べていると指摘しています。

    じゃあ著者の立場は?というと、加藤典洋‐大岡昇平(戦争における個人の物語を描くこと)、フェルマン(女という物語を聴き、語ること)、カミュ(レジスタンスのモラルから戦後の「ためらいの倫理」への移行)といった立場、いわば文学的な、ナラティブな立場にシンパシーを示しています。これはこれで、説得力があります。

    デリダも再三、「脱構築はニヒリズムではないし、ネガティブなものではない。むしろ肯定的なaffirmativeものだ」と言っていましたが、内田は<物語>の肯定性を称揚していると思われます。

    いい本です。あえて付け加えれば, 2003/10/10

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (単行本)

     

    短くて目立たない「越境・他者・言語」と題する小論が収められており、私は感動とともに読みました。純然たる思想の語法をもって書かれながら、内容は「なぜ引きこもっていてはまずいのか」を非常な説得力で論ずる好論文です。「おのれの交通能力をはじめから過度に低く設定するのは、おのれの交通能力を過大評価するのと同じくらいに有害である」。名言だと思います。著者が実生活でどのように他者と接しようとしているかが読み取れます。読み手によっては、この本から私的な名言集を編むことも可能ではないでしょうか。

    5つ星のうち 5.0  右から来たものを左に受け流す思想家のその身体技法を味わえ, 2007/9/26

    倒錯委員長 "今田祐介" (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    内田樹という思想家は「固執しないことに固執する」あるいは「立場をとらないという立場をとる」思想家ではないだろうか。彼がプチブレークした「九条どうでしょう?」ではその独特な切り口で「九条このままで何か問題でも?」という論を展開し一躍脚光を浴びた。

    日本の外患内憂という、内政と外交の統合できない、矛盾した状況。

    矛盾を矛盾のまま維持しておいたことに戦後約60年の日本の平和があったというのが彼の結論だ。

    この「矛盾を矛盾のまま維持しておく」こと。

    これは彼の初期の作品、この『ためらいの倫理学』から通じる彼の思想のエッセンスである。

    例えば、売春の是非について。

    売春という性の商品化から少女を守ろうという反対派の意見もありながら、

    現に売春で飯を食っているセックスワーカーの人権はどうすればいいのか?という肯定派からの反問も出てくる。

    この問題への彼の提言はいたってシンプル。

    つまり「セックスワークで生計を立てている女性の人権を保障しつつも、少女たちを売春から守る」ということである。

    いっけんこれは「何も言っていないではないか!」という気がしないでもない。現にそういっている知り合いもいる。

    しかし矛盾した状況の矛盾した様をかみ締めること、それが彼の思想の根幹であるのではないだろうか。

    そしてさらに突き詰めていけばそれは、彼が「世界は変えられない(変える必要がない?)」という経験的認識と「確定事項の状況下でいかにましにふるまうか」という倫理をあわせもっているからではないだろうか。ペシミスティックに聞こえるがそれらの源流にあるのは、前者は彼自身あまり語らない(語りたがらない?)学生運動へのコミット、後者は彼自身が師匠と仰ぐユダヤ人哲学者レヴィナスの思想ではないだろうか。卵が先か鶏が先か。両者がどのように結びついているのかはわからないが、今後も注目の思想家であることには間違いない。

    5つ星のうち 4.0  知的なおじさん、おじいさんを目指す人におすすめ。,

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    内田樹の出版界へのデビュー作だと言う。中身は、ご自身の投稿した大学紀要や、ブログの再構成なのだが。とにかく彼の考え方のスタンスに同感できる。素晴らしい知性を持っているが、控えめで、自分の分を弁えながら譲れないところはしっかり発言していく。これは素晴らしいことである。普通の知性ある“おじさん(おじいさん)”を目指す我々にとって、まさに救世主的な存在ともいえる。

    5つ星のうち 4.0  わたしも非「極端」でありたいな。, 2012/6/15

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    養老孟司さんのおススメということで、初めて内田さんを知り、たまたま古本屋で見つけたこの本を読みました。

     

    内田さんの「私たちは知性を計量するとき、その人の「真剣さ」や「情報量」や「現場経験」などというものを勘定に入れない。

    そうではなくて、その人が自分の知っていることをどれくらい疑っているか、自分が見たものをどれくらい信じていないか、自分の善意に紛れ込んでいる欲望をどれくらい意識化できるか、を基準にして判断する。」(本文引用)

    という自己批判能力に重点を置いたスタンスの論文(エッセイ?)に、わたしはとても好感が持てました。

    もっと内田さんの本は読んでみたいと思います。

    あと高橋源一郎さんの解説がとても面白かった。簡単にいうと「極端」な考えは自分も周りも幸せになれないし疲れる。

    だから内田さんのように何事にも非「極端」なスタンスでありたいというような内容。わたしも本当そう思います。

    5つ星のうち 4.0  徹底的な知的人間, 2007/5/19

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    内田先生は、私たちがもやもやしていたものを、「なるほど!」と思わせることが上手い思想家。上手いのだが、「で?」と次のステップに思考を移行させてくれるサービスも欠かさない。フェミニストやポストモダニストに噛みつくが、傷跡が付かない程度に噛みつく。

     

    「自分が非常に知的であること」を他人にショウ・オフすることよりも、自分が「ぜんぜん知的でない人間である」可能性について考究することが好きな「徹底的な知的人間」である内田先生は、何が正解か分からない事は「分からない」と堂々と言う。しかし、その分からない事自体のレベルが高い。大多数の人は、理由なき解答を勝手に作っていたか、あるいは考えもしていないところに目を付ける。

    日常が多忙すぎて、仕事以外のことが思考停止している人が読むと、より充実感がある。固まりつつある脳みそをかき混ぜてくれる一冊である。

    5つ星のうち 5.0  戦争責任やフェミニズムなど、現在の日本人に関する思想的な議論をあざやかに整理し、問題の本質を教示した本, 2012/5/1

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    哲学者であり倫理学者であるエマニュアル・レヴィナスの研究家(いろいろやってる人だけどとりあえずこういう肩書にしておく)、内田樹氏の最初の単行本(現在はいっぱい本出してます)。戦争や戦争責任、フェミニズムや性道徳といった、現代における難しい問題について、議論の状況、さまざまな意見をきれいに整理して、それぞれの問題に対するそれぞれの考え方に潜む問題点を明快に示したもの。ウチダ氏の著作の中では、いちばんスッキリとした文章で、しかも説得力があると思います。「私家版 ユダヤ人論」もインパクトがあった(ユダヤ人がなぜ迫害される民かというと、それはユダヤ人が迫害されることに存在意義を見出しているから、という驚くべき結論を導くもの)けど、この本もなかなかいい。高校生が参加した国際コンベンションのお題が「ユーゴスラビアへのNATOの空爆について」だったときに、あまり発言できなかった日本の高校生を叱咤した教育者に、著者は強い不快感を表明し、朝日新聞でのスーザン・ソンタグと大江健三郎との往復書簡を想起する。このときソンタグは「わたしは、ユーゴスラビアに行き、空爆と、戦争をこの目で見、体感してきました、だからこのことについて語る資格があるのです」と言う。しかし、直接見聞きしてない人間が沈黙せざる得ないような論理は、裏返せば、「メキシコインディアンを直接殺戮したアメリカの騎兵隊のみが、その事実(殺害の体現者であるのだから)を正当的主張」できるというのと同じであり、何より、直接体験した人間に無謬性はないと言っているのと同じではないか、とする。ここでウチダは、「私たちは、知性を計量するとき、その人の『真剣さ』や『情報量』や『現場経験』などというものを勘定には入れない。そうではなくて、その人が自分の知っていることをどれくらい疑っているか、自分が見たものをどれくらい信じてないか、自分の善意に紛れ込んでいる欲望をどれくらい意識化できるか、を基準にして判断する」と投げかける。これについては、諸手を挙げて賛成。なお、戦争責任において、「戦争によって犯された事実を究明し、その事実を認識し、認めさせることで、真の戦争責任が成り立ち、哀悼という行為を強いることができる」という高橋哲哉の議論に対し、いわゆる戦争における「事実」の究明が果たして可能なのかはさておき、高橋の議論に潜む、戦争当事者を「審問」し、戦争責任を認めるかどうか「査問」するかの語りと思考によって、果たして、哀悼という、多分に内的で複雑かつ二律背反の感情を含む行為を導き出すことができるのか、と疑問を呈する。日本人の兵士の死を悼む一方で、その先には日本人の兵によって死に追いやられたアジアの人や当時の敵国の人がいる。そのことに思いを致すこと自体、「正義か悪かといった二元論的に割り切れないもの」であり、この「ねじれ」を体感し、同時に複数の基準を持って語り得る者こそが鎮魂について語りうるのではないかとする。そしてレヴィナスの論説を引きながらこう述べる。「個々が正義であるか悪であるかを切り分けるには、その者の顔を見ずに行うことが必要である。顔を見ることによって、この切り分けを妨げる感情が生起するからだ。しかし、その顔を見ないという行為は、他者との出会いを否定することであり、その者を殺人することによってしか成就しないのだ。」。

