日本の世論調査のいい加減さ?!
いんよう
都知事選、舛添氏が圧勝=「原発ゼロ」宇都宮氏ら抑え—投票率46.14%の低水準
猪瀬直樹前知事の辞職に伴う東京都知事選が9日投開票され、無所属で新人の舛添要一元厚生労働相(65)が、前日弁連会長の宇都宮健児氏(67)=共産、社民推薦=、細川護熙元首相(76)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)ら無所属や諸派の新人15人を退け、初当選を果たした。原発の是非を含むエネルギー政策や首都直下地震に備えた防災対策などが争点となった。
舛添氏の得票数は211万2979票で、宇都宮氏(98万2594票)、細川氏(95万6063票)に大差をつけた。
投票率は46.14%。2012年の前回(62.60%)を大幅に下回り、過去3番目の低水準となった。
舛添氏は自民党都連、公明党都本部の推薦を受けた。選挙戦では、厚労相の実績を前面に押し出し、待機児童対策など社会保障の充実に取り組む考えを強調。都政の重要課題である20年東京五輪・パラリンピックの成功に向けた準備や、首都直下地震に備えた防災対策などに全力を挙げる姿勢もアピールした。安倍晋三首相をはじめ、政府・与党幹部も応援に入るなどして、組織的な選挙戦を繰り広げ、支持を固めた。
[時事通信社]
11:36 2014/02/10
世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) [新書]
菅原 琢(著)
「あらゆるデータが、小泉後の自民党の針路の間違いを指摘していた(略)世論調査は『郵政造反組』の復党を否定し、安倍政権に軌道修正を促していた。07年参院選での自民党の敗北は小泉構造改革のせいではないということは明らかだった。麻生太郎という人物が国民的人気などというのは、まさに噴飯ものだとデータは示していた。データ的に間違った方向に進んでいたのだから、総選挙の惨敗はまったくの予想通りであった」(本文より)
本書は、新進気鋭の政治学者が、印象論を排したデータ分析を駆使して、マスコミ報道の問題点や、世論調査を曲解して惨敗した自民党の迷走を描き出す。
小泉以後の自民党は何を見誤ったか? なぜ麻生太郎が「国民的人気」とみな錯誤したのか? 印象論を排したデータ分析を駆使して、政治評論やマスコミ報道を批判的に検証する。
新書: 288ページ出版社: 光文社 (2009/12/16)
言語: 日本語発売日: 2009/12/16
目次
第1章 寝た子を起こした?―2005年総選挙・郵政解散の意味
第2章 逆小泉効果神話―曲解される2007年参院選の「民意」
第3章 逆コースをたどる自民党―安倍政権はなぜ見限られたのか
第4章 「麻生人気」の謎―2007年総裁選・迷走の構図
第5章 作られた人気―「次の首相」調査の意味
第6章 世論とネット「世論」―曲解が生まれる過程
第7章 「振り子」は戻らない―2009年総選挙・自民党惨敗の表層と底流
終章 自民党大敗の教訓―世論の曲解を繰り返さないために
5つ星のうち 4.0 政治分析のもやもや感を吹き払う
郵政選挙から、2009年の総選挙までの選挙や世論調査の分析を行い、メディアにまかり通る、正しい根拠に基づかない政治分析をまさになで斬りにした感じの本。社会評論やネット世論に非常に厳しい言葉が続くが、膨大な数字資料をデータ化し、緻密な意識調査を自身も行い、慎重に読み取るという手間をかけて現代政治を読み解こうとしている著者からすれば、丹念にデータを整理すれば、答えは自ずから出るのに、思いつきで間違ったことをぽんぽん喋りやがって…という気持ちは分かる。投票結果という加工しようがない数字からまとめたデータから引き出す、さまざまな著者の分析にはまさに有無を言わさない。
5つ星のうち 3.0 評論的ではなくて良い。
データ分析に基づいて主張が展開されているので説得力はある。ただ絶対的に正しいというわけでもないので、悪魔で一つの主張として理解すれば良いと思われる。ただ、適当な論評ではなく値段も安いので、気軽に読んで損はないと思う。
5つ星のうち 4.0 政治分析のもやもや感を吹き払う, 2010/1/8
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
郵政選挙から、2009年の総選挙までの選挙や世論調査の分析を行い、メディアにまかり通る、正しい根拠に基づかない政治分析をまさになで斬りにした感じの本。社会評論やネット世論に非常に厳しい言葉が続くが、膨大な数字資料をデータ化し、緻密な意識調査を自身も行い、慎重に読み取るという手間をかけて現代政治を読み解こうとしている著者からすれば、丹念にデータを整理すれば、答えは自ずから出るのに、思いつきで間違ったことをぽんぽん喋りやがって…という気持ちは分かる。投票結果という加工しようがない数字からまとめたデータから引き出す、さまざまな著者の分析にはまさに有無を言わさない。
郵政選挙で都市部の凄まじい熱気を、報道する立場で見た私はこの熱気を何だったんだろうという思いをずっと抱いてきたし、安倍政権になってから潮が引くようにその熱気が引き、小泉氏が地方疲弊の元凶と叩かれる、でも氏への待望論は根強い、という状況も不思議に思っていた。そんなもやもやした思いについて、郵政から昨年にいたる自民党の凋落は「農村での失点ではなく、改革路線を交代させた自民から都市部住民が離反した」からという分析は、求めていた回答を得たように感じる。ほかにもいわゆる「麻垣康三」が次々と脱落した後、消極的選択にもかかわらず麻生氏への実体のない首相待望論が登場した経緯、安倍氏の人気急落の背景なども数字を駆使して行われ、非常に読ませる。巻末で著者自身も述べるが、与党が勝っても野党が勝っても理由に都合良く使われる「無党派層」なる妖怪を一切使わず、主張の骨は自身が明らかにしたことだけで書ききっている。本書は今の政治動向のぼんやりした「なぜ?」の多くにしっかりした説得力で応えてくれる本だと思う。
5つ星のうち 5.0 今年最高の日本政治分析, 2009/12/22
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
今年読んだ政治関連の本では本書が一番面白かった。計量政治分析を専攻する研究者による本は、一般読者には必ずしも面白いとは言えない場合が多いが、この本はこの点、例外的に成功している。それは、2005年以降の日本政治の流れについて、一般に流布される言説を激しく批判しつつ、世論調査データや選挙データの分析を通じて、非常に示唆に富む独自の解釈を示しているからだ。
私にとって最も印象深かったのが、自民党が2005年総選挙の大勝の後の2007年参院選の大敗を小泉―竹中路線への(とりわけ伝統的自民党支持層の農村部の有権者の)反発と解釈し、安部政権以降伝統的保守の復活を目指したが、これが完全に自民党の読み違えだったという筆者の主張だ(これがタイトルの「世論の曲解」である)。データ分析によれば、有権者は2005年以降一貫して構造改革を中心とする小泉―竹中路線を支持していた。したがって、伝統的保守路線・反構造改革ばらまき路線の自民党が2009年にも大敗を喫したのは必然だったのである。こうした筆者の主張をもとにして考えれば、2009年の総選挙を受けての自民党の反応はますます絶望的なものに思える。選挙で生き残った自民党の政治家は多くが伝統的保守であり、自分たちが勝ったのは伝統的保守だったからだ、と信じ、自民党をとりわけ社会・文化的価値において保守のイデオロギー政党に変えていこうとしているように思える。これでは自民党はますます一般有権者から離れ、衰退していくばかりであろう。筆者も述べるように、自民党が強かったのはイデオロギー政党ではなく、何でもありのいわば包括政党だったからである。