    5つ星のうち 5.0  ためらいなく語られるためらいの倫理学, 2009/10/13

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    今をときめく評論家・エッセイスト内田樹の、記念すべきデビュー作である。

    「なぜ私は戦争について語らないか」「なぜ私は性について語らないか」「なぜ私は審問の語法で語らないか」「それではいかに物語るのか」の四つの章に分かれている。通底しているのは(『ためらいの倫理学』というタイトルに示されているように)、語りの態度としての「ためらい」の必要性である、と言っていいであろう。

     内田は言う。私は自信満々の語りを信じない。ためらいのない語りを信じない。なぜなら「自分は間違っているかも知れない」というためらいこそが、真正な語りの必要条件であるからだ(十分条件ではないが)。「自分は正しい」という信念に基づく、異論反論をシャットアウトするような自信満々の語りは、その時点で他者に耳を傾ける謙虚さを失っており、真正ではありえない。内田はそう言ってスーザン・ソンタグや宮台真司といった「自信満々の」論客を一刀両断する。

     内田の言っていることは正しいと思う。しかし気になるのは、「真正な語りにはためらいが必要である」と語っている内田の口調に、ためらいが感じられないことである。「自信満々の語りを私は信じない」と、自信満々に語っていることである。

    もっともそんな不満を吹き飛ばしてしまうほど、内容は充実しており面白い。その後の内田の活躍も大いにうなずける、デビュー作とは思えないレベルの高さである。今後も目が離せない論客の一人であることは間違いない――とためらいつつも言っておこう。

    5つ星のうち 5.0  自己の正義の無謬性を疑え, 2007/9/17

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    著者には失礼ながら、この本の内容を一言に圧縮するなら「自己の論・正義を無謬だと思うな」ということだろう。

    そうした点から、「審問の方法で正義を語り、他人を糾弾する人」「自分を社会の外側において、ある種の超越者の立場から正義を語り糾弾する人」がびしびし批判される。

    さらに具体的には、アメリカの正義の戦争を認める人(ソンタグ)や逆に戦争責任を追及する人、フェミニストなどが批判されている。

    そうした「審問の語法」の裏に、レヴィナスの思想とその問題点、さらにその思想の(意図的?)誤読があるというのは興味深い。

    最後のカミュの分析はわりと面白かった。要するに正義を信じ込みすぎてはダメということですね。常に正義を疑い続けないと

    5つ星のうち 4.0  平易な言葉での文章, 2013/8/25

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    全体的に平易な言葉、文章で構成されています。このため自分に当てはめて考えることも充分可能であり、納得しながら読み進むことが出来ます。

    5つ星のうち 3.0  思想・哲学書の初心者向け, 2012/4/13

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    内田樹のデビュー作です。内田節全開です。しかし他の小難しい哲学書などに慣れた人には物足りないかもしれません、面白いですが。

     

    5つ星のうち 4.0  ためらいの倫理学を発展させてください, 2011/7/20

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    内田先生のデビュー作にして、その後のエッセイのプロトタイプ。おっしゃっていることは、概ね「部外者になるな。有責性を覚知せよ」「無知の知の自覚こそ知的である」「語ることと語られることを一致せよ」などなど・・・。

    一番最後の「ためらいの倫理学」はとても面白い。内田先生、時事エッセイはもういいので、このテーマを発展させて一冊本を書いてください(退官なさったので無理かもしれないけど)。

    あと某協会でも話題になった「ラカニアン」「ラカニスト」批判に評者も深く同意。「ラカン語」を使わないでラカン理論を説明できるようになりたいものである(無理か・・・)。

    5つ星のうち 3.0  内田パターンの原型, 2011/6/15

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

    基本的に、内田先生の本は面白いのだけど。これは、かなり売れっ子になる前の本みたいです。なので、結構実名をあげて批評を行なってます。

    モノの捉え方としては面白いんだけど、だんだん飽きて来たなぁ。街角シリーズは好きだけど。なんか、この文体を真似て書いて、なおかつ村上春樹が好きとか言ってる輩が嫌だ

    5つ星のうち 2.0  人を呪わば穴二つ, 2009/10/8

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    この本で内田氏は「現実の矛盾やねじれを受け入れ、なるべく白黒をはっきりさせず、ためらうべきだ」と主張します。つまり、政治的な思考を批判して哲学的な思考を称賛するということです。ただ、内田氏も他人を批判する時は(当然ですが)白黒はっきりさせ(内田氏自身も正義だとか正しいという言葉をよく使います)批判するわけで、言うなれば、この本は自分で「ためらわない奴はバカ」と規定しておきながら、内田氏自身が自分の手で自分がバカなのを暴いていくという変な本になっています。(内田氏が設定するバカの基準に内田氏自身があてはまっているという意味です。内田氏が開き直りで使う「無知の知」ではないです)

     

    内田氏の主張以前の根本的な疑問も何個かあります。そもそも内田式処世術(なるべく白黒はっきりさせない哲学的思考)が許されるのは現実から隔離された「象牙の塔の住人」の特権ではないでしょうか。

    政治活動家に対して政治的思考をするな、という矛盾した批判が成り立つのかも疑問です。政治活動家は象牙の塔の住人とは違い、常に現実と向き合い、限られた条件、限られた情報、限られた時間の中で、時に悪魔と手を結び、汚い仕事を引き受け(道徳的には非難されても政治的には正しいということはよくある)、社会を変革したり、社会秩序を回復したりすることが仕事なわけで、そもそも内田氏の批判は的外れではないでしょうか。(内田氏はこの問題を知性にリンクさせて批判していますが、この問題は明らかに立場の違いでしょう。内田氏の問題設定では常に象牙の塔の住人が勝利することになり、これは正に内田氏が言うところの「不敗(腐敗)の構造」でしょう)

     

    いずれにせよ、ためらうと言いながらためらわず、語らないと言いながら語る、内田氏の自分に対する評価は高すぎると思います。

    5つ星のうち 4.0  内田樹はスゴイぞ。, 2007/12/20

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    一読して「ヒデぇな、コリャ」とちょっとがっかり。この人の書くものは読みやすく、読む人を惹きつける力はある。おもしろい。前々からそう思っていたから、読んでみたのだけれど、その「おもしろい」の次元が「笑える」という程度に過ぎないな、というのが一読しての印象。部分々々には「一理あるな」と納得させられるところがあるのだけれど、肝心の結論のところで――フェミニズムへの批判にしても、宮台真司に対する批判にしても――完全に敗北している。「あぁ、上野千鶴子なら~~と言って事も無げに反駁するだろうなぁ」「宮台ならこういう反論であっさり覆してしまうだろうなぁ」ということが、あまりに容易に想像がついてしまう。そういう意味で「内田樹は意外にもあまり知的レベルが高くないぞ」と思いかけてしまった。しかし、時間をかけて考えるうちにこれがこの人の作戦なのではないか? と思い始めた。内田樹の伝えようとしていることは結論にあるのではなく、部分々々の「一理あるな」と納得させられるところの方じゃないかと……。つまり。「これはシロート向けの駄文ですから」というエクスキューズを表面的なスタイルにとっておいて、しかも結論ではあたかも無自覚に馬鹿なことを言っているかのように見せ、「ハナシにならんな」と鼻で笑わせておく。しかし、内田が一番やりたいことは、その結論の馬鹿馬鹿しさ(失敬!)にすら気づかない層もふくめた幅広い読者たちが、結論以外の「一理あるな」と思わされる部分等をもとに疑問や想像を膨張させて「既に決着済み」とされていることにも再考を始める、そういう「揺さぶり」に狙いがあるのではないか。たとえそれが完全に自覚的ではないにしても、それこそ筆者が繰り返し引いているレヴィストロース言うところの「野生の思考」に通じるではないか。内田樹、おそるべし。しかし、それでも結局この人のしていることは「ネガティヴ・キャンペーン」の域を出ない現状批判であって、具体的な対案は何一つ示されない。それで星1つ減らして、4つです。

    5つ星のうち 3.0  ちょっとした「不満」, 2007/10/3

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    この人はいつもチクチクとフェミニズムに対する嫌悪感を表しますがあまり賢明とは思えません。正義を御旗にし応答しない不正を声だかに糾弾するというイメージがあるようですが、フェミニズム理論からすれば貧困なイメージだといわざるを得ない。そういう人もいることは否定しませんが(よくメディアに出るし)

    彼がそういうイメージを再生産する言説を吐き続けることでかえってそういう貧困なフェミニズム像を本当のフェミニズムだと勘違いする人が増えてしまうように思えます。フェミ倫理学のひとつ「ケアの倫理」などは彼の好きなレヴィナスのそれにだいぶ近いと思いますが。

    5つ星のうち 2.0  キレがいいというより、見かけだけ重そうな感じ,

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    内田の本はこれで2冊目だけど、正直言って今回はダメ。古いので、今は彼も変身しているかもしれないが、なんといっても鈍牛のようなキレの悪さ。かといってずっしりとした重厚な論理展開もない。上野千鶴子は別格としても、フェミニズムなんて、論破したり解説するのではなく、無視すればいいのではないか。他の論文も、「よくいろいろと読んでますね」という感じだけで、別段これといったキレはない。

    でも、もう少し彼のことは見守っていきたい、というところか。

    5つ星のうち 5.0  感動!内田樹フアンになっちゃうよ!, 2004/1/12

    レビュー対象商品: ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

     

    買って。いいから。黙って。感動しました。とにかく面白い。値段も安いし、買って損はしない一冊です。欠点は、タイトルがつまらないことです。『バカの壁・・改訂版』とでもすればよかったのに。

    15:45 2014/04/19

    よう

    内田樹内田 樹生誕1950年9月30日(63歳)日本の旗 日本・東京都

    時代20世紀の哲学21世紀の哲学 地域日本哲学

    学派フランス現代思想研究 研究分野

    倫理学、人間学社会思想文学、文芸評論、文学理論

    公式サイト内田樹の研究室 テンプレートを表示

     

    内田 樹(うちだ たつる、1950年9月30日 - )は、日本の哲学研究者、思想家、倫理学者、武道家、翻訳家、神戸女学院大学名誉教授。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。学位は修士(東京都立大学・1980年)。

    目次  [非表示]

    1 経歴 1.1 政治的な立場

    1.2 護憲派としての側面

    1.3 保守的側面

    1.4 教育問題における立場

    1.5 愛国心及び君が代起立問題

    1.6 格差社会論批判

    1.7 学力低下論

    1.8 「地球温暖化で何か問題でも?」

     

    2 ブログ

    3 著書 3.1 単著

    3.2 共著・編著

    3.3 翻訳

    3.4 ダウンロード・コンテンツ

    3.5 USTREAMアーカイブ

     

    4 脚注5 外部リンク経歴[編集]

     

    東京都大田区下丸子に生まれ育つ(父は、満鉄、戦時中は政府機関に所属した。戦後、サラリーマンを経て会社を経営し、日中友好協会にも関わった)。1963年に大田区立東調布第三小学校を、1967年に大田区立矢口中学校を卒業。1966年、東京都立日比谷高等学校に進むが、高校2年で成績が学年最下位になり、のち品行不良を理由に退学処分を受け、ジャズ喫茶でアルバイトをする。しかし家賃も捻出できず、親に謝罪し家に戻った。

     

    大学入学資格検定を経て1969年、東京大学入試中止の年に京都大学法学部の入学試験に失敗。1年間の浪人生活を経て、1970年に東京大学文科III類に入学し、1975年文学部仏文科を卒業。指導教官は菅野昭正。

     

    大学時代、畏友竹信悦夫から多大な影響を受けてレヴィナスの研究を志し、東京都立大学大学院に進む。大学院生時代には友人の平川克美とともにまず学習塾を、ついで平川を社長とし自身は取締役として翻訳会社「アーバン・トランスレーション」を経営して成功を収める。1980年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。指導教官は足立和浩。1982年4月東京都立大学人文科学研究科博士課程を中退し、東京都立大学人文学部助手となり、1990年から神戸女学院大学文学部助教授[1]。同・総合文化学科教授。私生活では、1989年、一人娘の内田るん[2]をひきとって離婚した。2009年、大倉流小鼓方能楽師の高橋奈王子と再婚[3]。2010年7月から2012年11月まで平松邦夫大阪市長のもとで特別顧問に就任[4]。2011年4月、第3回伊丹十三賞[5]。

     

    2011年に同大学教授を退職し、同大学名誉教授。合気道7段、居合道三段、杖道三段の武道家でもあり、神戸女学院大学合気道部顧問を務める。専門はフランス現代思想、ユダヤ人問題から映画論や武道論まで幅広く、同年11月に東灘区のJR住吉駅前に道場兼能舞台の「凱風館」が完成した[6]。

    政治的な立場[編集]

     

    自民党と公明党による連立政権である安倍内閣に対して、独裁[7]という強い表現を使って反対の立場を表明している。日本共産党に対して機関紙『赤旗』のインタビューで、「マルクスの教えのもっとも本質的なところ、すなわち「ものごとを根底的にとらえる」という意味でラディカルな政党であってほしい」と期待を表明している[8]。

     

    護憲派としての側面[編集]

     

    護憲派であり、共著『9条どうでしょう?』で独自の護憲論を展開した。『すばる』2007年1月号で高橋源一郎、矢作俊彦と対談した際、矢作が、有事に現自衛隊法では自衛隊員は銃を撃つこともできない、こういった「あいまいさ」は関東軍と同様で危険だ、という意見に対し、日本人は原理原則が行動原理ではないので、憲法もあいまいなままでよい、という立場を主張した。

     

    保守的側面[編集]

     

    初期の著作より一貫して、自身の経験とレヴィナスの思想をもとにマルクス主義批判(マルクス批判ではない)、学生運動批判、フェミニズム主義批判(フェミニズム批判ではない)を行なっている。『敗戦後論』を巡る中道派の加藤典洋と左派の高橋哲哉との論争に関して、加藤に対するシンパシーを、一方高橋に対しては強い違和感を表明している。ただし、『諸君!』、『正論』やネット右翼に対しては批判的である[9]。

     

    教育問題における立場[編集]

     

    教育/学習については、その効果は予見的に測定不可能である、との立場をとっている。「事後的に有用性が明らかになるモノを先見的に拾っておく」感性について繰り返し述べており、「その教育/学習はどのような効果が見込まれるのか」という問いを厳しく批判している。この観点から、アウトプットの定量を要求する経営主義的な学校運営に反対している。

     

    教育行政については、一貫して政治や政治家は教育に関わるべきではないとする立場をとっている。それは学校教育という制度が非常に惰性の強い制度であって急激な変更はなじまないと考えている。つまり政治家が替わるごとに教育に急激な変化が起こるのは決して良いものではないという考えである。大阪市長特別顧問に就任した際の記者会見において平松市長に対してこう述べている。「私が市長にお願いしたいことが一つあります。一つだけです。それは地方自治体の首長は教育行政に関与して欲しくないということです[10]」。この“政治が教育行政に関わりすぎるべきではない”という点において、大阪維新の会の教育政策には批判的である[11]。