また、本書では政治学者の分析としては異端ともいえる、「2ちゃんねる」のスレッドの分析も行われている。そこでは結局、麻生太郎人気なるものは幻であり、麻生太郎関連スレッドにおいて書き込み数上位10%のユーザーによってスレッド中の書き込みの約半分が行われていたことが明らかにされている。さらに、年代別選挙区設定の効果に否定的な筆者の論考も示唆に富む。とにかく、2000年代の日本政治を理解する上で必読の書である。
5つ星のうち 3.0 評論的ではなくて良い。, 2012/12/31
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
データ分析に基づいて主張が展開されているので説得力はある。ただ絶対的に正しいというわけでもないので、悪魔で一つの主張として理解すれば良いと思われる。ただ、適当な論評ではなく値段も安いので、気軽に読んで損はないと思う。
5つ星のうち 5.0 小沢戦略を裏付ける選挙分析 -政権交代を一刀両断に構造化する- , 2009/12/25
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
著者は本書で、反小泉旋風によって、政権交代が実現したという言説を見事に覆してみせる。そのロジックの切れ味が素晴らしい。農村部の投票行動の変化、都市部と若年層における小泉時代とポスト小泉時代の自民への支持と離反。
なるほどと膝を打った。本書を読んでもうひとつ気がついたことは、小沢民主党幹事長の戦略と本書が見事に重なっていることだ。つまり1人区での民主の勝利は、野党の選挙協力の結果であることが示されているが、これは小沢幹事長の連立重視の立場に重なる。更に自民の選挙失敗による民主議員の当選の解説も、来年の参院選に向ける民主党の選挙戦略に通じている。自民党は世論を見誤り、小沢幹事長はしっかり捉えた。
これこそ政権交代の背景であり、現在に至ってもその状況は継続している。この辺り、学術的な論点が一気に現実に変換されるようで、学問のダイナミズムを感じました。
お勧めです。巻末にガイドされていた農村度のデータがダウンロードできない。早く復旧してもらいたい。
5つ星のうち 5.0 情報分析の重要性。メディアリテラシーを考える。, 2010/9/12
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
メディアや政治評論家によるデータ分析がいかに当てにならないかが主旨。社会調査の正確な方法の重要性が説かれています。また、権力者ですらもそのデータ分析を見誤るということまで示されているのが本書の特徴。そのため、小泉後、安倍→福田→麻生と総理総裁をたらい回した自民党政権は、とうとう、ジリ貧のうち、土俵からたたき出されることに。
反面、国民の民意がいかに政治的な武器となり、民意を正確に把握することが政治家としての条件となっていることを暗に示しています。ただ、この教訓は現在の処、民主党にも生かされていないというところが政治の悲しいところか。
5つ星のうち 5.0 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか, 2010/4/4
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
統計を用いて正確に小泉政権とそれ以後の政権を比較し、世論に嫌と言うほど出回っている俗説を打ち破る画期的な本です。統計といってもそれほど難しいものではなく、普通の人なら簡単に理解できるほど分かりやすく書かれています。政治の本というと、作者の主観や、個人的に特定の人物をよく書いていたりする本が多いですが、この本はまさにそうした主観を排し、理論的に政治・選挙を説明した名作だと思います。こういう種類の本は驚くほど少ないので、この本に続くような政治の本が出版されることを期待したいです。
5つ星のうち 4.0 我々一般人より政治家にこそ読んでほしい, 2010/2/10
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
タイトルから想像されるような一般向けの政治解説本ではありません。簡単に言えば、昨年の衆院選で自民党が大敗した原因を、自民党やマスコミによるデータの読み違えという視点に立ち、単なる印象や議論からではなくデータから分析する本。
つまり現象の解説ではなく、いかにデータを読み誤らないか、がテーマ。
自民党がいかに世論調査などを曲解し、敗北に突き進んでいったかが、よくわかります。
個人的には「若者の右傾化は本当か」と、「ネット上の麻生人気マイノリティ説」あたりが非常に新鮮でした。
一方で著者自身の仮説からくる解説は、ところどころ内容が飛んでいる印象があって、「え?何でそうなるの」という箇所もあり。こちらの読解力が足りないのでしょうか・・。
5つ星のうち 5.0 自民党敗北の真相が解る, 2010/1/1
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
自民党の上層部は必ず読むべきである。まさに筆者の指摘が自民党の敗北の原因を言い当てている。真の敗因は小泉、竹中路線に対する反発ではなく、逆にその改革路線を交代させてきたその後の3人の首相に原因があることをデータをあげて表している。巷間言われていることと逆であるが、まさに真実はここにある。
5つ星のうち 5.0 世論調査と実際の動向の差異が良く分かる, 2010/2/18
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
移ろい易い世論調査の結果がもたらす、現在の政治的な混乱の原因が良く分かりました。一番の問題は、しっかりとして使命感を持った政治家がいなくなったのが原因ですが、売り上げ部数と視聴率に振り回されるマスコミと同じように、政治屋たちがその時点、その時点の世論調査に踊り、自ら墓穴を掘っている姿が良く分かりました。民主主義のある実態を理解するために大いに参考となりました。政治と民主主義を理解するためにはぜひ読む本であると思いました。
5つ星のうち 4.0 科学的な政治学:世論調査をきちんと分析して「常識」を再検討する, 2009/12/29
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
新進気鋭の政治学者が様々な「世論調査」を可能な範囲で科学的に分析し、政治を巡る言説の「常識」検証する1冊です。本書は3部からなります。各部の主な内容は以下の通りです。
【1-3章】2005年の衆院選で小泉政権が勝ったのは構造改革路線が支持されたからだ。2007年の参院選で安倍政権が負けたのは、造反組の復党による改革後退イメージ、保守政策による左派の離反ゆえ。これを自民党は「市場原理主義」への反発と捉え構造改革に消極的になり2009年の衆院選で政権を失った。