    公立中学校での武道の必修化について

    公立中学校での武道の必修化については内田樹は反対の立場である[12]。それは、その目的が礼節や愛国心を身につけるためという功利的なものだからである。礼儀正しく振る舞うのは手段であり目的ではない、武道の必修かでは手段と目的が逆転しており武道に対する敬意を欠いている、と主張する。

     

    愛国心及び君が代起立問題[編集]

     

    国家は私事であり擬制であるという意味で幻想である、という考えである[13]。本質的に恣意的な構築物である国家に服従を強制すべきできないと考えている。その恣意的な「つくりもの」の国家を遠い昔からそこにあった自然物のように敬うことができるというのは市民的成熟の一つであるとする。そのため、国旗国歌に対して敬意を抱けない人間はただ市民的未成熟の段階にあり、彼らに起立などを強制し、それに反するものは処罰をするということに反対している[14]。

     

    格差社会論批判[編集]

     

    格差社会論を一貫して批判し続けている。格差社会は裏返せば拝金主義であり、金のことなど気にしなければ良い、と主張している[15]。

     

    特に内田が問題視するのは朝日新聞の「ロスト・ジェネレーション」論を始めとする、「ロスト・ジェネレーション」と「団塊の世代」の世代間格差を問題視する論であり、内田は格差社会論は全てこのような「資源の不当な収奪への異議申し立て」であると定義し[16]、こうした議論については徹底的な批判を加えている。その論法は教育論におけるそれと同様、「ロスト・ジェネレーション」の内面が「ロスト・ジェネレーション」の問題を創り出しているというものである[17]。

     

    学力低下論[編集]

     

    同学齢集団内の競争というシステムが、「他人のパフォーマンスを下げる」という相対優位の戦略を取らせると主張している。学力低下問題では大学の入学定員の多さが学力低下の一因であるという指摘を認めず、逆に「大学教育によって高校までの教育の不完全さを補っているのだ」との論陣を張った[18]。ただ、教育問題については、以前は現場の教員の指導能力に教育問題の元凶を求める論調が強かったが、講演会などによって現場の教員との交流が始まった後は、むしろ教育行政や保護者・児童・生徒の教育観を問題視する立場にシフトしている。教育行政がリアリスティックに「勉強すれば金になる」というイデオロギーによって政策を決定し、それを親も教師もメディアも政治家も賛同しているからであると主張する[19]。安倍政権が成立させた教育関連三法案には断固反対の態度を貫いた他、中央教育審議会や文部科学省の施策には批判的ことが多い。因みに、自身は博士号・Dr.・Ph.D等は、有していない。

     

    「地球温暖化で何か問題でも?」[編集]

     

    内田は、地球温暖化問題については、池田清彦の説に依拠し、大気中の二酸化炭素濃度上昇と温暖化の関係は実証されていないと考えている。やがて地球は再び氷河期に向かうのでそれほど怯えていない、という意味のことをブログで述べている。現在の温暖化問題は、「現状と違うこと」が起こると困る「政府」が必要以上に騒いでいるだけかもしれない、と主張している[20]。

     

    ブログ[編集]

     

    「内田樹の研究室」というブログを運営している。著書の多くは、このブログのテキストを編集者がテーマ別に編集したものである。

     

    『ためらいの倫理学』など初期の著作は、ブログに移行する前にサイト(1998年開設)に掲載された文章が収録されている。『ためらいの倫理学』は、編集者(冬弓舎の内浦亨)が内田のサイトのテキストを発見したことから刊行された(初版は1200部であった)。

     

    かつては、ブログにはコメント機能が設けられており、しばしば主張への批判や反論も書き込まれていたが、本人からの反批判や再反論は少なかった。これについて内田は、「どちらが正しいかは読んだ人の判断に任せる」との立場を取っていた。

     

    内田の著書の多くは、ブログの再編集により成り立っているため、類似のエピソードないしは同じ主張が複数の本に採録されている。内田は、このことについて、名人落語家の十八番(5代目古今亭志ん生の「火焔太鼓」)のようなものと主張している[21]。特に映画「エイリアン」についてフェミニズム論、映画論などテーマを変えて何度も論じているが、これも火焔太鼓のようなものと述べている[22]。

     

    「書くことの目的が生計を立てるではなく、一人でも多くの人に自分の考えや感じ方を共有してもらうこと」との考えから、ネット上での公開物については「著作権放棄」の考えを示しており、剽窃での出版すら容認する発言をしている[23]これはロラン・バルトの「作者の死」に着想を得ていると思われる[24]。一方、講演については謝礼が必要(ノーギャラは仕事の価値を認めていない)としている[25]。

     

    コラムニストの加藤嘉一によると、現代日本人を理解するテキストとして、中国の大学では、ルース・ベネディクト著『菊と刀』とともに『日本辺境論』が親しまれているという[26]。内田は、はじめから中国や韓国の読者に読まれることを前提として、本書を書したと述べている。

    01 『ためらいの倫理学』 冬弓舎 2001年 ISBN 4925220020 角川文庫 ISBN 4043707010

    02 『レヴィナスと愛の現象学』 せりか書房 2001年 ISBN 4796702369 文春文庫 ISBN 4167801485

    03 『「おじさん」的思考』 晶文社 2002年 ISBN 4794965303 角川文庫 ISBN 4043707053

    04 『期間限定の思想―「おじさん」的思考2』 晶文社 2002年 ISBN 4794965494 角川文庫 ISBN 4043707061

    05 『寝ながら学べる構造主義』 文春新書 2002年 ISBN 4166602519 

    06 『女は何を欲望するか?』 径書房 2002年 ISBN 4770501803 角川oneテーマ21 ISBN 4047100900

    07 『子どもは判ってくれない』 洋泉社 2003年9月 ISBN 4896917596 文春文庫 ISBN 978-4167679910

    08 『映画の構造分析』 晶文社 2003年 ISBN 4794965753 文春文庫 ISBN 4167801256

    09 『私の身体(からだ)は頭がいい』 新曜社 2003年5月 ISBN 4788508478 文春文庫 ISBN 4167717441

    10 『疲れすぎて眠れぬ夜のために』 角川書店 2003年5月 ISBN 4048838199 角川文庫 ISBN 4043707037

    11 『他者と死者』 海鳥社 2004年 ISBN 4874154980 文春文庫 ISBN 4167801493

    12 『死と身体』 医学書院 2004年 ISBN 4260333666 

    13 『街場の現代思想』 NTT出版 2004年 ISBN 4757140754 文春文庫 ISBN 4167717735

    14 『知に働けば蔵が建つ』 文藝春秋 2005年 ISBN 4163677003 文春文庫 ISBN 4167753138

    15 『街場のアメリカ論』 NTT出版 2005年 ISBN 475714119X 文春文庫 ISBN 4167773686

    16 『先生はえらい』 ちくまプリマー新書 2005年1月 ISBN 4480687025 

    17 『私家版・ユダヤ文化論』 文春新書 2006年 ISBN 4166605194 第6回小林秀雄賞受賞

    18 『態度が悪くてすみません』 角川oneテーマ21 2006年 ISBN 4047100323 

    19 『狼少年のパラドクス』 朝日新聞出版 2007年2月 ISBN 4023303771 改題『街場の大学論』角川文庫 2010年10月 ISBN 4043707045

    20 『下流志向』 講談社 2007年 ISBN 4062138271 講談社文庫 ISBN 4062763990

    21 『村上春樹にご用心』 アルテスパブリッシング 2007年 ISBN 4903951006 

    22 『もういちど村上春樹にご用心』 2010年 ISBN 4903951375 『村上春樹にご用心』の増補版の色が濃く、同書と重複する文章が多い。

    23 『街場の中国論』 ミシマ社 2007年6月 ISBN 4903908003 増補版 ミシマ社 2011年2月 ISBN 4903908259

    24 『ひとりでは生きられないのも芸のうち』 文藝春秋 2008年 ISBN 4163696903 文春文庫 ISBN 4167801159

    25 『昭和のエートス』 バジリコ 2008年 ISBN 4862381189 文春文庫 ISBN 4167838087

    26 『こんな日本でよかったね』 バジリコ 2008年 ISBN 4862380964 文春文庫 ISBN 4167773074

    27 『街場の教育論』 ミシマ社 2008年11月 ISBN 4903908100 

    28 『日本辺境論』 新潮新書 2009年 ISBN 4106103362 2010年度新書大賞受賞

    29 『邪悪なものの鎮め方』 バジリコ 2010年1月 ISBN 486238160X 文春文庫 ISBN 4167900157

    30 『街場のマンガ論』 小学館 2010年4月 ISBN 4778037170 小学館文庫 ISBN 9784094060218

    31 『街場のメディア論』 光文社新書 2010年8月 ISBN 4334035779 

    32 『武道的思考』 筑摩選書 2010年10月 ISBN 4480015078 

    33 『最終講義』 技術評論社 2011年6月 ISBN 4774147095 

    34 『うほほいシネクラブ 街場の映画論』 文春新書 2011年 ISBN 4166608266 

    35 『呪いの時代』 新潮社 2011年11月 ISBN 4103300116 

    36 『街場の読書論』 太田出版 2012年4月 ISBN 4778312880 

    37 『僕の住まい論』 新潮社 2012年7月 ISBN 4103300124 

    38 『街場の文体論』 ミシマ社 2012年7月 ISBN 4903908364 

    39 『修業論』 光文社新書 2013年7月 ISBN 4334037542 

    40 『内田樹による内田樹』 140B 2013年9月 ISBN 4903993183 

    41 『街場の憂国論』 晶文社 2013年10月 ISBN 4794968116 

     

    01 『映画は死んだ』 松下正己 いなほ書房 1999年 ISBN 479520599X 新版

    ISBN 4434034871

    02 『現代思想のパフォーマンス』 難波江和英 松柏社 2000年 ISBN 4881989324 光文社新書

    ISBN 433403277X

    03 『大人は愉しい』 鈴木晶 冬弓舎 2003年 ISBN 4925220063 ちくま文庫

    ISBN 4480423559

    04 『東京ファイテイングキッズ』 平川克美 柏書房 2004年 ISBN 4760126252 朝日文庫

    ISBN 4022615311

    05 『14歳の子を持つ親たちへ』 名越康文 新潮新書 2005年 ISBN 4106101122 

    06 『身体(からだ)の言い分』 池上六朗 毎日新聞社 2005年 ISBN 4620317314 

    07 『健全な肉体に狂気は宿る』 春日武彦 角川oneテーマ21 2005年 ISBN 4047100064 

    08 『いきなりはじめる浄土真宗―インターネット持仏堂1』 釈徹宗 本願寺出版社 2005年 ISBN 4894167778 角川ソフィア文庫

    ISBN 4044089043

    09 『はじめたばかりの浄土真宗―インターネット持仏堂2』 釈徹宗 本願寺出版社 2005年 ISBN 4894167786 角川ソフィア文庫

    ISBN 4044089051

    10 『東京ファイティングキッズ・リターン』 平川克美 バジリコ 2006年 ISBN 4862380344 文春文庫

    ISBN 4167773376

    11 『身体(からだ)を通して時代を読む―武術的立場』 甲野善紀 バジリコ 2006年 ISBN 4862380034 文春文庫

    ISBN 4167773988

    12 『身体知―身体が教えてくれること』 三砂ちづる バジリコ 2006年 ISBN 4862380050 講談社プラスアルファ文庫

    ISBN 4062813947

    13 『9条どうでしょう』 小田嶋隆

     平川克美

    町山智浩 毎日新聞社 2006年 ISBN 4620317608 ちくま文庫

    ISBN 4480429948

    14 『逆立ち日本論』 養老孟司 新潮選書 2007年 ISBN 4106035782 

    15 『合気道とラグビーを貫くものー次世代の身体論』 平尾剛 朝日新書 2007年 ISBN 4022731648 

    16 『大人のいない国 成熟社会の未熟なあなた』 鷲田清一 プレジデント社 2008年 ISBN 4833418886 文春文庫

    ISBN 4167838540

    17 『橋本治と内田樹』 橋本治 筑摩書房 2008年 ISBN 4480814981 ちくま文庫

    ISBN 4480428488

    18 『現代霊性論』 釈徹宗 講談社 2010年 ISBN 4062159546 講談社文庫

    ISBN 4062775166

    19 『現代人の祈り-呪いと祝い』 釈徹宗

     名越康文 サンガ 2010年 ISBN 4904507592 サンガ新書

    ISBN 4904507975

    20 『おせっかい教育論』 鷲田清一

     釈徹宗

    平松邦夫 140B 2010年 ISBN 4903993108 

    21 『沈む日本を愛せますか』 高橋源一郎 ロッキング・オン 2010年 ISBN 4860520939 

    22 『どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?』 2012年 ISBN 4860521080 

    23 『若者よ、マルクスを読もう』 石川康宏 かもがわ出版 2010年6月 ISBN 4780303605 角川ソフィア文庫

    ISBN 4044086125

    24 『大津波と原発』 中沢新一

     平川克美 朝日新聞出版 2011年5月 ISBN 4022508744 

    25 『身体で考える。』 成瀬雅春 マキノ出版 2011年6月 ISBN 4837671594 

    26 『橋下主義(ハシズム)を許すな!』 山口二郎

    香山リカ

    薬師院仁志 マキノ出版 2011年11月 ISBN 482841651X 

    27 『原発と祈り』 名越康文

    橋口いくよ メディアファクトリー 2011年12月 ISBN 4840143269 

    28 『嘘みたいな本当の話 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト』 高橋源一郎共選、浅井愛編 イースト・プレス 2011年6月 ISBN 4781606237 

    29 『嘘みたいな本当の話 みどり 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト』 2012年6月 ISBN 4781608000 

    30 『日本の文脈』 中沢新一 角川書店 2012年1月 ISBN 404110078X 

    31 『辺境ラジオ』 名越康文

    西靖 140B 2012年9月 ISBN 4903993132 

    32 『荒天の武学』 光岡英稔 集英社新書 2012年12月 ISBN 4087206718 

    33 『評価と贈与の経済学』 岡田斗司夫 徳間書店 2013年2月 ISBN 4198635676 

    34 『大人の作法』 名越康文

     橋口いくよ メディアファクトリー 2013年3月 ISBN 4840151261  

    35 『脱グローバル論』 中島岳志

    小田嶋隆 他 講談社 2013年6月 ISBN 4062184273 

    36 『聖地巡礼 ビギニング』 釈徹宗 東京書籍 2013年8月 ISBN 4487806380 

    37 『能はこんなに面白い!』 観世清和 小学館 2013年9月 ISBN 4093883114 

     

    ムック・アンソロジー

    『生きる意味を教えてください-命をめぐる対話』 田口ランディ他 バジリコ 2008年 ISBN 4862380727 

    『この国はどこで間違えたのか』 小熊英二他 徳間書店 2012年11月 ISBN 4198635099 

    翻訳[編集]

    1.レヴィナス『困難な自由―ユダヤ教についての試論』(国文社 1985年、抄訳)ISBN 9784772000925 改訳版、国文社、2008年、ISBN 4772005242

     

    2.レヴィナス『超越・外傷・神曲―存在論を超えて』合田正人共編訳(国文社 1986年)

    3.ノーマン・コーン『シオン賢者の議定書(プロトコール)―ユダヤ人世界征服陰謀の神話』(ダイナミックセラーズ 1986年)

    4.レヴィナス『タルムード四講話』(国文社 1987年)

    5.ジェフリー・メールマン『巨匠たちの聖痕―フランスにおける反ユダヤ主義の遺産』(国文社 1987年)

    6.ベルナール=アンリ・レヴィ『フランス・イデオロギー』(国文社 1989年)

    7.レヴィナス『タルムード新五講話―神聖から聖潔へ』(国文社 1990年)

    8.レヴィナス『暴力と聖性―レヴィナスは語る』(国文社 1991年)

    9.レヴィナス『モーリス・ブランショ』(国文社 1992年)