【4-6章】データを分析すると「麻生人気」には実態がないことがわかる。同様に「若者の右傾化」も幻である。「世論調査」に「麻生人気」が現れたのは、調査の設計に問題があったためだ。またネット「世論」は定量的には極めて規模が小さい。自民党は断片的な現象を世論と誤認してリーダーの選択を誤った。
【7・終章】政権交代により「勝ち馬投票」効果は自民党から民主党へ移る。自民党は簡単には政権を奪還できない。政治家は選挙に勝つため懸命に努力しているが、世論を「肌で実感」しようとする限り、政治に関心の薄い大多数の世論を誤解することになる。ドライで科学的な分析が必要である。
本書は膨大な図表をもとに論を進めており、根幹の議論には納得できます。ただ、分析対象のデータが、新聞やテレビの世論調査だけでなく著者が関与した調査さえ収集方法に問題があるため、本書の分析は試論にとどまります。今後、もっとまともなデータを継続的に取得して、科学的な世論分析の土台を築いていただきたい。
本書の難点は、なぜか著者が饒舌で、枝葉の部分に客観的なデータの裏付けのない記述が多いことです。とくに麻生太郎さんをこき下ろす筆致は目に余る。淡々と「世論に沿わない政策を行い選挙で負けた政治家」と書けば、自民党支持者にも素直に読まれるのに、残念です。
続々台頭する頼もしい若手政治研究者に期待、計量政治分析の出世作になる, 2009/12/29
少子化問題に直面しようとしない日本 (さすらいの旅人) - レビューをすべて見るレビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書) 経済学や社会学では一般的な手法だが、政治学に計量分析の手法を導入するとこれだけ鮮烈な視点が出てくることに驚きを覚えた。政治学の分野における計量分析研究は今後確かな地歩を占めてゆくことになるだろう。
暫く前の安倍人気、麻生人気を伝える報道には大いに違和感を持っていたので(著書を見れば、彼らの独善的で狭隘な理念、現状分析の不正確さ、提案する政策の質の低さは明白だった)、当書の分析には大いに納得した。
中立不偏を掲げながら実態はまるで逆で、イデオロギーバイアスの強い日本国内の各紙の政治メッセージを「脱色」するためにも著者の手法はかなり有効だろう。個人的には正義感に凝り固まって人工ダイヤ並の硬度になりつつある(自らに不都合な事実は絶対に認めない)格差是正派の主張が世論にどれほど支持されているか、計量分析でかなり興味深い調査ができると考えている。
ネット世論を対象とした科学的な分析も面白く読んだ。このアマゾンのレビューでも明らかに、一部のアクティブユーザーが空虚で不毛な言説を拡大再生産している図式が窺える(※)ので、こちらも研究対象とされてはいかがだろうか。
※ 麻生太郎元首相の『とてつもない日本』ばかりではなく、加藤陽子教授の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』のレビューでも、異様なハイパーアクティブ・レビュアーが活躍している。実社会では彼らには発言権がないのだろう。
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
世論調査における各種政策の支持率に関しても、面白い素材がまだまだ眠っていると思われるので、著者には引き続き更なる研究を期待したい。ダイヤモンド・オンラインの上久保誠人氏もそうだが、政治研究の分野でも頼もしい若手が台頭しているのは頼もしい限りである。
延々と不毛なイデオロギー論争を飽きずに繰り返して、虚飾そのものの修辞と責任転嫁の技術以外に見るべきものがない「理論神学者」の方々(ガラパゴス日本に大勢棲息中)は当書を読んで大いに反省してもらいたいところだ。
5つ星のうち 4.0 自民党が負けたわけ, 2011/12/18
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
2009年末に出た本。菅原琢氏による自民党敗北の分析書である。安倍晋三、麻生太郎となぜ選挙で勝利を収めることが出来なかったのかが分かるだけではなく客観的なデータを持って分析している点が良い。
特に安倍政権は郵政選挙で追放した議員たちを復党させた事が完全に間違った選択であったと改めて実感した。そして麻生太郎氏の人気も偏りのあったものでしかなかったことも。特にネット世論なるものは現実としてネット小言に過ぎないという指摘はその通りであろう。(TV視聴率1%=100万人が視聴していると言われている)
ネットでいろいろ自分の考えを述べたり、一定の影響力を持つのは確かだが国全体の単位で言うとまだあやふや、もしくは一部の声を代弁してるに過ぎない面があるのはネット利用者は心得ておくべきだ。ただ本書は自民党が負けた理由を分析している本で民主党はどうなのかが触れられておらず残念だ。実際問題、民主党の問題点を指摘していたネット上のブログなどは数えきれない程あるが、そこらへんがどうなのかもう少し突っ込んだ分析が欲しい。
そして2011年末現在、現実世論もネット上の議論でも民主党の評判はさんざんだ。
次の衆議院選挙では政権維持は無理で、しかも2009年に敗北した自民党より状況は困難だろう。ただ自民党側も本書の指摘する点を真摯に受け止め、小泉構造改革路線を徹底するくらいの構えを見せなければ大勝とはならず、政治の混迷が続くことが予想される。
5つ星のうち 1.0 意味不明の統計の羅列, 2014/1/1
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
文章のあちこちに一般読者に対する「東大」的優越感から来るのか、鼻につく余計な表現が目につく。内容は意味不明の統計の羅列と、既存研究の末節的なケチ付けでしかない。「世論調査には誤差があり、その解釈には幅がある」という、政治学ではあたりまえの常識を、この著者は延々といろんなものを引っ張り出して議論しているようで、テーマにもならないテーマと思われる。「学術」を強調しハイレベルな議論をいうなら、政治学の「ディシプリン」を正確に身に付けて学術論文として議論すべきであろう。新書の世界で素人相手に優越感に浸ってるだけのよう。そこまで言うなら、内弁慶でなく海外での政治学の本場の議論で勝負して頂きたいと思うが、それに堪えられる質ではないことは自明であろう。結局、近視眼的な話で、何を言っているかわからなかった。内容がこの程度で、実力もこの程度ならば、そこまで相手を馬鹿にしたような書き方は控えるべきだろう。
5つ星のうち 4.0 「世論」がバカなのではない。「世論」を曲解する政治家やマスコミがバカなのだ, 2011/1/24
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書) 「国民が基本的な勉強もせず、民主党に政権担当能力がないと感情的に決めつけるのは困ったものだというのが、ある政治家の嘆きだ」「国民が便宜供与や利益誘導、そして権利拡大を無責任に求め続ければ、政治家の「信頼」を失う。そして、政治家に信頼されない国民の行動は、究極的に民主主義社会を破壊してしまうだろう」(上久保誠人「再び敢えて問う、実は国民こそ政治家から「信頼」されていないのではないか」[...])