    10.サロモン・マルカ『レヴィナスを読む』(国文社 1996年)

    11.レヴィナス『観念に到来する神について』(国文社 1997年)

    12.『ユダヤ教―過去と未来』R.アロン,A.ネエール,V.マルカ(ヨルダン社 1998年)

    13.コリン・デイヴィス『レヴィナス序説』(国文社 2000年)

    14.『ヒチコック×ジジェク』スラヴォイ・ジジェク編 鈴木晶共訳(河出書房新社 2005年)

     

    ダウンロード・コンテンツ[編集]

    『京都大学集中講義2005』(音声資料:http://eau.jp/)

    ラジオデイズ「内田樹」

     

    USTREAMアーカイブ[編集]

    内田樹・平川克美の、たぶん月刊「はなし半分」 ラジオデイズ(2011.8.17配信)

    内田樹・中沢新一・平川克美「いま、日本に何が起きているのか」 ラジオデイズ(2011.4.5配信)

    後に『大津波と原発』中沢新一,平川克美(朝日新聞出版 2011年)として出版される。

    脚注[編集]

     

    特記なき物は全て本人ブログ。

    1.^ 内田樹おもいつき的研究史

    2.^ ラヴラヴ企画のブログ(内田るんのブログ)

    3.^ 刻々是好刻(大倉流小鼓方十六世宗家大倉源次郎公式ブログ)

    4.^ 内田 樹氏を市長特別顧問に委嘱します 大阪市公式ホームページ

    5.^ 伊丹十三賞に内田樹氏 時事通信2011年4月21日

    6.^ みんなの家。(「凱風館」建設の記録) - ほぼ日刊イトイ新聞(設計者の光嶋裕介が「建築家一年生の初仕事」として刊行。(ISBN 978-4903951560))

    7.^ これを「独裁」と呼ぶのです。 しんぶん赤旗日曜版 2014年3月16日

    8.^ しんぶん赤旗 2013年5月31日

    9.^ 特にネット右翼や行動する保守に対しては「自称情報強者だが、その実態は自分の見たくない・知りたくない情報は全て陰謀論の名の下に切り捨て、同様のジャンク情報だけが集まる場に入り浸る情報難民」と評している。朝日新聞2011年9月13日「私の紙面批評」。

    10.^ 平松さんの支援集会で話したこと

    11.^ 平松さんの支援集会で話したこと 今日は維新の会が提案した教育基本条例案の理論的な難点を指摘していきたいと思っていますが、最大の問題点は、この条例案は「学校教育というのは非常に惰性の強いシステムであって、頻繁な変更になじまない」という現場の人間にとっての常識を理解していないということです。

    12.^ 潮 2013年2月号「親と子の居場所はどこにあるのか」84頁。

    13.^ 「リアリスト」に未来はあるか?

    14.^ 「リアリスト」に未来はあるか?

    15.^ 「格差社会って何だろう」

    16.^ 格差社会論(再録)参照。湯浅誠など、世代間格差に言及しない形で格差社会論を展開している論者についての内田の評価は不明。

    17.^ 「東京でお仕事」

    18.^ 「一億総学力低下時代」

    19.^ 利益誘導教育の蹉跌 日本の子どもたちが学習意欲を失ったのは、「勉強すれば、金になる」という利益誘導のロジックが学校教育を覆い尽くしたせいである。親たちも、教師たちも、メディアも、政治家も、みんな同じことを言った。

    20.^ 「地球温暖化で何か問題でも?」

    21.^ 「生きて迎えた夏休み」

    22.^ 本人著『映画の構造分析―ハリウッド映画で学べる現代思想』晶文社、p10-11

    23.^ 「書物について」

    24.^ 『寝ながら学べる構造主義』P131 文春新書、2002年発行

    25.^ 「配偶者の条件」

    26.^ 加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

     

    外部リンク[編集]

    内田樹の研究室

    内田樹の研究室(2010年6~10月の日記)

    内田樹の研究室 旧ホームページ

    京都大学集中講義2005

    内田樹 (levinassien) - Twitter

    内田樹&名越康文の辺境ラジオ

    ラジオデイズ「内田樹」

    凱風館

    典拠レコード: NDL: 00158777 | VIAF: 108319924 | LCCN: nr2002024227 | WorldCat: LCCN連携

    15:24 2014/04/19

     

     

    内田 樹・1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。二〇一〇年七月より大阪市特別顧問に就任。近著に『沈む日本を愛せますか?』(高橋源一郎との共著、ロッキング・オン)、『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『武道的思考』(筑摩選書)、『街場のマンガ論』(小学館)、『おせっかい教育論』(鷲田清一他との共著、140B)、『街場のメディア論』(光文社新書)、『若者よ、マルクスを読もう』(石川康宏との共著、かもがわ出版)などがある。

     内田 樹の著書

    寝ながら学べる構造主義 (文春新書) 内田 樹 (2002/6)

    ¥ 745 新書  

    下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫) 内田 樹 (2009/7/15)

    邪悪なものの鎮め方 (文春文庫) 内田 樹 (2014/1/4)

    その他のフォーマット: 単行本(ソフトカバー)

    街場の教育論 内田 樹 (2008/11/15)

    日本辺境論 (新潮新書) 内田 樹 (2009/11)

    ¥ 799 新書  

    先生はえらい (ちくまプリマー新書) 内田 樹 (2005/1)

    街場のメディア論 (光文社新書) 内田 樹 (2010/8/17)

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    15:16 2014/04/19

     

     


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    川口さんの田んぼにお伺いしたのは一一月前半。周囲の田んぼは、すべて稲刈りを終了させていた。川口さんの田んぼだけ、まだ黄金色に輝いていた。

    いんよう

    永続可能な社会のための、自然農という生き方。

    土地を耕さず肥料や農薬を用いない、そして草や虫を敵としない生命の営みに任せた農 -自然農。永続可能な農業、永続可能な社会。

    それが現代の大きな課題であるとするのなら、その答えのひとつが自然農には秘められている。

    どこにでもある風景のなかで。

    奈良市から国道一六九号を南下する。奈良の古い街並みを抜けると、次第に日本のどこにでもあるような国道沿いの風景が広がる。国道の東側は笠置山地の山々が連なっている。西側に広がっているのが奈良盆地だ。この地域では、ため池かんがいなどの技術を伴った高度の農業が古代に発達したことによって、稲作がおよそ一五〇〇年も前から行われていたと伝えられている。

    奈良公園からほぼ二〇キロ。進行方向左手に、深い緑の木々の生い茂った森が見えてくる。景行天皇陵だ。およそ二〇〇年続く川口家の田んぼは、この古墳を有した森を水源としている。一六九号からわずか西に数十メートル降りたところにその田んぼはある。

    『耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない』ことを掲げた川口由一さんの自然農。国道からでは、車で走っていてはもちろんのこと、車を停めて瞳を凝らして探したとしても、どれが川口さんの田んぼなのか見つからない。都市に住み、ほとんど田んぼの風景から離れた生活をしている私の目には、なおさらそう映ってしまう。

    川口さんの田んぼにお伺いしたのは一一月前半。周囲の田んぼは、すべて稲刈りを終了させていた。川口さんの田んぼだけ、まだ黄金色に輝いていた。

    「四月末に種を撒いて六月に田植え、そして一一月に稲刈りです。それが毎年の決まったサイクルです。気温が低くなって冷たい空気が上から降りてきたら、身がしまってそれまでなかった成分が生まれるんだと思うんです。柿も一度霜にあたると糖分が増す。柿は冬の初めに一生が終わる。ちょうどお米と一緒なんです。お米も霜が降りてから刈ったほうが甘くなりますのや」

    稲刈り直前だというのに、茎は青々としてる。瑞々しくて太い。実った穂の重さで頭を垂れているものの、一本一本スクッと立っている。前の年に実った一粒が、七ヶ月間に及ぶ田んぼでの成長で、二千粒から四千粒へと種子を増やしている。