小選挙区制の導入による55年体制の崩壊は、政権交代の可能性を生み出した。その結果、以後の政権運営においては「世論」の方向を見極め、国民から幅広い支持を得ることが何よりも重要になった。しかし小泉以後の政権は「世論」を味方につけることに失敗し、迷走を続けている。そのことを端的に示すのが、国政選挙における与党の大敗や世論調査における内閣支持率の乱高下である。政治家や報道関係者、政治評論家は政権への支持が安定しない状況を「移り気な世論」と解釈し、政策をきちんと吟味せずに雰囲気で政権への支持・不支持や投票行動を決めていると有権者を批判する(テレポリティクス批判)。冒頭で紹介したような嘆き節はその典型で、愚民観の表明とすら言える。
しかし本当に国民は政策を理解しないまま、感情的な判断によって政権への支持・不支持を決定しているのだろうか。現在では、新聞・テレビ・ネットなどで頻繁に世論調査が行われているし、国政選挙が行われれば、その結果の詳細が新聞に載る。「世論」を知るためのデータは豊富にあるわけだが、果たして政治家や番記者たちは、そのデータを正確に読み解いているだろうか? 著者はそんな疑問に基づき、世論調査や選挙結果に対し、印象論を排した計量分析を試みる。選挙結果のどの部分に注目すれば、得票構造を正しく把握できるのか(著者は「農村度」という指標を重視する)。質問文の表現や選択肢の作り方、調査対象の抽出方法といった調査手法の違いが、調査結果にどのような影響を与えるのか。膨大な情報を的確に処理する著者の手際は鮮やかだ。そして、異なる定義・条件で調査した数値を比較する(面接方式とRDD方式の結果を単純比較etc.)といった従来の杜撰な分析結果の誤謬を白日の下にさらけ出す。
曰く、
☆2005年の郵政選挙における自民党の圧勝は、テレビ受けの良い国民的人気のある小泉純一郎が総理総裁であったからでも、「刺客候補」などの自民党のメディア戦略が奏功したからでもなく、「構造改革」という小泉の政治路線が都市部の若・中年層に支持されたからである。
☆2007年の参院選で自民党が惨敗したのは、「構造改革」で傷ついた地方・農村部が自民党から離反したことが原因ではなく、1人区で野党が選挙協力を行ったことと、安倍政権が「構造改革」の継続に不熱心であるのを見た都市部の若・中年層が離反したことが真の要因である。
☆2007年総裁選の最中にメディアで報じられた「麻生人気」は、実態を伴わない虚構でしかなかった。ネットにおける一部の熱烈な麻生支持者の声を大マスコミが「国民の声」と誤解したことにその淵源を持つ。
☆2007年総裁選以後に何度と無く行われた世論調査において、麻生への支持率が上昇していったのは、「麻生人気」によるものではなく、競争者が脱落する中で「総裁候補」としてマスコミに注目され続けたからにすぎない。“現実的な選択肢が他にない”という消極的支持を「麻生人気」と誤認し、麻生を「選挙の顔」として総裁に選んだことで自民党の下野は運命づけられた。
☆2009年の総選挙での自民党の惨敗は、「小泉構造改革への反発」によるものではなく、「地方の衰退」を口実に小泉構造改革を放棄して「古い自民党」に戻り、「国民的人気のある党首」だけで選挙を乗り切ろうとした自民党へのアンチテーゼに起因する。
要するに「国民は政治のことなど分からないから、ワイドショー受けする人気者を党首に据えれば選挙に勝てる」という有権者をバカにした態度が、自民党の惨敗を生んだというわけだ。自民党は「世論」を曲解したことで、「世論」からしっぺ返しを受けたのである。現在の菅政権も、「国民が政策を理解してくれない」などと言い訳を始め、バラマキ政策やイメージ戦略で支持率浮揚を図るという愚策に走っている。そういう浅知恵は、既に国民に見透かされているということに気づいた方がいいだろう。
5つ星のうち 5.0 ためになった、おもしろかった, 2010/7/11
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
小泉退陣以降の自民党の凋落の原因をデータを用いて、論理的に説明した本。よくある「小泉構造改革の行き過ぎが格差社会を生み、伝統的な自民党の集票基盤を直撃した」という「常識」を見事なまでに論破している。
著者の主張のポイントは次の2点と思われる。
・ 安倍政権は小泉政治の承継者ではなく、郵政造反組の復党を認めるなど、古い自民党へ回帰する施策をとった。一方、有権者(特に若年層)はこの時点でも小泉改革を支持しており、安倍はこのような層から見放された。
・ 麻生首相の「人気」は、一部マスコミの報道や世論調査のクセが作りだした全くの虚像だった。正しく民意を把握しようとせず、「党首人気」に依存しようとする自民党は、不適格な人物を代表者に選んでしまった。
私は、「選挙のたびごとに民意が大きくふれ、政治が不安定化している」という印象をもっていたのだが、むしろ不安定化の原因が「民意を読み損ねた」自民党にあったことが良く理解できた。
グラフや表を読むのにやや忍耐が必要な本ではあるが、理詰めの論旨展開は説得力があり、「すごい!」と感じながら一気に読んだ。 お勧めします。
5つ星のうち 4.0 自民党の必然的崩壊, 2010/9/23
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
2005年の小泉郵政選挙の圧勝から、2007年の参議院選の大敗、2009年の政権交代に至る自民党の崩壊が小泉の負の遺産というイメージがあるが、それを詳細なデータで論破するというのが本著の内容。また、ネット世論というものは空想でしかなく、一部のごく少数によるゲリラ的な行動であり、マスメディアがそれを押し曲げて報道することにより、世論と「世論」ができあがってしまう。
直近の参議院選では、本著では起こらないと予見された揺り戻しが一部で見られたが、これは民主党のあまりのおそまつさが、自民党の無能ぶり以上に、著者の想定を超えていたのだろう。
5つ星のうち 5.0 卓越した「世論」論, 2010/9/1
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
本書は一言でいうならば、「世論」論である。2000年以降、小泉首相のもと行われた郵政選挙で圧倒的な勝利を収めたかと思えば、その数年後に野党にまで堕ちてしまう大惨敗をこうむるなど、自由民主党は急転直下の激しい動きをみせた。本書は主に小泉以降の自民党が、いかにして09年の衆院選の大惨敗を迎えたかまでのプロセスを負った、政治分析だ。
本書が何をやっているかというと、世論の「読み直し」である。タイトルでわかるとおり、本書著者は小泉以降の自民党の敗因を、世論におもねりながらもなおかつ世論を読み違えたという点に集約すると考えている。明らかにされていくのは、大手論壇誌でも取りざたされた「逆小泉効果」や「麻生人気」といった、通俗的な世論理解がいかに誤解に基づくものかということである。
「報道2001」での世論調査の事例など、きわめて具体的な事例をあつかってはいるものの、選択肢の設定の仕方で投票行動が分かれていくメカニズムなど、調査方法一般に適応するおもしろい事実なども学べる。
もちろん、世論と投票行動を読むことだけが「政治」ではない。国会での答弁、政策論が世論に影響したことは言うまでもなく、肝はそこにある。そのことは著者も冒頭にて断っている。しかし、これだけ世論が何度も参照され、情報の送り手と受け手のでの不均衡も是正されつつある昨今、読み間違えは即命取りになる。それくらい世論が重要になってきていることは確かであり、本書を読むことは「政治」の一端を読むことと同義である。今後の政治動向を読むうえで、「世論が世論を的確に読む」必要性も、高まっているかもしれないのだ。
5つ星のうち 4.0 麻生の曲解?, 2010/2/15
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小泉政権後の自民党はどちらへ進むべきだったのか、なぜ自民党は昨年の総選挙で壊滅的な敗北をしたのか、データを基に極めて緻密かつ説得的に論証される様は圧巻と言ってよい。
ただし、全編通じて徹底的に客観的な筆者が、麻生太郎を論ずるときだけは、極めて主観的になっていると感じるのは私だけだろうか。評者は、それこそ何のデータにも基づかない「主観的な」意見としては、麻生太郎は時宜を得ればなかなか立派な宰相となっていたのではないかと思っているのだが・・・。
5つ星のうち 5.0 ボケ自民の劣悪さがあらわに。, 2010/2/25
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
自民党という劣悪政党が、いかに目先の権力のために、浅はかな考えで、政権運営を行ってきたかを、これ以上ないぐらいに分析している本だ。07年参院選の大敗をひとえに小泉純一郎の責任にして、おのれの責任には一切省みない姿勢は、明らかに誤っていたことをデータがあぶり出し、また、あの麻生なるボケ総理は総裁選時において、たいして人気は無く、世の中から求められてはいなかったにもかかわらず種々の要因によってあんなアホな人物が人気でNO1になってしまうというおそろしさを分析していた。その当時、このボンクラ麻生を、あたかも世の中で人気があるような報道をさんざんたれながしていたフジ産経グループには呆れる。この本はこのような劣悪なメディアの一部の情報を自民党が鵜呑みにして崩壊していく過程を描いている実に興味深く、面白い本だ
5つ星のうち 1.0 一年足らずで馬脚を表わした本, 2010/10/19
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
次回はなぜ日本人が鳩山由紀夫などという箸にも棒にもかからない愚物の与太郎を
希望と歓呼の内に宰相の椅子に迎えたのか、なぜ日本人は民主党などと言う無能集団の選挙互助会がさも日本の未来の羅針盤、民主主義の切り札であるかのごとき今となっては嗤うべきか悲しむべきか分からない哀れな蜃気楼に囚われたのかその辺の分析を是非お願いいたしますですよ著者さん御自身の分析も忘れずにね。
小泉構造改革のまぼろし, 2010/10/11
レビュー対象商品: 世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書) (新書)
麻生首相のもと自民党は2009年の総選挙で政権から転落した。3年前に小泉後継の安倍内閣が構造改革路線を捨てたのが遠因をなすと著者はいう。小泉「改革」路線の破綻は2008年末の派遣村騒動でだれの眼にもあきらかとなっており、総選挙の時点で自民党はすでに国民の信を失っていたし、小泉路線を継続していたら敗北はさらに大きかっただろう。自民党が民主党に勝利した2010年の参院選でも勝利の原動力は一人区での勝利であり、比例区では回復しないままである。(みんなの党を加算したら、という議論は論外。小さな政府を標榜するみんなの党はそもそも大きな政府支持の農村部をターゲットとしていない)もともと「農村」選挙区を基盤とする自民党が「改革」幻想を振りまいても現実に裏切られるばかりだ。自民党にあきあきした有権者は2010年秋の時点でまだ民主党に望みをつないでいるが、いつまで続くかは覚束ない。財政破綻が間近に迫り国民の選択は増税による財政再建(中福祉・高負担)か財政支出削減(低福祉・中負担)に絞られてきた。政治学者には底流にあるものを押さえたうえで数字を解釈することが求められる。今は忘れられた政治家が本当は不人気だった、などという後ろ向きの「分析」はほどほどに願いたい。
10:22 2014/02/10
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK160 > 702.html
大手マスコミの世論調査が信用できないこれだけの理由(週プレNEWS)
http://www.asyura2.com/14/senkyo160/msg/702.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2014 年 2 月 04 日 11:15:13: AtMSjtXKW4rJY
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140204-00024784-playboyz-pol
週プレNEWS 2月4日(火)10時0分配信
選挙といえば世論調査がつきものだが、その数字はマスコミによって大きく違っているケースも多い。なぜそんなことが起こるのだろうか?
たとえば、東京都知事選の告示後に行なわれた新聞各紙の世論調査結果。どこも舛添候補の優勢を伝えていたが、紙面にはその調査方法が書かれていた。朝日新聞によるとこうだ。
<25、26の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、都内の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は2557件、有効回答は1544人。回答率は60%>
朝日に限らず、ほかの新聞も基本的にはこのRDD方式こと、ランダム・デジット・ダイヤリング(Random Digit Dialing)方式を採用している。
だが、このやり方には限界があると指摘するのは、選挙プランナーの松田馨氏だ。松田氏はこれまで100人以上の選挙を手伝っている。ちなみに、勝率は7割5分だそうだ。
「固定電話にかけますから、サンプルの90%が50代から70代となり、20代、30代のサンプルがほとんど取れません。若い人はいま固定電話ではなく携帯電話ですからね。アメリカでは、世論調査で携帯電話にかけます。固定電話と携帯電話の割合は逆転していて、固定が30%から40%と携帯電話のほうが多いくらいです。日本はすごく遅れています」
サンプルにかなりの偏(かたよ)りがあるし、70代と20代では政治に求めることは全然違ってくる。また、調査対象の偏りだけでなく質問の仕方によっても結果は左右されることがあるという。
「質問相手にある程度の情報を伝えながらあなたはどう思いますかと聞く場合と、まったくなんの説明もなくイエスかノーかを問う場合もあります。聞き手側の恣意的な質問もできるわけです」(政治評論家・本澤二郎氏)
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏も、調査の結果に疑問を呈するひとりだ。
「本当に民意を反映しているのかというと疑わしいと思いますね。そもそも誰に投票しようか決めていない人が大半を占めていても、態度を決めている人の意見が“民意”となってしまう。人によってはそれを見て流されるということも大いにある。数字には影響力もあるし、誘導的な側面がどうしても出てくる」