    「肥料を使って耕して作っている場合は、養分がお米に吸い取られたら、稲はもう元気に生きておられないんです。秋落ちと言いますけど、秋になったら茎は弱くなってしまいます。台風で倒れるとか、虫が大発生するとか、そういうことになってしまいがちになるんです。自然農の田んぼは、足元が常に豊かでしょ。草の亡骸の層が足元にありますから。お米はよく育てられる豊かな足元のところで、半年から七カ月の命を充分に生きられます。いくら土に養分があって豊かな足元のところでも、寿命がきたら死んでいきますのや。いい環境のところで、全うして死んできます。だからうちの田んぼでは、稲刈り間際まで元気で茎も固いんです。刈ったらサクサクという音がします。ひどい土地のところで育てられた稲は、そんな音はしません。藁が軟らかくなっています」

    自然農への転換。

     

    川口さんが自然農という栽培方法でお米を作るようになって今年で二八年目になる。専業農家だった川口さんは、それまで周りの農家と同じように耕運機を使って田んぼを耕し、雑草駆除のために農薬を撒くという農業をしていた。なぜ自然農へと変わっていったのか。それは身体の不調が大きな要因だったという。

    「化学肥料の農薬を使って、機械を使って、石油を使っての農業を二三年やっていました。身体も心も疲れてくるというか、肝臓の機能がうまく働かなくなってきて、病院通いが多くなったんです。当時農地を大規模にして経営するという国の方針が出てきました。代々小作農でしたから、そこまで大きな土地はないし、農業に未来を感じられなくなっていたんです。そんな農業が楽しくなかった頃、有吉佐和子さんの『複合汚染』の連載が朝日新聞で始まりました。農薬を便利なものだと思っているんだけど、身体は疲れてくるし、精神は楽しくなくなっていく。田んぼから帰ってきても、殺虫剤や農薬を使った日は逃げて帰ってくるようでしたから。そんなときに有吉さんの連載を読んでびっくりしましてね。僕はこんな怖ろしいことをしていたのか、こんな怖い農薬を使っていたのかと。怖いものならば絶対に使いたくない。そういう農業はしたくないと思ったんですわ。同じ頃に福岡正信さんが自然農法、藤井平司さんが天然農法という言葉で警鐘をならしておられた。三人の書物を手にすることによって、ひとつの手がかりを頂きまして。それまでの農業を止めて、自然農として一歩を踏み出したんです」

    しかし、自然農に切り替えてからの三年はほとんど農作物の収穫が得られなかった。土を耕さず、農薬や肥料を使わずに草や虫を敵としない農法では、翌年の種を取るくらいしか収量がなかった。それでも川口さんには、この自然農という農法によって、いつかは肥沃な土となって豊かな実りにつながっていく未来の姿が見えていたという。

    「三年はお米も全滅でした。それでも続けた一番大きな理由は、辛い農業にもう再び戻りたくなかったから。もうひとつは経験から、自然農で作物が育つはずだという確信があったんです。育てられないのは僕の手の貸し方が拙いから。手の貸し方をうまくやれば必ず育つという確信があったんですわ。お米や野菜を育てることに固定概念がありました。人間のこちら側で形を決めて作物に従わせる、そういうやり方を多くの人は農業でもやっているわけですのや。僕もそうでした。いろいろ試行錯誤でやってみました。農作物を育てるためには、土地の状況だとか作物の性質だとか天候に合わせていかないといけない。人間の都合のように形や時間を決めてはダメなんだ。その気付きが得られたことが大きくて、なんでも育てられるようになるまで一〇年かかりました」

     

    耕さず、雑草を抜かない稲刈り途中の田んぼに入らせてもらった。ふかふかのふとんに立っているような感覚。何度か他の収穫時期の田んぼに立ったことがあるけれど、それらとはまったく足の裏から伝わってくるものが違う。そして素手で土に触れてみると、腐葉土は水分で満ちている。歩く場所を間違えると、ズボッと足を泥に取られてしまうところさえあった。

    二七年間不耕起を続け、幾層にも草が重なってできた腐葉土の田んぼは、動物に例えれば赤ちゃんの寝床のようなものなのだろう。お米や野菜を育てる、まさに母なる土がそこにあった。

    「本来なら土があるところには草が生える。田んぼ一面に草が茂るわけですよ。前は死の世界にお米だけを植えていたんです。他の草が生えてきたら除草剤をふって、虫が動いていたら殺虫剤を散布する。他の生物が生きられない死の世界に田んぼをしてしまっていた。そんな死の世界から田んぼが甦ってきたら、僕の心も和んできて。農をする辛さがなくなって、それだけで僕は良しだったんですよね。たったひとつの品種しか生えていない場所なんて、地球を考えてみれば異常な姿ですよ。できるだけ命の環境にふさわしいように手を貸してあげる。作物の育つか育たないかにおいては一切手を出さないで任せます。水を入れてあげないと実らないことも多い。今ではお米が育つ環境ではなく、人間の都合で健康に育たないような環境にしてしまっているわけです。肥料をたくさんあげることも人間の都合ですわ。他の命を邪魔者にしてしまうことも、お米が健やかに育つ環境ではなくなることにつながります。虫や草は決してお米の敵ではありません。他の命が生きられる土や環境があってこそ、初めてそこでお米も育つことができるわけですわ」

    profile_川口由一

    1939年、専業農家の長男として生まれ、中学卒業と同時に農業を引き継ぐ。農薬をつかった農業のなかで心身の状態を損ねたことをきっかけに、自然と共生する農の在り方を模索。


    70年代中盤から自然農に取り組み、今年で28年目を数える。自然農の実践は映画『自然農ー川口由一の世界』としても記録され、各地で自主上映が続けられている。「妙なる畑の会(奈良桜井市)」「赤目自然農塾(三重名張市)」などの学びの場を通し、自然農を全国に伝えている。

     

    妙なる畑の会・赤目自然農塾のお問い合わせ

    http://iwazumi2000.cool.ne.jp/

    自然農塾という学びの場から。

     

    現 自然農を学ぶ<学びの場>は、東北から九州まで全国に点在している。川口さんはかつていたるところで指導にあたっていたが、今後は自らが定期的に行くことを少なくしていくという。これからも定期的に指導するのが、ご自身の田んぼと赤目自然農塾だ。

     

    幹線道路から奥まった三方を山に囲まれた棚田の赤目塾は、奈良と三重の県境に位置している。田畑として三〇年も使われていなかった場所を開墾し、赤目塾が始まったのが一五年前。少しずつ面積を広げ、現在では約二町七反(八一〇〇坪)。谷に一歩足を踏み入れると、生命の営みに満ちていることを実感する。農の楽園と表現しても言い過ぎではない。赤目塾に、暮らしも仕事もさまざまな老若男女が日本各地から通ってきている。農とは無縁だった人も少なくない。塾生は多い年で三〇〇名あまり。田んぼの場所は塾生が自分で決める。一年を通して自分の田んぼで農を実践しながら自然農を学んでいく、しかも土地の使用料や授業料は無料というシステムを取っている。

     


    「自然農をやろうとする人は、お金がない人が多いですよ。人生の大展開に差し掛かっている人も多い。脱サラしている方とか学生さんとか。遠いと交通費だけでも大変なんですわ。僕にしてみたら、教える覚悟をしたならば少しでも多くの人に勉強してもらいたい。誰でも参加しやすくするのには無償でやるのが一番いい。僕は自分の畑や田んぼで作物を育てていますから、無償になっても飢え死にしないという確信があります。それと無償にすることが僕にとっては一番実りが大きい。お金に囚われなければ学びが深くなる。実際に三〇〇人学んでいたら、三分の一くらいの人が折々にお金を届けてくれているみたいです。一〇〇人は喜びのなかで感謝の気持ちを持って届けてくれる。残りの二〇〇人は無償で勉強できている。『あ、これは良かったな』と思って。お金を義務として強制しない、共同作業も仕事や時間を課さない。自由にしておいてあげるんです。赤目塾で育った人があちこちで学びの場を開いています。それが僕にとっての一番の喜びなんですわ」