それでも、報道される数字が本当に公正ならいいのだが、それすらも疑わしいと、自らの経験をもとに鳥越氏は言う。
「僕が新聞記者時代は世論調査といえば、面接方式だった。どんな山の中だろうと雪の中だろうと、行って面接して集計していた。例えば総選挙では各選挙区を回って集められた調査結果は、東京にある新聞社の選対本部に送られる。ところが、その数字に政治部などが取材した情報を“加味”する。つまり、若干、世論調査の数字に手が入れられるんです。この数字はちょっと出すぎだろうといった具合に。そういうことを僕は見聞きしてきたから、どうも疑ってみてしまう」
サンプルが偏っていてる上、誘導尋問、はたまた数字の改竄(かいざん)もあるという世論調査。投票は、世論(ムード)に流されず、あくまで自分の意思で行なおう。
(取材/頓所直人)
■週刊プレイボーイ7号「東京都知事選『大手マスコミ世論調査』のカラクリが見えた!」より
10:13 2014/02/10
311後の日本の政治論壇・日本政治に関する報道や評論について紹介し、論評するブログです。プロフィール
菅原琢 東京大学先端科学技術研究センター准教授、博士(法学)専門は日本政治、政治過程論。
2011年4月から14年3月まで朝日新聞論壇委員(政治担当)。この仕事の経過を記録する目的で、このブログの運営を始めました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
<(_ _)>執筆、講演、取材等のご依頼はメールでお願いいたします。書籍等の送付を希望される場合は下記にお送りください。
〒153-8904
東京都目黒区駒場4丁目6番1号 東京大学先端科学技術研究センター 4号館627号室 菅原 琢
Fax:03-5452-5280
著書
(02/07)記者が世論調査の数字を変えてしまうという俗説について
(01/04)【図表】中選挙区制と自民党に関するデータ
(12/28)2013年著作等まとめ
(10/22)「私の発言で不快な思いをさせて大変申し訳ありませんでした」と言わせる社会―「千葉滅べ」事件に関する私見
(10/11)東京大学教養学部前期課程主題科目「現代日本政治分析」初回欠席者向け連絡 【図表】中選挙区制と自民党に関するデータ | TOP
2014年02月07日記者が世論調査の数字を変えてしまうという俗説について都知事選を機に世論調査についての俗説がまた流れているので、被害者が増えないようにここで議論をまとめておきたい。
■世論調査の数字に手が入れられている? 俗説の流布元は、次の記事である。
「大手マスコミの世論調査が信用できないこれだけの理由(週プレNEWS)」(リンク先は阿修羅掲示板にコピーされたもの。)同記事は配信元の週刊プレイボーイのウェブサイト、配信先のヤフー等からはすでに削除されている。元記事はリンク先の最後にあるように紙の雑誌に掲載されている。
この記事で元毎日新聞記者であった鳥越俊太郎氏は次のように述べている。
「僕が新聞記者時代は世論調査といえば、面接方式だった。どんな山の中だろうと雪の中だろうと、行って面接して集計していた。例えば総選挙では各選挙区を回って集められた調査結果は、東京にある新聞社の選対本部に送られる。ところが、その数字に政治部などが取材した情報を“加味”する。つまり、若干、世論調査の数字に手が入れられるんです。この数字はちょっと出すぎだろうといった具合に。そういうことを僕は見聞きしてきたから、どうも疑ってみてしまう」
鳥越氏は、以前にも週刊ポストの記事「鳥越俊太郎氏若者ら除外する世論調査結果の信憑性に疑問」で次のように述べている。
「選挙に関する世論調査の結果を発表する前に選挙の担当者が数字を“調整”するのをしばしば見てきた。担当者が取材で掴んだ選挙区情勢と違うという理由です。そういった裏事情を知っているので、私自身は世論調査の数字を疑っています。」
これらの発言からわかるのは、鳥越氏やこれらの記事を配信した雑誌編集部は、選挙情勢調査を理解しておらず、内閣支持率等を発表する普段の世論調査との区別がついていないということである。
言い換えると、数字が“調整”されるのは選挙情勢調査ではよくあること、必要なことである。一方で、内閣支持率を報告するような普段の世論調査では、記者が取材をもとに数字を変えるようなことは行われていない。
■選挙情勢調査とは ここで論点となる選挙情勢調査とはどのようなものか。都知事選の情勢調査について毎日新聞は次のように記事で表現している。
「9日に投開票される東京都知事選について、毎日新聞は1、2の両日、都内の有権者を対象に電話による世論調査を実施し、取材結果も加えて終盤情勢を探った。」(「都知事選:舛添氏優勢 細川、宇都宮氏追う 本社世論調査」『毎日新聞』2014年2月2日掲載)
この記事を読むと、舛添氏が優勢であることは述べられているものの、誰が何%の割合で支持を得ているかという具体的な数字は示されていない。公選法第138条の3の規定により、選挙運動期間中に人気投票と解される数字を公表することができないのである。そこで、「優勢」「リード」「激しく追う」といった文章表現で、数字を示さずに情勢を伝えている。つまり、鳥越氏が糾弾する調整された数字は最初から公表されないものである。
また、記者による調整は、この記事の「取材結果も加えて」というところに表現されている。しかし、なぜ情勢調査で記者は数字を調整するのだろうか。それは予測を当てるためである。言い換えれば、選挙情勢のために行っている世論調査での、誰に投票するかという回答分布は、選挙結果の正確な予測からは外れているのである。
■数字は予測を当てるために調整される では、なぜ投票予定の回答分布は選挙結果を予測できないのか。簡単に2つに整理すれば、(1)投票日に向けて投票行動が変化したり、態度未定の人が態度を決める、(2)世論調査結果自体がそもそも歪んでいる可能性がある、となるだろう。
(1)については、たとえばそれまで無名だった新人候補が選挙期間中に知名度を上げる場合が典型である。さらには、当選可能性が低い、もしくは高すぎる候補からの票の離脱なども考えられるだろう。(2)については、たとえば公明党や共産党の支持者は、世論調査に正直に回答しない傾向が知られている。
こうした傾向が過去の調査結果等から既知であれば、調査結果に補正をかけて、投票日当日の数字を予測する。鳥越氏が所属し、体験したであろう1983年衆院選の調整前と後の比較が、西平重喜『世論をさがし求めて』(ミネルヴァ書房)に掲載されている。西平氏は毎日新聞社の世論調査部の設立とその方法論の確立に尽力した統計学者であり、毎日新聞の最初の選挙情勢調査の手法についても手がけた人物である。
image002.png 左の表が、世論調査の生のデータと予測得票率、実際の選挙結果を比較したものである。見てのとおり、生の数字では自民党には強めに、社会党や公明党では弱めに数字が出ているが、補正後の予測得票率は現実にかなり近い数字となっている。選挙情勢調査を行っている各メディアは、こうした補正を行う予測式に磨きをかけている。ときどき「衝撃の生数字を入手!」といった記事がタブロイド紙や雑誌に掲載されるが、価値があるのは生数字ではなく補正後の数字だろう。
一方、そのときそのときの選挙区ごとの個別の事情は、過去のデータによる補正をすることができない。特定の団体が推薦を決めたなどの情報が別にあれば、その影響を世論調査結果に加味して判断することは、予測を行ううえで合理的である。こうした「取材の加味」が行われていることは、新聞記事やさまざまな文献にも書かれており、「裏事情」では決してない。
【参考】 吉田貴文『世論調査と政治―数字はどこまで信用できるのか』(講談社+α新書) 西平重喜『世論をさがし求めて―陶片追放から選挙予測まで』(ミネルヴァ書房)
これらの調整の実態は、新聞社や時期によって異なる。たとえば毎日新聞は、昨年の参院選で予測式を用いた補正を行わなかったそうである(世論調査協会2013年度研究大会シンポジウムでの担当者の発言より)。それでも十分に当たったのは、自公圧勝で当てやすい選挙だったためだろう。
■普段の世論調査で“調整”はするか 鳥越氏は、ここで述べた選挙情勢調査の話を、内閣支持率等を伝えるふだんの世論調査一般でもそうだと思い込んでしゃべっているようである。では、普段の世論調査で記者による数字の差し替えのようなことは行われないのだろうか。
仮に筆者が世論調査の数字を変えることができる立場にいるとしても、数字を動かすようなことはしないだろう。何の意味もないからである。仮に、気に食わない内閣の支持率を多めに下げてやろうと実際の結果よりも10ポイント下落させたとしよう。すると、他社の調査結果と整合しなくなるため、そうした作為はすぐにばれる。少なくとも、怪しくいい加減な調査だということになる。
他社との整合が疑われない誤差の範囲で、たとえば3ポイントくらい余計に下落させたらどうだろうか。そもそもそのような小さな動きに意味があるとも思えないが、次月には数字がその分だけ上昇することになり、その気に食わない内閣の評価が上昇していることを宣伝することになる。
少し考えて見ればわかるとおり、世論調査そのものには多数の人々が関わる。会社は予算を出し、過去であれば鳥越氏の思い出話のように自社の記者が全国で調査に携わる。現代であればテレマーケティング会社などに外注する。その中で、調査結果が俺の実感に合わないから数字を変えようと言い出しても通せるわけがなく、通せたとしてもすぐに業界内で噂になるだろう。
■おわりに
取材をせず関連文献も読まない一部のアンチ大手メディアの人々が流布している世論調査批判言説は、まず間違いなく俗説である。むしろ、こうした俗説のおかげでメディアの世論調査の重要な問題点が見過ごされているところもある。この点はこれまでも繰り返し述べてきたのでここでは繰り返さない。
【参考】
菅原琢「スケープゴート化する世論調査―専門家不在が生む不幸な迷走」『Journalism』2011年1号
菅原琢「悪いのは世論調査ではなく迷走する政局と報道である」『朝日ジャーナル―政治の未来図』
「世論調査やネットのアンケート調査をどう読む? 菅原琢准教授に聞く(前編)」、ハフィントン・ポスト
「選挙の「争点」と有権者の関心はなぜズレる? 菅原琢准教授に聞く(後編)」、ハフィントン・ポスト
このような俗説は、少し文献を調べるか、わかっている人に聞くかすれば怪しいことはすぐにわかるだろう。それをせずに気に入った俗説に飛びついたり、間違った見解を流し続けるのは、自身の評判を落とし続けるだけである。報道関係者であれば、程度の低い言説を繰り返しているうちに、より低層の仕事しか来なくなり、あの人は終わったと言われることになる。年寄りは晩節を汚すだけだろうが、現役の若いジャーナリストや雑誌編集者、政界関係者がこうした俗説に踊らされ、結果的に信用を失うのは見るに忍びない。
もっとも、筆者はメディアの世論調査の実査担当者ではなく、ここでは世論調査に関する各種書籍や関係者を通じて仕入れた知識と、現状の常識から判断されることを述べたに過ぎない。これらはあくまで現時点の議論であり、将来的に同内容であることを保証するものではないということは、最後に述べておきたい。
関連エントリ:安倍内閣に批判的なメディアは内閣支持率が低いという俗説について
タグ:世論調査
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8:39 2014/02/10
日本政治に関する報道や評論について紹介し、論評するブログです。
プロフィール
菅原琢
東京大学先端科学技術研究センター准教授、博士(法学)専門は日本政治、政治過程論。
2011年4月から14年3月まで朝日新聞論壇委員(政治担当)。この仕事の経過を記録する目的で、このブログの運営を始めました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
<(_ _)>
執筆、講演、取材等のご依頼はメールでお願いいたします。
sugawara @ mk.rcast.u-tokyo.ac.jp
電話取材はお受けしておりません。
書籍等の送付を希望される場合は下記にお送りください。
〒153-8904
東京都目黒区駒場4丁目6番1号
東京大学先端科学技術研究センター 4号館627号室 菅原 琢
Fax:03-5452-5280
(02/07)記者が世論調査の数字を変えてしまうという俗説について
(01/04)【図表】中選挙区制と自民党に関するデータ
(12/28)2013年著作等まとめ
(10/22)「私の発言で不快な思いをさせて大変申し訳ありませんでした」と言わせる社会―「千葉滅べ」事件に関する私見
(10/11)東京大学教養学部前期課程主題科目「現代日本政治分析」初回欠席者向け連絡フォームの終わり
2014年02月07日
都知事選を機に世論調査についての俗説がまた流れているので、被害者が増えないようにここで議論をまとめておきたい。
■世論調査の数字に手が入れられている? 俗説の流布元は、次の記事である。
「大手マスコミの世論調査が信用できないこれだけの理由(週プレNEWS)」(リンク先は阿修羅掲示板にコピーされたもの。)
同記事は配信元の週刊プレイボーイのウェブサイト、配信先のヤフー等からはすでに削除されている。元記事はリンク先の最後にあるように紙の雑誌に掲載されている。
この記事で元毎日新聞記者であった鳥越俊太郎氏は次のように述べている。
「僕が新聞記者時代は世論調査といえば、面接方式だった。どんな山の中だろうと雪の中だろうと、行って面接して集計していた。例えば総選挙では各選挙区を回って集められた調査結果は、東京にある新聞社の選対本部に送られる。ところが、その数字に政治部などが取材した情報を“加味”する。つまり、若干、世論調査の数字に手が入れられるんです。この数字はちょっと出すぎだろうといった具合に。そういうことを僕は見聞きしてきたから、どうも疑ってみてしまう」
鳥越氏は、以前にも週刊ポストの記事「鳥越俊太郎氏 若者ら除外する世論調査結果の信憑性に疑問」で次のように述べている。
「選挙に関する世論調査の結果を発表する前に選挙の担当者が数字を“調整”するのをしばしば見てきた。担当者が取材で掴んだ選挙区情勢と違うという理由です。そういった裏事情を知っているので、私自身は世論調査の数字を疑っています。」
これらの発言からわかるのは、鳥越氏やこれらの記事を配信した雑誌編集部は、選挙情勢調査を理解しておらず、内閣支持率等を発表する普段の世論調査との区別がついていないということである。