    赤目塾で学んだ人は、一五年間で二〇〇〇人を超える。基本的にはグループには貸さず、ひとり(もしくは一家族)で一区画を受け持つ。だからこそ、いろいろな田畑が赤目にはある。うまく手を貸して野菜やお米を育てているところもあれば、まったく来ないで荒れ放題になっているところもある。ひとりで続けることからこそ、新たな気付きを見つけられる、気付きこそ農に限らず人間の生活になくてはならないもの。それが川口さんの教えのベーシックに存在している。

     「世間では手作業だから慰めごとの域を出ないとか、あるいは人類の食糧の確保をそんなことでできるのかって言われたりする。だけどそんなことはないんです。視野を広げて、環境問題とか人類の未来に焦点を合わせても、自然農は決して問題を招かない最善の栽培の方法ですのや。人類の抱えているテーマは永続可能な農業、永続可能な社会。永続可能でなければ、もとが無くなるわけですから。田んぼは常に育ててもらう場所です。大自然界における命あるものとしての人間の定めを悟らせてくれる場ですわ。自然の摂理から外れることなく、自然の摂理に則った、命に応じた栽培の仕方を僕はしているうちに育てられて、その途上でいろんなことが見えてきたと思うんです」


    川口由一さんの農に対する深い気付きは、全体から見れば少しずつかもしれないけれど確実に日本に広がっている。農薬や機械を使わず、自らの手足と古くから伝わる道具を使っての農法だから、自給自足的な生活を目指している人にとっても最適な農法に違いない。

    農とは本来喜びに満ちたもの、自然農はそのことを気付かせてくれる。

    『自然農』

     川口由一 + 鳥山敏子/晩成書房

    『妙なる畑に立ちて』

    川口由一/野草社

    1995年の1年を通じて取材して作られた記録映画『自然農ー川口由一の世界』。その季節毎の撮影のなかで語られた、実践から得られた自然農に関する思いと地球への愛情。「賢治の学校」などでワークショップを重ねている鳥山敏子さんとの四季を通しての対談集。  自然農を10年近く実践し、人に優しく地球に優しいと感じ取った著者が、雑誌『80年代』に自然農に関する連載を始めたのが1987年のこと。本書はその連載をまとめたもの。連載・本の出版によって、自然農の概念が多くの農を求める人へ伝わっていった。

    http://www.ricepaper88.com/backnumber/vol09/kawaguchi/

    11:54 2014/04/19川口由一

     

     

     

    川口 由一(かわぐち よしかず、1939年 - )は、日本の農家。自然農の実践者。目次  [非表示]

    1 概略

    2 主な著書

    1939年(昭和14年)、奈良県桜井市に農家の長男として生まれる。中学卒業後、家業を継ぎ就農する。農薬・化学肥料を用いた農業を長年行うことで、自分自身が心身を損なったことをきっかけにして、自然と人間が共生する農の在り方を模索する。

     

    1970年代より不耕起、不施肥、無農薬の「自然農」を起こし実践する。また、全国各地で自然農の指導にもあたる。耕起、施肥、病害虫防除は否定するが、人力による除草は肯定する。

     

    主な著書[編集]

    「妙なる畑に立ちて」新泉社、1990

    「自然農から農を超えて」カタツムリ社、1999

    「自然農─川口由一の世界 耕さず、肥料、農薬を用いず、草や虫を敵とせず…」(川口由一、鳥山敏子共著)晩成書房、2000

    「自然農への道」創森社、2005

    「自然農・栽培の手引き」(鏡山悦子著、川口由一監修)南方新社、2007

    「自然農の野菜づくり」(高橋浩昭著、川口由一監修)創森社、2010

    「自然農という生き方いのちの道を、たんたんと」(川口由一、辻信一共著)大月書店、2011

    「自然農の果物づくり」(三井和夫、勇惣浩生、延命寺鋭雄、柴田幸子著、川口由一監修)創森社、2012

    「はじめての自然農で野菜づくり」(川口由一監修)、学研パブリッシング 、2013

    「自然農の米づくり」(大植久美、吉村優男著、川口由一監修)創森社、2013

    「誰でも簡単にできる! 川口由一の自然農教室」(新井由己、鏡山悦子著、川口由一監修)、宝島社

    参考文献[編集]

    「妙なる畑に立ちて」新泉社、1990

    「自然農から農を超えて」カタツムリ社、1999

    12:02 2014/04/19 


    畑から宇宙が見える ~川口由一と自然農の世界 (宝島社新書) [新書]新井 由己(著)

    内容紹介

     

    「自然農」は、耕さず、肥料・農薬を使わず、草や虫を敵としない農法で、無農薬で野菜を育てたい菜園愛好家に実践者が増えています。川口由一さんは自然農の創始者。確かな技術と、生命の神秘や宇宙にまで及ぶ語り口でカリスマ的な人気があります。『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんよりはるかにファンが多いです。本書は、長年にわたって川口さんを取材してきた著者が、自然農の神髄と川口さんの世界観を伝える一冊です。

     

    内容(「BOOK」データベースより)

     

    農家の長男として家業を継いだ川口由一氏は、農薬で心身を損ね、農薬を使わない農法の確立に挑んだ。生活に困窮し、周囲から笑われ、母親に泣かれた末に、独自の農法「自然農」を確立。耕さず、肥料・農薬を使わず、草や虫を敵としない自然農は、化石燃料をつぎ込み、畑を工場のように利用する従来の農法とは違い、自然に寄り添い恵みを得る「持続可能な未来の農法」。

    山や森の植物は、人が手を貸さなくても健やかに育つ。「本来、宇宙・自然界は絶妙な働きで、すべての生命が生きるに足るものを用意してくれている」と川口氏。自然農の実践を通して得た大いなる学びを「畑の哲人」が明らかにする。

    新書: 191ページ出版社: 宝島社 (2014/4/10)発売日: 2014/4/10

     

    目次

    第1章 農薬で心身を損なって(戦時中に生まれてただ、勉強がしたかった ほか)

    第2章 なぜ畑を耕さないのか(さまざまな自然農法自然農の実践が始まる ほか)

    第3章 人はいかに生き、死ぬべきか(怠惰を好む性質いのちとは何か? ほか)

    第4章 畑から宇宙が見える(貧り続ける人びと食べ物をつくる喜び ほか)

    12:03 2014/04/19

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    西海国立公園とは?】  西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)は、長崎県西北部に位置する国立公園です。佐世保の九十九島から平戸島、五島列島を含む海の公園です。1955 年(昭和30 年)3 月16 日に日本で18 番目に指定されました。大小400 におよぶ島々の風景が特徴的であり、多数の小島が密集する九十九島や若松瀬戸の景色が代表的です。

    引用

    西海国立公園とは?】  西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)は、長崎県西北部に位置する国立公園です。佐世保の九十九島から平戸島、五島列島を含む海の公園です。1955 年(昭和30 年)3 月16 日に日本で18 番目に指定されました。大小400 におよぶ島々の風景が特徴的であり、多数の小島が密集する九十九島や若松瀬戸の景色が代表的です。

    リアス式海岸と200 余りの島からなる九十九島を含め、大小400 に及ぶ島々が繰り広げる外洋性多島海景観が特徴です。面積は24,646ha。

    http://www.kujukushima-visitorcenter.jp/park/index.html

    8:56 2014/04/19

    九十九島パールシーリゾート|スタッフブログ

    http://www.pearlsea.jp/blog/blog.cgi?n=1197

    2010年 10月 20日 (水)

    マイワシの大群by KUNKUNPA190013.jpg

    きのう、九十九島湾大水槽に約5,000匹のマイワシが仲間入しました。去年の12月にも今回と同じく約5,000匹のマイワシが入ったのですが、屋外水槽ゆえに野鳥に食べられたり、大水槽の大きな魚たちに食べられたりして、約1年で1,500匹ほどまで減っていました。今回の仲間入りで合わせて約6,500匹の大群となったマイワシ。一匹一匹は約20cmくらいの小さい魚ですが、群れをなして泳ぐので、6,500匹の塊が大水槽の中を形を自在に変えながら泳ぐ様は、とっても壮観ですよ。

    是非、見にきてくださいね~♪

    http://www.pearlsea.jp/blog/blog.cgi?n=195&writer=admin

    8:58 2014/04/19


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