言い換えると、数字が“調整”されるのは選挙情勢調査ではよくあること、必要なことである。一方で、内閣支持率を報告するような普段の世論調査では、記者が取材をもとに数字を変えるようなことは行われていない。
■選挙情勢調査とは
ここで論点となる選挙情勢調査とはどのようなものか。都知事選の情勢調査について毎日新聞は次のように記事で表現している。
「9日に投開票される東京都知事選について、毎日新聞は1、2の両日、都内の有権者を対象に電話による世論調査を実施し、取材結果も加えて終盤情勢を探った。」(「都知事選:舛添氏優勢 細川、宇都宮氏追う 本社世論調査」『毎日新聞』2014年2月2日掲載)
この記事を読むと、舛添氏が優勢であることは述べられているものの、誰が何%の割合で支持を得ているかという具体的な数字は示されていない。公選法第138条の3の規定により、選挙運動期間中に人気投票と解される数字を公表することができないのである。そこで、「優勢」「リード」「激しく追う」といった文章表現で、数字を示さずに情勢を伝えている。つまり、鳥越氏が糾弾する調整された数字は最初から公表されないものである。
また、記者による調整は、この記事の「取材結果も加えて」というところに表現されている。しかし、なぜ情勢調査で記者は数字を調整するのだろうか。それは予測を当てるためである。言い換えれば、選挙情勢のために行っている世論調査での、誰に投票するかという回答分布は、選挙結果の正確な予測からは外れているのである。
■数字は予測を当てるために調整される
では、なぜ投票予定の回答分布は選挙結果を予測できないのか。簡単に2つに整理すれば、(1)投票日に向けて投票行動が変化したり、態度未定の人が態度を決める、(2)世論調査結果自体がそもそも歪んでいる可能性がある、となるだろう。
(1)については、たとえばそれまで無名だった新人候補が選挙期間中に知名度を上げる場合が典型である。さらには、当選可能性が低い、もしくは高すぎる候補からの票の離脱なども考えられるだろう。(2)については、たとえば公明党や共産党の支持者は、世論調査に正直に回答しない傾向が知られている。
こうした傾向が過去の調査結果等から既知であれば、調査結果に補正をかけて、投票日当日の数字を予測する。鳥越氏が所属し、体験したであろう1983年衆院選の調整前と後の比較が、西平重喜『世論をさがし求めて』(ミネルヴァ書房)に掲載されている。西平氏は毎日新聞社の世論調査部の設立とその方法論の確立に尽力した統計学者であり、毎日新聞の最初の選挙情勢調査の手法についても手がけた人物である。
左の表が、世論調査の生のデータと予測得票率、実際の選挙結果を比較したものである。見てのとおり、生の数字では自民党には強めに、社会党や公明党では弱めに数字が出ているが、補正後の予測得票率は現実にかなり近い数字となっている。選挙情勢調査を行っている各メディアは、こうした補正を行う予測式に磨きをかけている。ときどき「衝撃の生数字を入手!」といった記事がタブロイド紙や雑誌に掲載されるが、価値があるのは生数字ではなく補正後の数字だろう。
一方、そのときそのときの選挙区ごとの個別の事情は、過去のデータによる補正をすることができない。特定の団体が推薦を決めたなどの情報が別にあれば、その影響を世論調査結果に加味して判断することは、予測を行ううえで合理的である。こうした「取材の加味」が行われていることは、新聞記事やさまざまな文献にも書かれており、「裏事情」では決してない。
【参考】
吉田貴文『世論調査と政治―数字はどこまで信用できるのか』(講談社+α新書)
西平重喜『世論をさがし求めて―陶片追放から選挙予測まで』(ミネルヴァ書房)
これらの調整の実態は、新聞社や時期によって異なる。たとえば毎日新聞は、昨年の参院選で予測式を用いた補正を行わなかったそうである(世論調査協会2013年度研究大会シンポジウムでの担当者の発言より)。それでも十分に当たったのは、自公圧勝で当てやすい選挙だったためだろう。
■普段の世論調査で“調整”はするか
鳥越氏は、ここで述べた選挙情勢調査の話を、内閣支持率等を伝えるふだんの世論調査一般でもそうだと思い込んでしゃべっているようである。では、普段の世論調査で記者による数字の差し替えのようなことは行われないのだろうか。
仮に筆者が世論調査の数字を変えることができる立場にいるとしても、数字を動かすようなことはしないだろう。何の意味もないからである。仮に、気に食わない内閣の支持率を多めに下げてやろうと実際の結果よりも10ポイント下落させたとしよう。すると、他社の調査結果と整合しなくなるため、そうした作為はすぐにばれる。少なくとも、怪しくいい加減な調査だということになる。
他社との整合が疑われない誤差の範囲で、たとえば3ポイントくらい余計に下落させたらどうだろうか。そもそもそのような小さな動きに意味があるとも思えないが、次月には数字がその分だけ上昇することになり、その気に食わない内閣の評価が上昇していることを宣伝することになる。
少し考えて見ればわかるとおり、世論調査そのものには多数の人々が関わる。会社は予算を出し、過去であれば鳥越氏の思い出話のように自社の記者が全国で調査に携わる。現代であればテレマーケティング会社などに外注する。その中で、調査結果が俺の実感に合わないから数字を変えようと言い出しても通せるわけがなく、通せたとしてもすぐに業界内で噂になるだろう。
■おわりに
取材をせず関連文献も読まない一部のアンチ大手メディアの人々が流布している世論調査批判言説は、まず間違いなく俗説である。むしろ、こうした俗説のおかげでメディアの世論調査の重要な問題点が見過ごされているところもある。この点はこれまでも繰り返し述べてきたのでここでは繰り返さない。
【参考】
菅原琢「スケープゴート化する世論調査―専門家不在が生む不幸な迷走」『Journalism』2011年1号
菅原琢「悪いのは世論調査ではなく迷走する政局と報道である」『朝日ジャーナル―政治の未来図』
「世論調査やネットのアンケート調査をどう読む? 菅原琢准教授に聞く(前編)」、ハフィントン・ポスト
「選挙の「争点」と有権者の関心はなぜズレる? 菅原琢准教授に聞く(後編)」、ハフィントン・ポスト
このような俗説は、少し文献を調べるか、わかっている人に聞くかすれば怪しいことはすぐにわかるだろう。それをせずに気に入った俗説に飛びついたり、間違った見解を流し続けるのは、自身の評判を落とし続けるだけである。報道関係者であれば、程度の低い言説を繰り返しているうちに、より低層の仕事しか来なくなり、あの人は終わったと言われることになる。年寄りは晩節を汚すだけだろうが、現役の若いジャーナリストや雑誌編集者、政界関係者がこうした俗説に踊らされ、結果的に信用を失うのは見るに忍びない。
もっとも、筆者はメディアの世論調査の実査担当者ではなく、ここでは世論調査に関する各種書籍や関係者を通じて仕入れた知識と、現状の常識から判断されることを述べたに過ぎない。これらはあくまで現時点の議論であり、将来的に同内容であることを保証するものではないということは、最後に述べておきたい。
関連エントリ:安倍内閣に批判的なメディアは内閣支持率が低いという俗説について
タグ:世論調査
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2/10/2014